かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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相続遺産を守るための自己破産

2007-07-28 | 事例
さる大手企業の営業マンです。
相当な腕利きらしいと聞いて居ります。
其の営業マンが、世間に知られぬように、そうっと自己破産を計画して居ます。
一人其れを知った義兄は躍起になって止め様として居ますが、なんせ、妻の実家が家中で計画している義弟の破産、効果は有りません。

Aさんは、奥さんの弟、義弟に若干のお金も貸し、又弟の借金の保証もして居ります。
義弟は大会社に勤めながら、株と不動産に手を出して居たらしいです。
資金の面倒を見たのは丁度、景気が下り坂で、株も不動産も急落する一寸前でした。
義弟はたちまち返済できなくなりました。

一方Aさんも収益物件のビルを持っていますが、ビルだけならば採算が取れておりますが、これも投機に失敗して居ります。ビルの維持が出来るかどうかの瀬戸際です。

そんな義弟が90歳少し前の伯母のところに養子縁組が急に決まったのです。
伯母は義弟の父親と、もう一人の弟と3人兄弟です。そのほかは身寄りは居りません。早くに離縁してそのまま一人で過ごして来ました。
この一族は昔からの土地を持っており、伯母の資産も相当なものです。
義弟は子供頃から伯母に可愛がられて居たのです。
義弟の養子縁組も義弟の父親が自分のこと以上に一生懸命でした。

ところが養子縁組が決まると直ぐに義弟は自己破産を計画しました。
今まで破産など考えたことなく、給料の差押があるかとびくびくしながら、返済の言い訳を頑張って来たのに何故?
そう、伯母はもう長くありません。万一の時は莫大な遺産が入ってきます。
借金があれば遺産も取られてしまいますが、今のうちに破産で債務を切り捨てれば大丈夫です。

義弟の本当の目的は此れだったろうと思います。
しかも恐らく勤務先でも自己破産を気付かないでょう。官報チェック者は居りません。
よしんば気付いたとしても、其れを理由に馘首にする事も出来ません。
今の世間的体裁は守れるでしょう。

自己破産は認められ免責も居りました。
Aさんは異議を申し立てております。近くに債務以上の相続が予想されるのに全て
免責になるとはおかしいと言うわけです。保証人は求償権を有しても良いではないかと云う訴えです。
其れは論外のことの一言で却下です。

さあ、Aさんの苦行が始まりました。
義弟に貸してあるお金が戻らないどころか、保証人として請求を受けだしたのです。
自分の借入の返済が漸くと云うのに、義弟の分まで被さってきたのです。

Aさんは妻にはこぼしませんでした。妻に弟の悪口を云っても、妻にはどうしようも出来ません。心配を助長するだけです。
しかし妻は鬱症状がでてきました。のみならずAさんにも胃に悪性の腫瘍が発見されたのです。

Aさんは闘病生活の結果、よくなりましたが、胃は殆ど除去したために無理も出来ません。
Aさんは此処で破産をしましたが、義弟騒ぎが無くても同じ結果になっていたかも知れません。

妻は実家の助けでマンションを買いました。
借金にも追われない日々が送れます。
鬱症状がよくなってきたような気がします

最近伯母は床から離れません。
もう90才をいくつか過ぎています。
弟の財産になるのは間近でしょう。

弟に投機癖が戻って来そうです。






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