かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

いやらしい請求

2007-07-13 | 事例
和留は巻田が急死したと聞いた時「占めた」と舌なめずりをしました。
二人は同じ土建組合の双璧です。日ごろは仲良く、良く飲みに云ったりゴルフなど共の行動を見かけます。
しかし内心は二人とも相手を叩きのめして自分がこの業界を仕切って行きたいのです。土建業界がまだ談合が叫ばれる少し前の頃です。

牧田の死は自殺とも噂されました。この頃各府県とも極端に予算を搾り出し、何処も良い噂は ひとかけら も有りませんでした。
牧田のところも「もう直ぐ飛ぶ」つまり不渡りを出すのではないだろうかと云う噂が立って居たのです。
和留は牧田の後の組合を牛耳る他に、市内の一等地の牧田の事務所、あわよくば小町の異名を持つ其の妻さえ狙ったのです。

「牧田が死ねば銀行は黙っては居ない。必ず整理に出る。その時に力を
貸せる態度を見せて。」
和留の読みは当たって居ました。銀行は牧田亡き後、会社は成り立たないと見て、あると思われる生命保険すら仮差押をしてきたのです。続いて担保の競売をしてきました。
ところが此れを牧田の妻は全部乗り切ってのです。
仮差押に莫大な預金は1円も差押えられなかったのです。競売の本社は相当安く事前に娘婿に任売で銀行を説得させました。
以前からの信頼する知人が全部陰で仕切ってくれました。

其れまでは和留は頻繁に顔を出したり、資金援助を申し出ておりましたが、其の野望を見破ったのか、妻は相手にせず、次第に和留も遠ざかって行きました。

牧田が死んで3年ほど過ぎたある日、和留が突然尋ねてきました。
「今まで忘れていたのだが、調べてみると、私は牧田さんに500万貸して見返りに白紙の小切手を貰って持っている。悪いけれど返して頂けないだろうか。」
思いもかけない言葉です。

確かに500万は死んだ社長の牧田の署名がある小切手で日付は白紙です。
聞いてみると死ぬ1年前ほどに用立てたと云うことです。
小切手としてまだ効力が有るだろうかと思って、銀行にも問い合わせをしましたが、回ってくれば供託をしない限り回すと云う事です。

其の番号の小切手はの控えもない欠番になって居ます。死んだ社長が持ち出したのは間違いありません。
しかし社長は死ぬときに細かく後の注意事項を書き残しています。
其の中には保険で処理してくれと云う借金も大分ありましたが、この大口の借金は載って居ませんでした。

「ちょうどお宅に払うべきお金が150万あるからこれを引かせてもらうわ。
残りの350万至急払ってや。後は弁護士に任すからそちらと交渉してや。」

しかし社長が他界まで1年、それから3年も時間が有りながら、その間黙っている人ではありません。業界でも金銭には相当五月蝿い人と騒がれて居る人です。
妻は恐らく、博打で負けて一旦払い、後で取り返して、その時に直ぐに処理をしておけばよかったが、金銭には磊落の夫は「破いておいてや」で済まして居ただろうと推測して居ますが実態はわかりません。

前に銀行と争った時に相談してくれた知人は、供託か不渡りを薦めます。
万一不渡りにしても1回だけの不渡りだから、銀行も当座解約までしないだろう。
相手が訴えてきたらしめたもの、裁判で本当のことが解かる。その結果払うものならば仕方無い、と云うのが知人の言葉です。
しかし妻は売掛金の入金次第に350万を払う約束をしたのです。

ところが其の約束から10日経たないうちに又和留が尋ねてきました。
「実は今度は個人に貸してあるお金が800万あることを思い出した。此れが証拠の証文だ。此れを払って欲しい。」と云うわけです。
「主人が借りた物でしょう。皆相続放棄をして居ますよ。裁判所で調べてくださ い。」
で追い返しましたが、実はは母が一人相続をして居るのです。
遺産はありませんが株式が70%相続です。
相手が此れを狙っているものならば少し厄介です。

知人は完全に硬化しました。
「何か事情のある小切手であり、証文でしょう。
だから今まで出しそびれて居ただろうが、此処で其れを出しても良い磁気に
なったと思います。だから急に攻めてきたのでしょう。
一切を払わないことにしましょう。不渡りになっても平気ですよ。世間にも
1回の小切手不渡りだから解かりませんよ。
相手が訴訟を起こしてくればこっちは裁判で争いましょう。
足手が確かに貸したという証拠が出ては来ないと思います。」

ついに妻はその気になって「350万を払います。それで小切手と証文を返してください。尚以後どんな事情があろうがお互いに請求は無いと云う和解書結びましょう。」
しかし和留は聞きません。売り掛けの150万と350万、それに800万の1割を出して欲しい。本来ならば出来る相談ではないが、他ならぬ奥さんの頼みならば聞かないということは出来ないでしょう。」相手は役者が上です。

知人は反対しました。しかしもう疲れ果てた妻はそれで和解をしたいのです。
知人は次の案を示しました。
「解かりました。其れならばそれで和解をしましょう。しかしお金は其れこそ1ケ月位先の先付けにして下さい。
其れまでに若しサービサーから差押があればその先付けを不渡りにしましょう。」
サービサーとは1200万払え。200万ならば払える。では法的回収に入ると
言われ、債務名義を取られたばかりです。

何か事情があって小切手が渡ったことには間違いありません。
しかし損後解決していると思います。解決していないなら、4年間も放っておく筈がありません。

しかし為す術はこちらに有りません。
請求の訴状にもって行かせて、そこで反論しかないのでしょうか。






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最初の相談者

2007-07-11 | 事例
Dさんはある経営コンサルタントに勤めております。まだ見習です。
相談員は所長を含めて3名。それにDさんと女子事務員です。
電話当番をしながら、Dさんは先輩の相談に同席させて貰っていますが、
其のうちに妙なことに気付きました。

例えば資金に困って居ると云う相談に、銀行を定年退職した相談員は、
借りることを主体にしたアドバイスが多いです。
其の交渉法や、又貸してくれそうなところの説明です。
又、借りることが無理でリスケを依頼するときも、銀行を了承させる
話し方が第一となって居ます。

もう一人、倒産をした中小企業の責任者だった人のアドバイスは全然違います。
まず、お金が不足と云う時は、借金を払わない・返さないことから始まります。
リスケの時など、相手に頼むまでは同じですが、それから違います。
銀行の了承など問題ではなく、自分の思う通りにやることを薦めます。
したがって争いになった時の対策がこの人の相談の主体です。

同じ事務所ですから、本当に行き詰って居る時などは、さすがに同じ方向
付けが多いですが、どちらとも云えない様な場合は其の人の持論の方に
傾きます。其れは持ち味の違いどころでなく、基本方針其の物が正反対の
なることも少なく有りません。

話は代わりますが、こんな事もありました。自己破産希望の人です。
「8億ほどの負債が有りますが、相談した弁護士は最低2000万は必要と
云うのです。其のお金があれば破産などしません。もっと安くできる先生は
居ないでしょうか。」

「何で2000万も必要なの。」聞いてみますと次の説明だったようです。
「先ず会社と、それに保証人が二人居る。全部で3件です。
又、負債が8億と云っても、他の保証債務が各々2億一寸あるから、
予納金が1件400万で計1200万。弁護士費用が1件300万ですが100万
負けて800万。」
この件は直ちに3分の1以下の弁護士を紹介して居ります。
これほどでなくても、自己破産の費用の違いは絶えず耳にします。
しかし殆どの皆さん、最初の弁護士を信用して高くても依頼して居ります。

銀行やサービサーからの支払い督促や、請求に関する訴状で相談を
受けたとします。
私だったら「幾ら争っても必ず負けるから放っておきなさい。」と裁判無視の
アドバイスをして後は差し押さえ対策を教えます。
ところが此れをまともに受けて、「出廷しなさい。」と教える弁護士も多いです。
結果は敗訴。裁判所の命令だからと必死に払っています。
最初誰に相談するかで、大分其の後の進行が違います。

考えてみれば、何の相談でも、全てアドバイスを受けるとき、其の意見は
分かれています。
ニアンスが違うくらいではなく、意見が正反対のことも多区あります。
しかし、殆どのことは相談する当人も若干の知識を持ち合わせていることが
多く、其の答えに対して批判も出来ますが、この不良債権の問題については
批判できる人は少なく、つい相談した人の意見に従います。
相手も此れしかないと云う様な顔でアドバイスしますから尚更です。

運とは云う物の、最初の相談する人によってその後の方針は決まることが
非常に多いです。
しかし選ぶ術は評判を聞けるわけでなしに非常に難しいことです。

出来ることは只一つ、正式に依頼する前に少なくとも、もう一人の意見を
聞いてから決定したいと思います。






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執行妨害

2007-07-09 | 事例
Yさんは街道筋に、ファミリーレストランを経営して居ります。
折からの不景気で、レストランも入りが悪く、建築にかけたお金が
返済できず、ついに競売の話までに至りました。
しかしYさんは未練が有ります。善悪に関わらず何とか競売を
阻止させたいです。銀行が薦める任意売却に耳も貸しません。

藁にもすがる思いで相談した人は妙な事を言いました。
「出来ますよ。ほらこの道路わきのところに1㎡ばかりの土地は
分筆されています。
役所と道路を作るときの何かの名残ですね。見落としか、この土地だけは
担保にもなって居ません。
この土地に大きな柱を建てて何処かの企業の広告塔に貸せなさいよ。
土地の入り口にそんな他社の看板があり、しかも出入り邪魔になるなんて、
そんな土地が、競売になっても買う人は 居りませんよ。」

云われれば其の通りです。万一土地を買った人が居て、其の看板を
外してくれと云って来た時は、思い切り高い価格で売ればよいとも
言えます。良い話です。
早速其の話に載ることにして、念のためにもう一人の人に相談しました。

「どんな目的で看板を作るの。其れが商売の邪魔になるならば、
今の商売の邪魔にはならないの。第一、そんなところにお金を
かけて作っても、利用する人は居るかしら。
看板を立てる人は曰く付きの看板と云う事が直ぐにわかるし、
第一屋外広告を建てるには、レストランの入り口のど真ん中に
広告看板を立てる人は居ませんよ。もっと安い畑の中を選びます。
折角お金をかけても、作り損になることは判りきって居ますね。」

結局広告塔は作りませんでした。
競売になる前に、広告塔に反対した人の言葉もあり、任意売却で
土地は売られました。
其の1㎡くらいの土地も含まれて居ます。

この競売を邪魔しようとする考えが執行妨害です。
執行妨害、嫌な言葉です。
しかし7-8年前は随分流行った言葉です。法すれすれの行為で
競売の邪魔をする事です。
それから何回も法改正もあり、債務者の認識も高まって
執行妨害と云う事は、随分減りました。
この例のようなことを考える人は本当に少なくなって居ます。

保証人になった時に、自宅を奥様にの名義に変えておきましょうと
幾ら薦めても実行せず、それから3年後、其の会社が駄目になり、
保証人のところに請求が行く寸前に、自宅を奥さんの名義に変えた人が
居ます。勿論詐害行為となって、何とかしてくれと泣きこんで来ましたが、
どうしようもありません。もうこんな人は居ないかと思って居ましたが
以外に多く驚きます。

件外物件にすがっている人も又多いです。
件外物件とは担保の土地に経っている担保でない建物のことです。
この建物は固定資産税を払ってはいるが、未登記だから最初から担保で
ありませんと云う人は多いです。
面白いと調べてみると、債務者の自宅で債務者が住んでいます。
何の役にも立ちません。

どころか後で車庫を建てて、此れは担保で無いから大丈夫と
云っている人も居ります。
それが有るから競売にならないんだと自分に言い聞かせて安心を求めています。

先週、こんな相談が3軒ありました。
重なるときは無いと思っている相談も重なるものです。
早くから、何も起こらないうちに、将来を考えていろいろと手を
打っておくことは良いですが、殆どの人は急場にならないと手を打てません。

そんなところに人間の弱さを感じます。






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首相事務所と大手マスコミの訴訟

2007-07-07 | 事例
最近、東京地裁に傍聴に行きました。
大手新聞社の記者のテレビ発言が首相の秘書の名誉毀損だと、秘書3名から新聞社と記者が3300万の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた裁判です。

第1回の公判のために記者の意見陳述だけに終わりましたが、傍聴人は廊下まで溢れ、終廷後の弁護士事務所での集会では記者擁護の意気が上がっておりました。

事件はある証券会社に絡んだ事件で、以前より週刊誌で騒がれておりましたが、
テレビで記者が「この証券会社には首相の事務所にすごく強い常務が居て」と発言したことが秘書などの名誉を毀損したと云う内容です。

集会では、此れは、政治がこの些細の事件を足がかりにしてマスコミえの言論介入を狙っているのではないかと云う意見が圧倒的でしたが、やがて司法がはっきり結論を出すでしょう。
賛否を云うつもりは有りません。しかしこうした裁判を知らないためか、何となく私にはピンと来ないものを感じておりました。

集会の席上、マスコミ関係からも見えていて、それらの人から「面白い事件」と云う表現がありました。
確かに政治の最高責任者とマスコミの最大手との争いです。
しかも表面とは別に政治家とマスコミの昔からの「報道と言論」の争いの裏を感じる問題です。
非常に大きい問題です。
しかし、幾ら大きな問題でも、今ではまだ内容の白黒がはっきり出る問題でなく、無責任の言い方をすれば、だからこそ、些細な事件を足がかりに、求めたかも知れません。

此れが本当に政治の言論介入でしたら、政府もマスコミも真剣になって、事前にお互いの機関を使ってPRするでしょうし、他のマスコミも紙面をにぎわすでしょうが、本件はマスコミ自社の紙面でも見たことはありません。
今では知っているものだけが知っていると云う事件でしょう。

悪く考えれば、参議院選挙を控え、党首たるもの、政策以外のスキャンダルに近いようなことを云われては、自党の票にも関係するから、少しお灸を据えるつもりだったかも知れません。

しかし考えようによれば、此れは面子の争いであるわけで、双方とも勝つためには時間も経費も厭いませんから、必ず最高裁まで持込まれます。
そんなに長く争っているうちに、原告が政権から離れればこの裁判の行方はどうなるでしょうか。
新聞社も記者の定年など迎えればそれでも首相事務所は突いてくるでしょうか。

一般社会ならば、このような訴訟はありえないでしょう。
先ず其の前にお互いが話し合っていると思います。
話し合いが付かず、お互いに譲れない問題ならば初めて訴訟でしょう。
その時は、政治の最高責任者とマスコミのトップの争いで、反響が大きくとも、信念のためにやるべきでしょう。この時は他のマスコミの報道もあります。

其の努力がない争いのような気がします。
一国の長の事務所と日本をリードするマスコミの争い、もっと切実感を感じるような争いであるべきではなかろうかと感じた傍聴でした。






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空振りでも効果のあった差押え

2007-07-05 | 事例
取引銀行からSさんに慌てた電話が入りました。
Sさん個人の預金に差押が入ったということです。幸い会社の預金は有っても個人の預金はありません。
銀行が親切に教えてくれたと思っていたSさんに銀行の追い討ちがありました。
「何故差押えになったのか、事情をご説明下さい。今直ぐにいらっしゃって
頂けますか。」

もう随分長い事になります。
Sさんがこの土地を借りてホームセンターを建てたのはバブルの最中でした。
返済が滞りだしてから10年くらいになります。
リスケと云う言葉が出来ていない頃から、返済代金の低減をお願いしました。
バブルの頃の借金は多いです。しかも新規に借りることは出来ません。
散々苦労して漸く最近です。「上手くすると生き延びるかも知れないな。」と思い出したのは。

しかしSさんは個人の件で、何か差押があることを若干覚悟していました。
其れは個人でマンションを買った残債です。
ホームセンターを建てた頃、自宅と息子用に買ったマンション代金も払えなくなったのです。
マンションを手放しました、残債務があります。
此れが中野にある大きなサービサーに譲渡され、1年くらい前に更に違うサービサーに譲渡されたのです。

サービサーの交渉は急激でした。短い期間でしたが4回会って居ます。
Sさんは懸命に説明しました。
「会社はもう少しで再建できます。其れまで待って頂けないか。」
しかしサービサーは次の言葉を変えません。
「待ちましょう。しかし其れまで、毎月5万は払って貰わないと困ります。」
Sさんが幾ら個人の所得証明など出して説明しても、サービサーは見ようともしません。
ホームセンターが、変わらぬ経営が出来て居るから、そのくらいの余裕は有ると踏んでいます。

追求するサービサーに対してSさんは
「会社さえ大丈夫ならば、今個人に何かがあっても平気だ。
第一個人には今は何も資産は無い。」
と云う考えで、
「今は給料もろくに貰っていません。此れが生活が出来るような額になれば
払えます。其れまで待ってください。」
と頼んで居たのです。

結果、サービサーは「仕方がありません。法的回収を取らせていただきます。」と
云って、1ヶ月ぐらいすると裁判所から書類が届いたのです。
陳述書にも書きました。口頭弁論の日にも出かけて「会社が立ち直る日まで」待ってくれるようにお願いしました。
しかし、敗訴でした。
それは今から約1ヶ月前です。

差押えは現在Sさんが取引をして居る銀行が2行。取引がない銀行が1行。
それに社にSさんの給料の差押がありました。

今日呼ばれた銀行の借入はは保証協会付が半分、プロパーが半分ありますが、ホームセンターの建物が担保です。
建物の価値は殆どありませんが、地理的条件は良いために、借地権目安の競売もあります。殆ど銀行は損をしないでしょう。
しかしこの土地を手放せば商売は出来ないでしょう。

銀行は意外に強い言い方をしました。
「当行も、個人のことは分かりませんが、今まで背一杯協力をして居ります。
しかし、銀行の規則より、代表者で連帯保証人が、他のことでも差押えに
なった時は、本行も期限の利益を失わせて頂きます。一括返済が出来ない
場合は現在の担保の処分をお願いし、出来ない場合は競売に持っていかざるを得ません。」

結論は、本来ならば直ちに期限の利益を喪失しますが、半月ほ待ちます。其れまでに今の差押を解除して貰いなさい。そうすれば今まで通りの付き合いが出来ますと云う事です。

差押と云うのは、その時限りでなく、其の銀行にある預金、将来入ってくるお金まで差押えるようになって居るらしいです。
ですから銀行も自社分も不良債権にしないと、こちらが返済のつもりで入金したお金まで差押えられると云うのが行員の説明でした。

今更サービサーにお願いに行っても、毎月相当額払う約束で無いと解除はしてくれないでしょう。
今の状態では、会社の返済を少なくするより方法は有りません。
そうなると、折角銀行までが約束してくれた再建計画も反故になります。
無理して払って、払えなくなれば又差押えです。

会社だけは生きながらえよう、と思ってやってきた苦労が全て水の泡です。
この場所で出来なければ、終わりです。

もう1軒の担保もない返済だけの銀行からは、まだ何も云ってきません。
給料は差押えられても会社が払わなければよいでしょう。
唯一、困るのは此のために、今のお店の場所を失うことです。

しかし防ぎ様が有りせん。
今会社をつぶすことを真剣に考えだして居ます。

それにしても、差押える方にも何の益もない差し押さえ、しかし其の結果は
周りの関係者を全て不幸に陥れます。

そんな差し押さえ、何とか阻止する方法はないでしょうか。






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隠れた応援者

2007-07-03 | 事例
父は他界する前、弟の銀行借入の保証人でした。家族は其のことを誰も知りませんでした。知った時、直ちに嫁いだ姉妹は相続放棄をしました。姉妹は何も資産相続をしていませんから出来たのです。が、既に資産を相続したNと母親は弟の保証債務を相続をして居ります。
弟も相続人です。

父親の商売は低迷しておりました。先祖代々の駅に近い土地を持ち、そこで婦人服を扱っていましたが、ビルの借金すら殆ど残っている現状です。
お店をやるのでなければ、その土地も処分して相続放棄をしたい くらいです。
そんな中で、Nは夢中で働きました。
リストラもし、何とかお店の将来が読めるようになった時です。
弟の自己破産が発生しました。

Nさんと母親とは怠惰な弟の性格よりある程度予想をしておりました。
万一の時、保証債務がのしかかってくれば、母は自己破産をしてもよい。
世間にも知られずに済みそうです。
Nはそう云う訳に行きません。出来るだけ粘り、払えるようになるまで待って貰う。
相続の保証であるから、Nの責任は債務の25%です。
其れを何年もかかって弁済していくか、と云う覚悟です。

やがて弟の免責も降りました。
Nのところに債権者の銀行から呼び出しです。
うち2行はNと取引銀行は同じです。
Nは出かけて現状のお店を説明し、払えるようになるまで待って欲しいとお願いします。
どの銀行も1回説明を聞いただけで後は なしの礫です。
請求もありません。

それから半年以上過ぎたでしょうか。Nにも母親にも何処からも何も言ってきません。忘れた頃、あるサービサーから手紙が着きました。
「何銀行から貴殿に対する債権を譲り受けた。ひいては今後の返済について話し合いたい。」と云う内容です。
「おかしいな。譲渡した銀行から、譲渡したと云ってこないがー。
其のうちに云って来るだろう。そしてから話し合えば良いだろう。」
こう思ってNさんはそのまま放っておきました。

1月も経ったでしょうか。Nさんのところに、サービサーから今度は電話が有りました。
Nさんは云いました。
「債権譲渡ならば、先ず譲渡した債権者から其の旨を言ってくるのが筋ではないでしょうか。
譲り受けたことは本当でしょうが、万一此れが事実でない事も今の時世ならば考えておかないとなりません。
私の方から銀行に聞くことはご勘弁願います。貴社と銀行とで話し合い、私に正規な連絡を頂いてから貴社と話し合うことにしましょう。」

30分もしないうちにサービサーからNさんに電話がありました。
「銀行と話しましたが、銀行はNさんから回収など出来る状態ではない。
何とか協力をお願いできませんか。と逆に依頼されました。当社も銀行さんの
意向を尊重しようと思います。」
と電話が切れ、それで以後何もなく今日に至っております。
勿論放棄するとは明言しませんでしたが、Nさんはもう回収には来ないと信じております。

そういえば、譲渡したという債権譲渡通知は着いて居りませんが、譲渡されたと云うサービサーからはよく請求があります。
こんな請求は、話を煮詰めていくと、概して安い額で和解が成立出来ます。
しかし、これらは本当に譲渡通知が来ているかを確認をすれば、更に事件の展開が違っていたかも知れません。

たらい回しになった債権がサービサーから請求を受けることも多いですが、中に時効と思われるような債権は、債権者からの譲渡通知は少ないように思われます。

債権者が譲渡通知を出さない債権譲渡。無意味のことをやって債務者を助けているような気がします。






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こんな家族でも 肩代わり?

2007-07-01 | 事例
Kさんが破産を決意した時に何回も云いました。
「Kさん。貴方の保証は奥さんと長男がなっていませよ。一緒に破産を
するならばともかく、Kさんだけが破産ならば、必ず奥さんと長男に
後日請求がありますよ。その時のことを考えてから破産を申請しましょう」

しかしKさんの答えは、決まっていました。
「3人とも一つ屋根に住んでいてお互いに顔も合わせたことがありませんよ。皆勝手な行動をして居るのです。二人とも、力のない私に完全に愛想を尽かして居ます。一つ屋根に居ると云うだけで、食事など一緒にしたことは1度のありませんし、第一、顔を見た事すらありません。親父と一緒に居ても食べて行けないから、何処かで働いて居るのでしょう。よしんば請求書が来ても誰も手にとって見ないし、見ても放っておくだけでしょう。又、此処に取り立てに来ても、会うことすら出来ないでしょう。」
職住一緒の店舗ですが奥さんの気配を全然感じません。
家庭は目茶目茶らしいです。

Kさんの破産は終わりました。自宅は嫁いだ娘が買い戻してくれました。実直なKさんを見込み、仕入先も応援してくれましたから、同じところで以前と同じ商売を続けて居れます。借金が無くなったから何とか食べていけますが、残るほどにはなって居りません。

そんなKさんから電話がありました。
債権が信金からサービサーに譲渡されて、サービサーから妻と長男に請求が届いた。どうしたらよいだろうか。と云う内容です。

「あれだけ二人のことは構わないといったでしょう。其れを通しなさいよ。
二人に内容証明や電話があっても居所は判りませんと云って受け取らない。
関与しないことです。サービサーが来ていろいろ聞いても解かりませんと、
一切答えず喋らないことです。」

しかし、意思の弱いKさんには、二人に請求があるのは全て自分の所為だと思って居ります。放って置くつもりであったし、人からも言われますが、いざ二人に請求があれば自分のことのように落ち着かないのです。
請求書を妻と息子の部屋に置きました。
一人はそのままKさんの部屋に投げ込まれてありました。封は切ってありません。
一人は何もないので留守の時、恐る恐る部屋を見ると、Kさんが置いたままの状態です。

「妻は毎日出ているよ。私が寝るときはまだ帰っていないみたい。何処に何のために出かけているか解からないよ。男?ふーん、其れも解からないな。」
「息子は何か、単車を乗り回して何かして居るな。家に帰っているか居ないか
私にも良く解からないよ。」
と云って調子です。
聞けば二人とも、Kさんが破産をしたことも知らない様子です。「昔保証人になったことも覚えて居ないだろうな。」と云うのがKさんの思惑です。

暫くしてKさんから又電話がありました。
奥さんを捕まえて云ったら大層立腹してその場で離婚の用紙に捺印させられたとの事です。おそらくそうでなくても奥さんは離婚の決意をして用紙を用意していたのでしょう。しかし奥さんは相変わらず、同じ部屋に居るそうです。
息子とはまだ顔を合わせてないと云っています。

今日又Kさんから電話がありました。サービサーから電話があったとのことです。
電話を受けるのはKさんしか居ません。突っぱねろと言って居ますがKさんにはとても出来ないみたいです。
分かれた妻であっても、顔を見せない息子で会っても自分がまいた種で迷惑をかけれないと云うのがKさんの考えです。

幾ら云っても解かりません。こんな家族のためにKさんは又肩代わりに近いことをして借金に苦しむ日々を過ごすのではないかと心配しております。






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