ヤマガラがやぶの中の横枝に止まり、足指で押さえた木の実を割ろうと、一生懸命くちばしでつついていました。何度やっても割れないので、実をくるっと廻し、別の角度からつつきますが・・・それでも割れないで、今度は上下をさかさまにしました。そのとき、ちらっと実の底面が側面とは違う色をしているのが見えたので、ツノハシバミであることがわかりました。ツノハシバミの固い実では、ヤマガラの細くて小さいくちばしでは「歯が立たない」でしょう・・・と思いましたが、あきらめずに何度もコココンとつつき、ついに割りました。ヤマガラが去った後で、やぶに潜り込んで地面を探し、見つけたのが、この食痕です。きっと秋に見つけたツノハシバミをどこかに隠しておいて、出してきたのでしょうね。
谷川の水際では雪解け面が垂直になるので、このように谷地坊主が雪に挟まったように見えることがあります。ん? これ、どこかで見たことあるような・・・と思ったら、「そうだ、フルーツサンドだ」。雪はクリーム、谷地坊主はフルーツです。
ブルーイットの『極北の動物誌』という本の中に「トウヒの下だけは雪がなく、カマニックと呼ばれる黒い影が残っていた」という一節があります。黒くはありませんが、ウラジロモミの木の下には「かまくら」のような空洞ができています。カマニックって、こんな感じのものなんだろうなと想像します。