(たぶん)(すごい)スクープです!
今までも、草刈り後の草原(地面)に、鳥の巣のようなものが見つかっていました。(以下のサイトの「巣その3」です)
http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0308/0308.htm
ところが、鳥の巣と違って、
①お椀状ではなく、ボール状。多くは刈り払い機で真っ二つにされている (ゆで卵を縦方向に真っ二つに切り、黄身をくり抜いたイメージです)、
②巣を作っている草が細長く、また、細長い葉をさらに裂いて作っていると思われる
・・・という特徴から、何の巣なのか分からずにいました。「鳥の巣ではない」とすると、草原にいる哺乳類だからハタネズミ? ですが、ぼくはハタネズミの巣がどういうものか知りません。完全に行き詰まっていました。
ところが、今年・・・・ ご自分のフィールドである山中湖の草原でもカヤネズミを観察している半場さんが、「半分に切られたゆで卵」を持ってきて、「これ、カヤネズミの地上巣じゃないの?」というのです。「だって、葉を細く裂いているよ。これはカヤネズミの巣の特徴だよ」。
ぼくには信じられませんでした。 なぜなら、カヤネズミの巣がある場所のイメージは河川敷のオギやススキの草原の中。 巣のイメージは、空中にある(ススキやオギの茎の途中に作る)、ソフトボール大の丸いもの・・・というものです。 実際、笛吹川の河原で、たくさんの巣を目にしていました。
しかも、たしか、定説では、カヤネズミの生息地はせいぜい標高800mまで。ぼくの笛吹川の調査でも、カヤネズミの巣が見つかったのは山梨市民会館の前までで、それより上流では見つけられませんでした。
そんな自分の経験から、にわかには信じられなかったのですが、今年の草刈りには元麻布大学野生動物学研究室の高槻先生が来ていらっしゃいます。さっそく見ていただいたところ、「これはカヤネズミの巣だろう」とのことです。びっくりしました。
カヤネズミの巣は、こんな感じで見つかりました。上写真の軍手をはめた手の上にあるのが、巣の上半分(天井部分)です。刈り払い機によって切られてしまったので、目立つようになり、存在に気づくことができました。
どうやらこれ(上写真)が切られる前の様子です。これでは巣の存在がわかりません。ほんの少し、盛り上がっていて、壊してみると、確かに中から「真っ二つゆで卵」が出てきます。
トンネル状の出入り口?も見えます。この先、地下につながっているのでしょうか? それとも地上? そもそも、カヤネズミって地面を掘るの?
もうおもしろくなって、草刈り後に残った数人で、カヤネズミの巣を探し回りました。宝探しのようです。
草刈りボランティアの翌日、山梨では季節外れの初雪、しかも大雪が降りました。これでは調査も難しいと思います。
もちろん冬も乙女高原に調査に行くので、条件が許せば、カヤネズミの巣を探してみたいと思います。
どんな点に注目して調べればいいか、どなたか、ぜひ、教えてください。