朝日新聞が時代から取り残されたようなイデオロギー色の強い特異な体質を保っていたことを、私は以前から不思議に思っていました。ソ連の崩壊を契機として社会主義に対する甘い幻想が消え失せ、社民党や共産党が支持を失って滅びつつある中、ひとり朝日が組織として旧態依然の体制を維持してきた理由は謎でしたが、文芸春秋12月号に載った朝日社員へのアンケート調査の結果によってその謎が解けました。回答者は40代以上の男性、東京本社の編集局の所属です。以下は回答の一部です。
『会社に異を唱える記者は次々と編集の現場からいなくなっている。いま、早期退職制度で優秀な記者がやめている。自分と違う主張、反論を認めることができない。それが植村記者に対して「おかしい」という異論を消したのだろうし、文化大革命で中国を礼賛して「虐殺が起きているじゃないか」と異を唱える記者を外していき、北朝鮮を自由な国だと褒め称え、社会主義に異を唱える人間を消していった』
新聞社には毎年多くの新入社員が入り、他の社員も情勢の変化を感じ取るわけですから、少しずつ時代に合った体質に変化していくのが普通です。それに抗して旧態依然の体制を保持しようとすれば強力な支配力が必要です。上記のアンケートによれば、それは人事権を掌握する首脳部によって実施されてきたことが推測できます。それにしても連綿と続く首脳部の、変化を拒否する頑固さは驚かされます。
自由な意見を抑圧し、独裁的な支配力を維持する、これはどこか近隣の国のやり方みたいです。民主主義を標榜している組織が実は非民主的な組織であったという冗談のような話です。また「優秀な記者がやめている」ということですが、これは裏返せば今は優秀でない記者が残っているということになります。この夏の騒ぎを見れば大いに納得できますが。
新たに就任した渡辺社長は会見で、「公正、オープン、謙虚、誤りは自らただす新聞社だと評価していただける日まで、体を張ってやり抜く覚悟です」と発言しました。これは今までの朝日は不公正、隠蔽、傲慢、誤りは自らたださない新聞社であったとお認めになったわけで、正直な表明は評価できます。
しかし朝日問題の根幹は事実を報道するというメディアとして最も大切なことを軽視し、自らの主張を優先するという驕慢な独善体質にあるわけで、記事のチェックが足りませんでしたといった末梢の問題ではないと思われます。
新社長は政治部出身ではないというものの、数年前は編集局長の要職にあり旧来の朝日体制を支えたきた人物だと思われます。編集局長ですから、少なくとも主流に対して異論を唱えた方ではないでしょう。従って事実の報道よりも主張を優先するという根幹の問題が解決するか、疑わしいです。幹部を一掃し、産経や読売から社長を迎えれば効果的だと思いますが。
朝日の第三者機関「信頼回復と再生のための委員会」で外部委員を務める日産自動車の志賀俊之副会長の最近の発言。
「(再生への)道筋がつきつつあるとは全く思わない。危機感の欠如ではないか」
同じく外部委員の国広正弁護士の発言
「根底から変える感じがない」
お説、ごもっともです。
『会社に異を唱える記者は次々と編集の現場からいなくなっている。いま、早期退職制度で優秀な記者がやめている。自分と違う主張、反論を認めることができない。それが植村記者に対して「おかしい」という異論を消したのだろうし、文化大革命で中国を礼賛して「虐殺が起きているじゃないか」と異を唱える記者を外していき、北朝鮮を自由な国だと褒め称え、社会主義に異を唱える人間を消していった』
新聞社には毎年多くの新入社員が入り、他の社員も情勢の変化を感じ取るわけですから、少しずつ時代に合った体質に変化していくのが普通です。それに抗して旧態依然の体制を保持しようとすれば強力な支配力が必要です。上記のアンケートによれば、それは人事権を掌握する首脳部によって実施されてきたことが推測できます。それにしても連綿と続く首脳部の、変化を拒否する頑固さは驚かされます。
自由な意見を抑圧し、独裁的な支配力を維持する、これはどこか近隣の国のやり方みたいです。民主主義を標榜している組織が実は非民主的な組織であったという冗談のような話です。また「優秀な記者がやめている」ということですが、これは裏返せば今は優秀でない記者が残っているということになります。この夏の騒ぎを見れば大いに納得できますが。
新たに就任した渡辺社長は会見で、「公正、オープン、謙虚、誤りは自らただす新聞社だと評価していただける日まで、体を張ってやり抜く覚悟です」と発言しました。これは今までの朝日は不公正、隠蔽、傲慢、誤りは自らたださない新聞社であったとお認めになったわけで、正直な表明は評価できます。
しかし朝日問題の根幹は事実を報道するというメディアとして最も大切なことを軽視し、自らの主張を優先するという驕慢な独善体質にあるわけで、記事のチェックが足りませんでしたといった末梢の問題ではないと思われます。
新社長は政治部出身ではないというものの、数年前は編集局長の要職にあり旧来の朝日体制を支えたきた人物だと思われます。編集局長ですから、少なくとも主流に対して異論を唱えた方ではないでしょう。従って事実の報道よりも主張を優先するという根幹の問題が解決するか、疑わしいです。幹部を一掃し、産経や読売から社長を迎えれば効果的だと思いますが。
朝日の第三者機関「信頼回復と再生のための委員会」で外部委員を務める日産自動車の志賀俊之副会長の最近の発言。
「(再生への)道筋がつきつつあるとは全く思わない。危機感の欠如ではないか」
同じく外部委員の国広正弁護士の発言
「根底から変える感じがない」
お説、ごもっともです。