アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

いいぞ-!町工場製の人工衛星!

2008年10月01日 | Weblog
 いいぞ!町工場製の人工衛星!

 「東大阪宇宙開発協同組合」…うさん(胡散)臭くないですか?「宇宙開発」ときて、「協同組合」ですから…野良着のおじさんが、宇宙ステーションで船外作業をしているような。当然足元はゴム長でしょう。名前はともかく、この組合、凄いことをしているのです。人工衛星を作ったのですから。東大阪市の「町工場製の人工衛星」が誕生しそうなのです。
 この、小型人工衛星、名前は、「まいど1号」いかにも大阪って感じです。作ったからには、打ち上げなければ、単なる模型。そのためには、「性能検査」が必要。現在、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構・筑波宇宙センターで性能検査中。早ければ、来春(2月)に打ち上げだそうです。

 こういうニュース、個室ビデオ店から出火、15人の死亡を確認よりどれだけ気持ちがいいか分かりませんね。「いいぞ、いいぞー!ブラボー、ブラボー!」ですね。だけど、この個室ビデオ店、32歳から77歳の男性8人が病院に運ばれた…77歳!?さすが高齢化社会…?

 「まいど1号」は、東大阪市の中小企業の技術者や設計者やらが、2002年から開発を始めた人工衛星。重さ約50キロ。縦横高さ約50センチの立方体にアンテナがついている。雷雲の観測データなどを地上に送るが目的…遊びで作っているのとは、ちがいまんねんね。

 筑波宇宙センターでの検査で、打ち上げに問題なしとなれば、種子島へ運ばれます。種子島宇宙センターから、H2Aロケットで打ち上げられることになります。それって、無料で打ち上げてもらえるのか?無料なら、ついでに私も打ち上げていただきたいのですが…もちろん莫大なお金がかかります。まいど1号は、「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託研究事業」(名前長ッ!)に採択されましたので、5年間で約7億円の助成金をいただけることなっています。

 現在活躍している日本製の人工衛星は、80数個。H2Aロケットは大丈夫のようですが、載せる人工衛星や探査機が続かないというのが日本の情勢。そんな中ですから、まいど1号に期待がかかるわけです。
 日本の人工衛星といえば…
1 地球観測や災害監視
2 月や惑星などの探査機
3 気象衛星
4 安全保障目的の情報収集
 ※ 民間の通信衛星も、H2Aロケットの顧客。

 2008年に打ち上げられる予定は、「温室効果ガス観測技術衛星(宇宙機構)」のみだそうです…。2009年は、測位目的の準天頂衛星と、安全保障のための情報収集衛星の2機が予定されているそうです。日本の人工衛星、近年の打ち上げ状況(量)は、その程度なんですねえ。品質も…ちょぼちょぼらしいです。そこへ、期待の星ではなく期待の衛星、「まいど1号」が加わるわけでーす!町工場の技術に期待がかかります。

 中国といえば、「メラミンだ」「メタミドホスだ」と、「学力の低さ」が強調されています。し、し、しかし!宇宙船の船外活動をした!中国の有人宇宙船「神舟(7号)」は、もちろん知っていました。毒入り食品の陰に隠れ、忘れていました。一瞬、偽装ネタかなと思いましたよ。
 宇宙船の船外活動…メラミン入りの粉ミルクとは…結びつかないのですが、アメリカ、ロシアに次ぐ快挙です。人民服を着ての船外活動かって?そ、それが、中国が自主開発した宇宙服だそうです。スピード社製でもなかったのです。それだけの高い技術になっていた!素晴らしいです。だけど、町工場では「毒入り食品」を作っている。この超アンバランス、同じ国とは思えんなあ。

 ところで、日本の宇宙開発はどうなっているのか?4年前に、神舟が成功したとき、「中国に抜かれた」わけです。現在は、インドにも抜かれています。何をもたもたやってんの?問題は…
 予算が足りない。宇宙機構は、国際宇宙ステーションに年間予算の20%も投入しています。400億円超です。予算が厳しければ、新規の衛星プロジェクトを始められないのです。せっかくの衛星も打ち上げ失敗があったり…。前途に明るい見通しはないのか?

 宇宙機構は、現状打破のため…衛星の設計に対する考え方を改めつつあります。
1 大型衛星の失敗から、衛星を小型化することでリスクを分散し、開発期間を短縮する。
2 空気抵抗があるため、衛星の軌道維持が難しい高度180kmの衛星を開発する。高度200km以下の衛星は、すぐに地球へ落ちてくるので、出力は低くても効率が高い、「イオンエンジン」を使って高度を維持する。「高度が低いと、小さな電力で、高い解像度の画像が得られる(世界初の試みらしい)」

 魅力ある衛星作りは、必要な技術開発ができるかどうかです。ここで、我々日本人がいかに優秀かを示してほしいです。町工場が、人工衛星を作る国ですから。