乙女高原フィールドノート

山梨県の北部,秩父山塊のふところにある小さな高原「乙女高原」(山梨市)での自然観察記。

乙女高原にカヤネズミの巣?!

2016年11月23日 | 動物(けもの)

(たぶん)(すごい)スクープです!

 今までも、草刈り後の草原(地面)に、鳥の巣のようなものが見つかっていました。(以下のサイトの「巣その3」です)

 http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0308/0308.htm

 ところが、鳥の巣と違って、

①お椀状ではなく、ボール状。多くは刈り払い機で真っ二つにされている (ゆで卵を縦方向に真っ二つに切り、黄身をくり抜いたイメージです)、

②巣を作っている草が細長く、また、細長い葉をさらに裂いて作っていると思われる

 ・・・という特徴から、何の巣なのか分からずにいました。「鳥の巣ではない」とすると、草原にいる哺乳類だからハタネズミ? ですが、ぼくはハタネズミの巣がどういうものか知りません。完全に行き詰まっていました。

ところが、今年・・・・ ご自分のフィールドである山中湖の草原でもカヤネズミを観察している半場さんが、「半分に切られたゆで卵」を持ってきて、「これ、カヤネズミの地上巣じゃないの?」というのです。「だって、葉を細く裂いているよ。これはカヤネズミの巣の特徴だよ」。

 ぼくには信じられませんでした。 なぜなら、カヤネズミの巣がある場所のイメージは河川敷のオギやススキの草原の中。 巣のイメージは、空中にある(ススキやオギの茎の途中に作る)、ソフトボール大の丸いもの・・・というものです。 実際、笛吹川の河原で、たくさんの巣を目にしていました。

 

しかも、たしか、定説では、カヤネズミの生息地はせいぜい標高800mまで。ぼくの笛吹川の調査でも、カヤネズミの巣が見つかったのは山梨市民会館の前までで、それより上流では見つけられませんでした。

そんな自分の経験から、にわかには信じられなかったのですが、今年の草刈りには元麻布大学野生動物学研究室の高槻先生が来ていらっしゃいます。さっそく見ていただいたところ、「これはカヤネズミの巣だろう」とのことです。びっくりしました。

カヤネズミの巣は、こんな感じで見つかりました。上写真の軍手をはめた手の上にあるのが、巣の上半分(天井部分)です。刈り払い機によって切られてしまったので、目立つようになり、存在に気づくことができました。

 

どうやらこれ(上写真)が切られる前の様子です。これでは巣の存在がわかりません。ほんの少し、盛り上がっていて、壊してみると、確かに中から「真っ二つゆで卵」が出てきます。

 

トンネル状の出入り口?も見えます。この先、地下につながっているのでしょうか? それとも地上? そもそも、カヤネズミって地面を掘るの?

 

もうおもしろくなって、草刈り後に残った数人で、カヤネズミの巣を探し回りました。宝探しのようです。

草刈りボランティアの翌日、山梨では季節外れの初雪、しかも大雪が降りました。これでは調査も難しいと思います。

もちろん冬も乙女高原に調査に行くので、条件が許せば、カヤネズミの巣を探してみたいと思います。

どんな点に注目して調べればいいか、どなたか、ぜひ、教えてください。

 

 

コメント (2)
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草原にたくさん フユノハナワラビ

2016年11月20日 | 植物(シダ・コケ)

草刈りボランティアの準備をするために、遊歩道を外れ、草原の中を歩き回りましたが、このフユノハナワラビの葉がたくさん見つかり、びっくりしました。

夏の終わりころ、葉と胞子葉を出し、葉は冬じゅう枯れずに残り、次の年の春に枯れる・・・というなんともアマノジャクな生活を送っている植物です。
冬に青々としているのはこの草くらいなので、日光は独り占めでしょうね。でも・・・雪が降ると、雪の下に埋もれッ放しになるのですが。
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越冬中の女王バチ

2016年11月20日 | 昆虫
草刈りボランティアにそなえて、裏の倉庫の中を片付けようと思ったら、木の杭と杭の隙間にハチがいました。
死んでると思い、手で払いのけました。コンクリートの床の上に落ちたハチがもぞもぞとゆっくり動き始めたのでびっくり。
きっと冬ごもりを始めた女王ハチだったんでしょうね。悪いことをしてしまいました。いそいで、落ち葉の中に入れてあげました。
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コップの中のたね

2016年11月20日 | 植物(草)
草原の中で見つけたトリカブトの実です。
草原の中で花を咲かせたのは何年ぶりでしょうか。
実はコップ状に上が開いていて、中には、いかにも軽そうなたねが入っていました。
風がふくと、こぼれ落ちるのでしょうね。
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ダンコウバイの黄葉

2016年11月14日 | 植物(木)
乙女高原に草刈りの準備にいきました。
秋も終わりのころになると、ダンコウバイの黄色が目立つようになります。
まっきっきで、とてもきれいです。
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ミズナラの子どもの紅葉

2016年11月14日 | 植物(木)
なんか惹きつけられました。
なんか写真を撮ってしまいました。
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風船を飛ばすのはいいけれど・・・

2016年11月14日 | 人と自然
よく見かけますよね。風船飛ばし。
テレビなんかで見ると、夢があって、いい感じですが・・・
さて、飛ばされた風船は、その後、どうなるのでしょうか?

帰りに林道脇で見つけた風船です。「赤い羽根共同募金」と印刷されていました。
もちろん、持ち帰って処分しましたが、考えてみると、風船飛ばしって、ゴミをばらまいているのと、さほど変わらないですよね。
風船に罪はありません。責任は飛ばした人間にあります。
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羽毛?

2016年11月05日 | 植物(草)

なんとかしてこの造形の美しさを、美しく写真に撮りたいと思うのですが、うまくいきません。
ノハラアザミのたねです。
「綿毛」には、さらに「枝毛」がついています。羽毛(ダウン)のようで、とてもきれいです。
これを集めて、ダウンのジャケットができないかしら?
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けし粒より小さな種

2016年11月05日 | 植物(草)
ホソバツルリンドウのたねです。てのひらに乗せてみましたが、その小さいこと小さいこと。たねのまわりに翼がついています。こんなに小さいのに、さらに風に飛ばされやすくなっているんですね。
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空き缶の中から・・・

2016年11月05日 | 昆虫
林道の途中で、みんなで自然観察しました。それぞれ目のつけどころや興味の矛先が違います(だから、おもしろい)。ぼくは、橋の欄干の上に置いてあった空き缶が気になりました。
(ここはぼくの妄想→)中年二人のオッサンがグチを語り合いながらチビチビ飲み、そのまま置いていったんだと思います。
そのまま置いてあるんだから、飲み口から雨水が入り、けっこう重くなっていました。
さて、中から出てきたのは・・・「麦とホップ」からはスズメバチ2匹,「チューハイ レモン」からはハサミムシ25匹。いったいこの差はなんだ?
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