
一日限りの運命共同体の面々

室井滋、ともさかりえ似の奈良交通の名ガイドさん
緑多き古の都の姿を留める地奈良大和は、鹿の群れ遊ぶ奈良公園、大仏さん、猿沢池、五重塔…と修学旅行の懐かしき思い出の地でもある。
頭を悩ましていた青春18きっぷを使い切るべく、金券ショップで1枚残りを追加購入して、かみさんと二人で春爛漫の奈良大和路を旅してきた。一昨日の花散らし雨の影響もなく桜は満開で、日中は23度まで上がり汗ばむ陽気だった。
奈良、京都、東京などの観光に際して、土地不案内の御上りさんには「定期バス観光」は大変便利で安心なので、これまでにもよく利用し重宝している。
定期バス観光のメリットは、観光地を効率的に巡り、ガイドの説明を聞くことができることにある。さらに一見さんでは行けないような場所に行けるし、拝観料や駐車料のことをことを考慮すれば、結局割安につく。
但し、同行メンバーとバスガイド次第の話だが、幸いに期待を裏切ることはなく、どちらにも恵まれた。ガイドさんは、ともさかりえと室井滋を足して2で割ったような感じ良い人で、ガイドぶりも名調子であった。中宮寺では現地ガイドに代わって、顔負けの説明があったほど。
今回は奈良交通定期観光「世界遺産コース-法隆寺・西の京周辺」を予約していた。1993年、日本で初めて法隆寺と姫路城が世界文化遺産に登録され、1998年には東大寺をはじめとする古都奈良の文化財も加わった。西洋の石の文化に対し、東洋の木の文化が世界に認められた遺産をめぐる旅である。
巡ったコースは、
* 法隆寺(金堂、大宝蔵院、百済観音堂、夢殿)
* 中宮寺(大和三門跡寺院のひとつ、弥勒菩薩像ほか)
* 慈光院(大和三名庭園のひとつ、書院、抹茶の賞味)
* 薬師寺(金堂、薬師三尊像ほか)
* 唐招提寺(天平の甍で有名)
* 平城宮跡・朱雀門(平城京の正門)
あちこちの寺院が修理・工事ラッシュのため、入堂できない施設や拝観できない仏像等があり残念だった。法隆寺金堂は須弥壇修理等のため入堂できず。(平成20年12月末までの予定)
薬師寺では金堂他内陣修理および東京国立博物館での「国宝・薬師寺展」出展のため、日光・月光菩薩像を拝観することができなかった。また同展への出展のため大講堂および東院堂において一部レプリカの拝観となった。(平成20年6月下旬までの予定)
唐招提寺でも同じく金堂が平成大修理のため入堂できず。
この旅(度)の主眼は、各寺院の仏像のご尊顔を拝顔することにあった。小欄「2007/3/21 世界三大微笑像」でも書いたように、中宮寺の「弥勒観音菩薩半跏思惟像」の慈愛に満ちたかすかな笑みは、何度拝顔しても惚れ惚れとし、どこまでも飽きることがない。頬に軽くあてられている右手のたおやかな仕草が何ともいえない。強行軍を敢行、こちらに足を向けた甲斐があったと痛感した。
3日前に続き、今回も旅先で知人に出会った。復路姫路で乗り換えた電車で、奇遇にも高校の同級生I原夫婦にバッタリ。先年市役所を定年退職した後、夫婦で方々を旅行の身で、今日は学生時代を過ごした思い出の地京都を訪ねての帰り。目下勉強中の英会話を活用して海外旅行もせっせと実践している。近々、ベトナム旅行を予定しているそうだ。「お互いに健康が一番。夫婦揃って何時までも元気でいようぜ」と誓い合って別れた。

法隆寺

法隆寺

修学旅行の一団(法隆寺)

法隆寺

慈光院

中宮寺より法隆寺夢殿を望む

薬師寺金堂

薬師寺金堂と西塔(中央)

ここにも咲分けの花桃?(平城宮跡)

平城宮跡