かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

最後まで諦めるな。執念が勝つ 

2008-01-03 | 事例
銀行が競売すると騒ぎましたが、頑として守りきった
ビルのオーナーが居ります。私鉄沿線の小さな町、
そんな駅前にOさんの5階建てのビルがありました。
Oさンは張り切っております。
「駅前は町の顔である。このビルは駅前の象徴だ。
テナントも1流でなければならない。」とテナントも
厳しく選り分けております。其のテナントが不景気の為に2軒、
つまり2フロア続けて引き上げたのです。
Oさんの経営はたちまち行き詰まりました。

しかし此処からOさんの活躍が始まります。
1年くらい経つと銀行に返済できなくなりました。
「入居者を選ばず、誰でも直ぐに入居されろ。」
と銀行は五月蝿いです。
事実、消費者金融などは何軒も打診に来ました。
ゲームセンターや居酒屋もありました。Oさんは首を振りません。
ついに金利さえ銀行に払えなくなったのです。

Oさんは銀行に日参です。
「必ず1流のテナントを入れる。其れまで金利にも及ばないが
月100万は必ず返済する。入るまで待って欲しい。」
銀行の支店長が幾らOさんを説得してもOさんの意志は変わりません。

「このビルが1流のビルであれば町の格も上がります。
銀行にも其の方がよい筈です。ご協力を願いたい。」
の1点張りです。

1年以上過ぎました。さすがに銀行も我慢できなくなり、
町の名士で昔からの上得意のOさんに不良債権にする事を
告げました。暗に100万円は入金しても無駄金になることも
一緒に示唆しました。

しかしOさんの態度は変わりません。銀行は弱り果てたのです。
別段預金をつくり、そこで管理し始めました。Oさんには通知が
ありませんでしたが、行内では不良債権扱いに成っていた様子です。

Oさんも悩みました。何人とも相談して居ります。
みんな異口同音に、もう払うのは止めなさい。と進言します。
「払ってもやがてはビルは取られますよ。其れならば自分で有利な
買い手を探しましょう。」と持ちかける人も少なくありませんでした。

其の中で一人、「貴方のやって居ることは何かロマンを感じますね。
人から見ればバカといわれるでしょう。しかし男として後の生活も
考えずにひたすらそれに打ち込む。やってみたいですね。」
と言った人が居ます。この言葉には非常に勇気付けられたのです。

其れからも100万の入金とOさんの頑張りは続きました。
しかし支店長はOさんを呼び、
「もう銀行としてはこれ以上どうしようもありません。
債権を担保付でサービサーに譲渡します。しかし決して
悪い結果は出ないと思います。」

サービサーとは1時金で和解をしました。
其のお金はリース会社が用立ててくれました。
賃料内で充分に返済できます。

折も折、テナントも2軒決まったのです。

この話は単にOさんが地元の名士と云うだけではなくて、
次のような事情もありました。この銀行の債権額は、他の債権者に
比してずば抜けて多いのですが、担保は3番でした。そのために
競売をしても、無剰余にはならないでしょうが、入るお金はほんの
チョッピリです。其れと古い入居者が多く、預かり敷金も大きな額です。
其の敷金のことを考えると買い手がつくかどうかも疑問でした。
そんな内情は、Oさんは考えずにひたすら自分の道を歩いたのです。

それにしてもOさんは安心です。
1番・2番の抵当権者には返済額も僅かで済みます。
粘った甲斐があったと云うものです。

「運は転がり込んでは来ない。自分で掴み取ろう。」
Oさんの上手くも無い字ですが紙面を踊って居ます。
「いい年だが未だ若々しいな。」
私は年賀状を見ながら思い出して居ました。





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