アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

借りたものは返すのが日本流

2011年01月14日 | Weblog
 日本の奨学金の総額は、1兆円。これほどまでに達していたとは!現在奨学金を返済している利用者は、273万人いる。そのうち3カ月以上の滞納者は、21万人を超え、その延滞債権は、2629億円に及ぶ…。
 この事実、この数字を見せられて…どうしたらいいでしょうか?

 日本学生支援機構は、滞納者からの取り立て体制を強化してきた。民間の債権回収業者への業務委託で頻繁な督促をおこなう。返済中の利用者が3カ月延滞した時点で、法的措置を積極的にすすめる。個人信用情報機関にも、延滞者として通知する。

 この日本学生支援機構の措置、厳しすぎるのか?
 厳しいとする意見は、「若者に学ぶ機会を広げ、未来を開くはずの奨学金制度が逆に利用者の生活を圧迫している」と。非正規職員では奨学金を返済でず、厳しい返済計画の判決を受けて途方に暮れている利用者が多いという。

 私は、「借りたものは返す」これが普通のことだと思うのですが。借りておいて、就職がどうのこうのだから返せない。途方に暮れている…だから何なんだ?返す「アテ」がない金を借りるなよ!
 我が家の場合、自慢にもなりませんが、(単に学力が低くて奨学金をいただく権利の範疇に入らなかっただけだとは思うが)私も、家内も、子供達も誰一人奨学金を借りずに社会人になりました。お金がなくて大学へ行けないのであれば、行かなければよい。もしくは、お金を貯めてから大学へ行けばよい。えっ!「教育の機会均等だろう!」だって?そうですよ、「機会は均等」です。しかし、「お金は均等ではない」のです。

 では、若者が学ぶ機会の均等のために、「お金の不均等」をどうすればよいか。つまり、奨学金のあり方ですが…
 日本では、ほとんどすべてが返済を必要とする貸与です。これを、欧米並みに、「奨学金の返済は不要」とする。このメリットは、奨学金を得るために、めちゃくちゃ勉強するので、日本の学力が高くなるという点。デメリットは、その財源ってどこから出すの?という点。

 悪いスパイラルとして、日本国の高等教育に対する公的支出が国内総生産(GDP)比で0.6%(OECD加盟国中で最低)。それに加えての、学生の個人負担の増大…だから奨学金がほしい。大学を卒業した段階で、数百万円の借金を抱えてしまう。
 そこへ持ってきて、「仕事がない」「給料が安い」「非正規の身分」。奨学金の返納を滞納している人…「アルバイト、無職、休職中が56%」という。「年収300万円未満が87%に達する」とも。

 知人に、スウェーデンの大学を卒業した人がおられる。「どうしてスウェーデン?」スウェーデンでは、大学教育は無償。生活費はもちろん自分持ちだが、「生活費給付としての奨学金制度」があるという。この制度を利用できると、自己資金なしで大学を卒業できる。

 日本は、スウェーデン並にはなれなくても、アメリカ並(500万人以上に給付型の奨学金を提供)や、イギリス並(卒業後の所得に応じて返済額を決める)にはできるんじゃないか。

 冷たいようですが、借りる前の契約で返すことになっているのであれば、何が何でも返済する。これ当然。教育の機会均等を推し進めるのであれば、アメリカ、イギリス(オーストラリアもイギリスと同じ方法をとっている)の方式を真似る。スウェーデンのようになれば、完璧ですがね。

あまりにも寒いので、暖かい所を旅してきます。次回は、1月19日(水)に書きます。