噛みつき評論 ブログ版

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国連好きの朝日が心変わり? 国連を「粗悪品」呼ばわり

2007-09-25 14:14:21 | Weblog
 9月23日の天声人語は、朝日の体質の一端を示す、たいへん興味深いものだ。体質と言ったが、人間の場合は人格に相当する。冒頭、画家の辻まことが、国連を「できの悪い粗悪品を美しいものと呼ばなければならない」と揶揄したことが引用される。

 つづいて、「安保理は国連の心臓部だが協議の多くは決議文の言葉選びに割かれる。(中略)言い換えで各国の思惑に配慮したからだ。その決議を根拠に、米国は強引にイラク戦争に打って出る。(中略)国連の美名のもとでは何でも是と思うのは、だからあやうい」と述べる。

 決議文の言葉選びが、米国がイラク戦争につながったという論理は凡人には理解し難いが、国連も戦争を始めることがあるから信用するな、ということらしい。最後に「(国連が)粗悪品でないかどうかを確かめたい」と結ぶ。

 インド洋での海上阻止活動をする日米英などに対する「謝意」を明記した国連安保理決議が採択されたことが気に入らないらしい。決議は賛成14カ国、棄権1、反対0で採択された。普通に考えると、反対なしの圧倒的多数による採択であり、国連の意思が十分反映されたものと捉えることができる。それを否定することはできないので、朝日は決議そのものにケチをつけた。

 朝日は安保理決議採択の記事を20日1面の左に小さく載せた。見出しの文字は「給油謝意 ロシア棄権」で、小見出しは「国連安保理決議 全会一致崩れる」であり、ネガティブな印象を狙っているのがわかる。まるで賛成の14カ国より棄権の1国の方が重要であるかのようである。見出しに「採択」という文字はない。見出しだけしか読まない多くの読者を計算してのことだろう。

 朝日は国連中心主義だと言われてきた。テロ対策特別措置法延長に反対する民主党を応援する意図がみえみえだが、こういうご都合主義による情報操作はよくない。読者に世界の情勢を誤認させる可能性があり、事実を客観的に知らせるという本来の職務からほど遠い。

 このように、国連に対する態度を都合によって変えると、朝日自身も信用を失うことになるだろう。人格に見たてれば、ご都合主義、ダブルスタンダード、二枚舌、不誠実、傲慢・・・さてどの言葉がふさわしいだろうか。まあ、あまり付き合いたいと思う人格でないことは確かだが・・・。