ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「ドッグマン」

2019-10-13 | 想いで
久しぶりにイタリア映画を観た
若い時観たいたイタリア映画のシーンが今も記憶に残っている
恋人同士の愛のもつれがどうにも理解できなくて・・・
今思うとあれはもつれではなく愛の濃さだったのかもしれないが・・・

ゴモラマッテオ・ガローネ監督はカンヌの常連のようだが
私はたぶん彼の映画を観たことがないだろう

「ドッグマン」というのでいかつい男の物語だと思っていたが
気弱で小柄でこまじめな男の店の名前だった
ドッグショップ、ドッグサロンをコツコツまじめにやっているマルチェロの物語
別れた妻と暮らしている娘と会えるかけがえのない幸せなひととき
大好きな犬たちとの充実した仕事の毎日

近所の店の仲間や友人たちともうまくやっていたのだが
唯一悪友のシモーネの存在は別だった。
街の厄介者、暴れ者のシモーネに何一つ逆らえないマルチェロ

シモーネの誘いを何一つ断れない
それを知っているシモーネの執拗な悪事への誘い
いつもマルチェロを無理やり連れだし、借り一つ感じていない鈍感で嫌な奴だ

金を貸し、クスリも与え、命を助け、罪まで背負った挙句の
村八分のような毎日
心も身体もか弱いマルチェロはそれでも仕返しをたくらむが・・・

どうしてまじめにコツコツやっているのに報われないのだろう
こんな男さえいなかったら彼の人生はずっとずっと輝いていたはずなのに
不条理で理不尽でいいことなんか何もないのかもしれない人生

追い詰められた彼はもう狂気に堕ちるしかないのだろうか

どうしてこの街を離れなかったの?
マルチェロはママがいるから離れられないのに
どうして思い切らないの?
あなたの人生はそれでいいの?と映画を観ながら何度も心の中で繰り返した。

全く男は思いきりが悪い
女ならとっくに街を出ただろうなあ

不条理を乗り越えてこその人生だと思わない?








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