本当ならば政治家としてこれほど不名誉なことはなく、小沢氏の政治生命もこれで終りではないか、週刊文春6月21日号のトップ記事『小沢一郎 妻からの「離縁状」』を読むとそんな思いがします。和子夫人が昨年11月頃10名近くの支援者に宛てた手紙のほぼ全文が掲載されています。長年の支援に対する謝辞と共に、小沢氏の「正体」を示す言葉が詰まっています。
(震災後)「実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げだしました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げだした小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました」
「小沢の行動を見て岩手、国のために為になるどころか害になることがはっきりわかりました」
「3月16日の朝、北上出身の第一秘書の川辺が私のところへ来て『内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書たちを逃がしました。私の家族も既に大阪に逃がしました』胸をはって言うのです。あげく、『先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください』というのです。」
「国民の生命を守る筈の国会議員が国民を見捨てて放射能怖さに逃げるというのです」
「かつてない国難の中で放射能が怖いと逃げたあげく、お世話になった方々のご不幸を悼む気も、郷土の復興を手助けする気もなく自分の保身の為に国政を動かそうとするこんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています」
兵士の敵前逃亡は珍しくありませんが、指揮官の逃亡はあまり聞いたことがありません。戦前の満州、ソ連軍の侵攻が始まると守るべき開拓民を放置し、真っ先に逃げ出した関東軍を思い出します。もしも小沢先生が事故当時の首相であったら、と思うとぞっとします。民主党政府は国民を尻目にハワイあたりに逃避していたかもしれません。
従来の小沢氏の外側の顔と、この手紙に描かれた私心あふれる小沢像との乖離があまりにも大きく、驚いてしまいます。本当だとすれば、外の顔を見せ続けてきた小沢氏は見事な演技者であります。
これから浮かび上がる問題点は2つあります。①危険と判断したとき、国民を尻目に自分だけ逃亡したことと、②「内々の放射能の情報」を信じた判断能力です。これらのうちのひとつだけでも政治家の資質としては重大な問題であり、二つもあれば完璧です。
これが小沢元代表の実像であるとすれば、民主党内におけるリーダーとしての地位は如何にして築かれたのかという疑問が生じます。情報の判断能力に欠け、危険時には部下を置いて逃げるような人物に人がつき従ってくるとは思えません。他に人徳があるという話も聞かず、セクシーな魅力があるとも思えません。
国に有害という点でいえば勝るとも劣らないのはあの鳩山元代表・元首相ですが、鳩山氏についても同様な疑問を感じます。恥を知らない強靭な精神力はあっても、失礼ながら人を惹きつけるような人格的な魅力は感じられません。夢想と現実の区別がついていないような認識は政治のリーダーとしてまことにふさわしくないものです。
となれば民主党のリーダーの選出はいったいどのような基準で行われているのかと問いたくなります。元代表のお二人に共通するのは資金力の大きさですが、やはりそれがものをいうのでしょうか。理念やモラルに代わって市場原理、つまり金が支配する世界は新自由主義の理想ですが、民主党はその隠れた賛同者なのでしょう。
現在、この問題については大手メディアのほとんどがなぜか沈黙しています。私信の公表というモラルの問題か、それとも裏をとるためか、あるいはどこからか横槍が入ったのか、わかりませんが、ワイドショーが涎(よだれ)を流して飛びつきそうなネタだけにいささか腑に落ちません。
これは首相になる可能性もある政治家と、その政治家を党の代表に選んだ民主党の素顔を理解する上でたいへん重要なことです。事実ならわが国の政治にきわめて大きな影響のあるものだけに、その真偽の検証をも含めて報道することはメディアの職務であると思います。少なくともオウムの残党がどこへ立ち寄ったとか、どこのコインロッカーを利用したかなどを懇切丁寧に教えていただくよりずっと役に立つと思います。
それだけに大手メディアの一斉の沈黙は実に不自然です。大手メディアの見識、あるいは独立性に疑いが生じかねない問題ともいえるでしょう。
(震災後)「実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げだしました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げだした小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました」
「小沢の行動を見て岩手、国のために為になるどころか害になることがはっきりわかりました」
「3月16日の朝、北上出身の第一秘書の川辺が私のところへ来て『内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書たちを逃がしました。私の家族も既に大阪に逃がしました』胸をはって言うのです。あげく、『先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください』というのです。」
「国民の生命を守る筈の国会議員が国民を見捨てて放射能怖さに逃げるというのです」
「かつてない国難の中で放射能が怖いと逃げたあげく、お世話になった方々のご不幸を悼む気も、郷土の復興を手助けする気もなく自分の保身の為に国政を動かそうとするこんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています」
兵士の敵前逃亡は珍しくありませんが、指揮官の逃亡はあまり聞いたことがありません。戦前の満州、ソ連軍の侵攻が始まると守るべき開拓民を放置し、真っ先に逃げ出した関東軍を思い出します。もしも小沢先生が事故当時の首相であったら、と思うとぞっとします。民主党政府は国民を尻目にハワイあたりに逃避していたかもしれません。
従来の小沢氏の外側の顔と、この手紙に描かれた私心あふれる小沢像との乖離があまりにも大きく、驚いてしまいます。本当だとすれば、外の顔を見せ続けてきた小沢氏は見事な演技者であります。
これから浮かび上がる問題点は2つあります。①危険と判断したとき、国民を尻目に自分だけ逃亡したことと、②「内々の放射能の情報」を信じた判断能力です。これらのうちのひとつだけでも政治家の資質としては重大な問題であり、二つもあれば完璧です。
これが小沢元代表の実像であるとすれば、民主党内におけるリーダーとしての地位は如何にして築かれたのかという疑問が生じます。情報の判断能力に欠け、危険時には部下を置いて逃げるような人物に人がつき従ってくるとは思えません。他に人徳があるという話も聞かず、セクシーな魅力があるとも思えません。
国に有害という点でいえば勝るとも劣らないのはあの鳩山元代表・元首相ですが、鳩山氏についても同様な疑問を感じます。恥を知らない強靭な精神力はあっても、失礼ながら人を惹きつけるような人格的な魅力は感じられません。夢想と現実の区別がついていないような認識は政治のリーダーとしてまことにふさわしくないものです。
となれば民主党のリーダーの選出はいったいどのような基準で行われているのかと問いたくなります。元代表のお二人に共通するのは資金力の大きさですが、やはりそれがものをいうのでしょうか。理念やモラルに代わって市場原理、つまり金が支配する世界は新自由主義の理想ですが、民主党はその隠れた賛同者なのでしょう。
現在、この問題については大手メディアのほとんどがなぜか沈黙しています。私信の公表というモラルの問題か、それとも裏をとるためか、あるいはどこからか横槍が入ったのか、わかりませんが、ワイドショーが涎(よだれ)を流して飛びつきそうなネタだけにいささか腑に落ちません。
これは首相になる可能性もある政治家と、その政治家を党の代表に選んだ民主党の素顔を理解する上でたいへん重要なことです。事実ならわが国の政治にきわめて大きな影響のあるものだけに、その真偽の検証をも含めて報道することはメディアの職務であると思います。少なくともオウムの残党がどこへ立ち寄ったとか、どこのコインロッカーを利用したかなどを懇切丁寧に教えていただくよりずっと役に立つと思います。
それだけに大手メディアの一斉の沈黙は実に不自然です。大手メディアの見識、あるいは独立性に疑いが生じかねない問題ともいえるでしょう。