田沢温泉がある信州青木村には家から1時間そこそこで到着。今まで特に気にしていなかったこの村だが2020年、東急グループの礎を築いた五島慶太の記念館ができたということで温泉と抱き合わせで訪れてみた。
「五島慶太未来創造館」と名付けられた館内は木の床の落ち着いた雰囲気で、五島慶太の軌跡や関連資料、渋谷や東急沿線の街をイメージしたNゲージのジオラマなどが展示してあり、彼の興味深い人生に触れることができる。しかもありがたいことに入館料無料だ。同じ建物内には歴史文化資料館もあり、郷里の俳人栗林一石路の句が展示してありこれも面白い。何となく山頭火を思い出す句だ。また、「夕立と一揆は青木から」と言われたほど百姓一揆が多かったのでその過去5回の一揆の歴史を記録した義民資料、昔の土器や江戸時代、昭和に使われた生活道具などが展示されていてとても興味深く、中でも昭和の道具は懐かしさいっぱいだ。
見学後、少し上田方面に戻って「仁古田食堂」で昼飯にカレーうどんを食べた。ここは多分何を食べても旨いだろうと思いながら田沢温泉に向かって車を走らせ、来る途中で見かけた国宝大法寺三重塔に寄った。鎌倉時代に建立されたという塔は国宝にふさわしい立派なもので近くには栗林一石路の句碑があった「シャツ 雑草に ぶっかけておく」。
田沢温泉は島崎藤村も逗留していたという木造3階建ての「ますや旅館」など3,4件のレトロな建物が並ぶ小さな温泉地だ。目的の「有乳湯」という公衆浴場の建物は新しいがこれもレトロな雰囲気の造りで入浴料は300円。4,5人の先客がいたが湯船は思ったより広く、そこから溢れ出ている源泉かけ流しの湯は少し硫化水素臭のする40度くらいでとても気持ち良く、日ごろ烏の行水人間でも長風呂ができる。洗い場は少ないがパーティションになっていてありがたい。
帰りの車の中ではいつまでも体がホカホカしていた。
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