気力
2008-01-17 | 事例
Nの会社が何故今も続いているか不思議です。
不渡りを出したのが平成13年10月のことです。
3行の銀行に12億、仕入先に3億の負債でした。1億2000万の
国税の差押もありました。40名の会社で5000万以上の月商が
落ちたとは言え、4000万近くありました。
しかしこの会社は法的整理も、又外部に対しても私的整理で
けじめをつけず、今日、35名の従業員で3000万の月商で、
未だ会社を続けております。国税を含め、ありとあらゆる方法で
取り立てを蒙って居ります。社長一人が満身創痍になりながら、
社長の気力だけで今も続いております。
社長の心を一貫して支えて居るものは
「会社を潰してはいけない。」と云う気持ちからです。
何故と理由を聞かれても困ります。理論めいた理由などありません。
「家族は娘婿まで含めて、全員がこの仕事に従事しているから。」
「従業員も他にパート先も無く、失業保険も入って居ない為、
直ちに困るから。」等理由を挙げますかが決定打はありません。
文句なしに「潰してはならない。」と云う一種の信仰からです。
不渡りの半年前に知り合ったGは法的整理は反対です。
しかし仕入先に対しては債権者会議を開いて、こうなった説明と、
今後の協力をお願いしよう。と喋る原稿まで書いて呉れました。
Nもお金が掛かる法的整理は反対です。民事再生は否認されて、
自己破産までもっていかれそうな気もします。しかし自分でする
債権者会議も一寸怖いです。配当などありゃしない。
若しみんなして詰め寄ってくればと考えると、怖さ倍増です。
結局は「債権者会議に時に」とGが書いた原稿を
アレンジして、債権者全員に不渡り前に配布しました。
内容は飾らず、嘘は言って居りません。其の効き目か、
かねてから噂があったせいか、Nが不渡りを出しても、
何処も直ぐに会社社まで乗り込んでくる業者は居ませんでした。
この事が其の後のNを決定付けました。
「まずいことでも本当のことを、相手が知りたい時、
言えば何とか窮地も乗り越え ることは出来る。」
そんな処世訓を持ったみたいです。
勿論債権者会議を開き、もっと詳しく説明を期待していた
業者も少なくありません。Nはそうしたところは1軒づつ回って、
丁寧に説明して居ります。それで結局は債権者会議もせず、
仕入先を押さえてしまったのです。それどころか引き続いて
材料を入れる処まで約束させたのです。
一方、銀行にはつっけんどんでした。
3行の銀行は一斉に担保の競売です。9軒の地主の
借地に立てた自宅兼工場を除いては競売で直ぐに
手放しました。今まで使っておらず、収益も上げて
いない物件ですから惜しくもありません。
肝心の自宅兼工場は入り組んだ借地に立っている
消防法違反の駄々広い建物ですから簡単に売れません。
案の上、最初の6500万の最低価格の時は売れませんでした。
2回目の競売は基準価格として2800万、売却可能価格で
2240万と言う易さになりました。この時は、此れでは
チョッピリ危ないという気持ちから、3000万、5年払いで
和解に漕ぎ付け、ほっとしたものです。
やれ此れで商売に専心できると思って居たら、今度は国税の
取り立てです。全て合わせて滞納額は1億1000万らしいです。
毎月20万で何とかお願いしました。但しその間、実害は
ありませんが、3回ほど差押も食っています。
取り立てばかりでは有りません。特に19年度は食品で
いろいろな問題が新聞紙上を騒がしたためか、保健所の
検査が厳しかったのです。これだけは逆らえません。
言うことを聞かないと営業が出来ません。
こんな緊張の日々が6年間も続くと、さすがに体にも響き、
昨年は1ヶ月の入院、心臓を傷めて今では身障者障害手帳を
持つようになりました。それでも会社は続いております。
「市況は悪いね。今年になっての悪さは、
今までの中でも群を抜いているよ。」
もう7年以上の付き合いですがNの弱音を聞いた事がありません。
普通の人ならば当に会社を続けていることは出来無いでしょう。
しかし今年は年初から珍しくNの泣き言を聞来ました。
今年の悪さは気丈なNの気力を虐げています。
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不渡りを出したのが平成13年10月のことです。
3行の銀行に12億、仕入先に3億の負債でした。1億2000万の
国税の差押もありました。40名の会社で5000万以上の月商が
落ちたとは言え、4000万近くありました。
しかしこの会社は法的整理も、又外部に対しても私的整理で
けじめをつけず、今日、35名の従業員で3000万の月商で、
未だ会社を続けております。国税を含め、ありとあらゆる方法で
取り立てを蒙って居ります。社長一人が満身創痍になりながら、
社長の気力だけで今も続いております。
社長の心を一貫して支えて居るものは
「会社を潰してはいけない。」と云う気持ちからです。
何故と理由を聞かれても困ります。理論めいた理由などありません。
「家族は娘婿まで含めて、全員がこの仕事に従事しているから。」
「従業員も他にパート先も無く、失業保険も入って居ない為、
直ちに困るから。」等理由を挙げますかが決定打はありません。
文句なしに「潰してはならない。」と云う一種の信仰からです。
不渡りの半年前に知り合ったGは法的整理は反対です。
しかし仕入先に対しては債権者会議を開いて、こうなった説明と、
今後の協力をお願いしよう。と喋る原稿まで書いて呉れました。
Nもお金が掛かる法的整理は反対です。民事再生は否認されて、
自己破産までもっていかれそうな気もします。しかし自分でする
債権者会議も一寸怖いです。配当などありゃしない。
若しみんなして詰め寄ってくればと考えると、怖さ倍増です。
結局は「債権者会議に時に」とGが書いた原稿を
アレンジして、債権者全員に不渡り前に配布しました。
内容は飾らず、嘘は言って居りません。其の効き目か、
かねてから噂があったせいか、Nが不渡りを出しても、
何処も直ぐに会社社まで乗り込んでくる業者は居ませんでした。
この事が其の後のNを決定付けました。
「まずいことでも本当のことを、相手が知りたい時、
言えば何とか窮地も乗り越え ることは出来る。」
そんな処世訓を持ったみたいです。
勿論債権者会議を開き、もっと詳しく説明を期待していた
業者も少なくありません。Nはそうしたところは1軒づつ回って、
丁寧に説明して居ります。それで結局は債権者会議もせず、
仕入先を押さえてしまったのです。それどころか引き続いて
材料を入れる処まで約束させたのです。
一方、銀行にはつっけんどんでした。
3行の銀行は一斉に担保の競売です。9軒の地主の
借地に立てた自宅兼工場を除いては競売で直ぐに
手放しました。今まで使っておらず、収益も上げて
いない物件ですから惜しくもありません。
肝心の自宅兼工場は入り組んだ借地に立っている
消防法違反の駄々広い建物ですから簡単に売れません。
案の上、最初の6500万の最低価格の時は売れませんでした。
2回目の競売は基準価格として2800万、売却可能価格で
2240万と言う易さになりました。この時は、此れでは
チョッピリ危ないという気持ちから、3000万、5年払いで
和解に漕ぎ付け、ほっとしたものです。
やれ此れで商売に専心できると思って居たら、今度は国税の
取り立てです。全て合わせて滞納額は1億1000万らしいです。
毎月20万で何とかお願いしました。但しその間、実害は
ありませんが、3回ほど差押も食っています。
取り立てばかりでは有りません。特に19年度は食品で
いろいろな問題が新聞紙上を騒がしたためか、保健所の
検査が厳しかったのです。これだけは逆らえません。
言うことを聞かないと営業が出来ません。
こんな緊張の日々が6年間も続くと、さすがに体にも響き、
昨年は1ヶ月の入院、心臓を傷めて今では身障者障害手帳を
持つようになりました。それでも会社は続いております。
「市況は悪いね。今年になっての悪さは、
今までの中でも群を抜いているよ。」
もう7年以上の付き合いですがNの弱音を聞いた事がありません。
普通の人ならば当に会社を続けていることは出来無いでしょう。
しかし今年は年初から珍しくNの泣き言を聞来ました。
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