かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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相続方法を変えた姉妹の確執

2007-07-20 | 事例
賀状以来便りのないI子さんから、写真入の便りを頂きました。
「妹のS子との仲も昔通りの仲になりました。」
相続・続く銀行との争い、もう10年以上没交渉の二人でした。

I子は資産家と言われた父親が他界した時に、直ぐに相続放棄を決めていました。多額な家賃収入を全てつぎ込んでも、銀行返済に苦しんで居る父親の姿を何年となく見ていたからです。
妹のS子にも其のことを話して、姉妹しての放棄を考えて居ました。

しかし案に相違してS子は放棄せずに、姉が放棄するならば、全部を相続すると云いだしたのです。「其の方が姉さんも借金の請求が無くて助かるでしょう。」
と云うのです。「銀行なんかに返済しませんよ。家賃だって皆持っていかれるのはもったいない。」と息巻いています。

まだ40歳を一寸過ぎた執事とも云える男がこの家の全てを取り仕切っておりましたが、其の男から吹き込まれた知識らしいです。
I子は結婚して二人の子供が二人居ますがS子は30を半ば過ぎてもまだ一人、この家に父親と住んでいました。

I子は全額相続放棄、S子が全て相続して相続問題は終わりました。
相続放棄をしたから、何も無いと思っていたI子が銀行に呼ばれ、「保証人としてI子さんに請求します。」と云われたのはそれから1年後です。
「お父様の負債は12億です。毎月、合わせると400万ほど賃料が上がる収益物件が担保ですが、此れとてどう高く処分されても4億とはなりません。
ご相続の物件処分では全然不足です。貴方とS子さんは保証人です。それでも本来ですと担保を処分してから保証人にご請求すべきですが、S子さんはどう連絡しても会ってくれません。のみならず、担保物件に何か工作をしようとしている気配が見受けられます。
そのために、近く法的処理を全てにします。
其れが終われば、I子さん。貴方にもご請求が行きますが、その前に貴方の方から弁済計画を出して頂ければ、当行もある程度其の線に協力できます。自発的に弁済計画をお出し願えないでしょうか。」

「私はこうなることが嫌で相続放棄をしたのですが。」
「いや相続人のI子さんでなく保証人としてご請求しているのです。」
銀行はそこで相続放棄をしても保証をしていればその分は弁済してもらうことになりますとの説明です。何のことはない全て相続放棄したI子と、全て相続をしたS子は同じ様に父親の12億の債務を弁済しなければならないと云うわけです。

其れも先ず払うべきS子から上手く回収出来ないから、とばっちりがI子にかかってきそうです。
それにしても家賃振込みは借りた銀行になるようにして居りますが、
父の頃から入居者が変わるごとに違う銀行に振り込ませて居りました。
其れは差押えられては居りません。
S子の収入になって居ます。
どのくらいか解かりませんがかなりの額と思います。

そんなS子はそのままで、放棄した私が払うなんて、そんな馬鹿な事ってあるかと思い、何とかならないかと弁護士を訪問しました。
ところが話を途中まで聞い他弁護士は叫びました。
「I子さん。貴方は保証人ではありませんよ。銀行の口車に乗せられて署名捺印させられたのです。闘いましょう。勝ちます。」
つまり良く世間も知らない良家の娘が二人、銀行に騙されたと言うのです。
そう云えば執事に呼ばれ病床の父のところに言ったとき、銀行員が居ました。
「決してご損はお掛けしません。」と云って居ました。
こちらは訳が解からないが父親のためと思って書類など見なくて署名捺印したことがあります。今考えると其れが全ての保証をする保証書だったのです。

裁判は負けました。
I子は証人として、捺印の時の銀行員を呼びましたが、
銀行員はけろっとした顔で
「そんなことを云った覚えは有りません。保証人としての義務などをご説明しました。」と証言したのです。
全てが嫌になったI 子は弁護士が高裁を主張したのに控訴しませんでした。

I子はこの間もS子に連絡しました。
「相続放棄をしても保証人だったら弁済義務があるなんて知らなかった。
 知っていれば放棄はしなかった。
 差押えになるまで家賃入るのでしょう。半分とは云わないからせめて
3分の1くらい家賃を下さい。其のうちに私も全て無くなるのですから。」
勿論、返事はNOです。
「貴方が銀行と話し合ってくれれば、私の方に来るのも緩やかになりそう。
 早く銀行と話し合って、弁済出来るものは弁済してください。」とI子。
「私、最初から銀行なんかに素直に返すなんて云ってません。嫌です。
其れより姉さんも銀行の云う事など聞かずに一切払わなければ良いでしょう。」
取り付くしまもありません。

しかしこうしたやり取りは二人の仲を悪くしていくだけです。
S子が相続したものは何一つ競売になって居ないのに、I子が結婚した時に父親から貰った毎月60万をあげる賃貸マンションが差押になった時には完全に二人の仲も壊れたのです。
I子が敗訴した時、債務名義も渡っていました。

少し長くなります。この続きは明日にさせてください。






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