新型コロナウイルスの感染拡大は「ほぼ想定通り」ピークを越え、収束に向かうのが確実な情勢になっている。人と人との接触を抑制するという方法が感染拡大防止の実現可能な、そして有効な手段として実証されたわけである。感染が拡大傾向にあり、どこまで上昇するかわからない時期の不安は非常に大きい。逆に感染をコントロールする手段を得、それが実証されたことが人々に与える安心感はとても大きい。不安が減少するとコロナ報道に対する興味も薄れる。ところがメディアには「制御可能なことが実証され、再発はあり得るがほぼ安心」という論調はほとんどない。メディアの主流は第2波に移っている。不安を煽ることが視聴率を稼ぐ最良の手段であると言われているが、まさにそれを実感する。
テレビ界ではまだコロナの勢いが止まらないが、不安の減少に加えて、同じテーマを長くされると飽きることもあり、コロナに対する興味が薄れたので話題を他へ移したい。5月7日付の毎日新聞の記事に世論調査の結果が載った。調査項目は多岐にわたるが、その中で、新型コロナウイルス問題への対応で「最も評価している政治家」は、という項目がある。結果は以下の通り。
吉村洋文知事 188人
小池百合子知事 59人
安倍晋三首相 34人
同じような調査を「虎ノ門ニュース」でもやっているが、興味深い結果となっている。
吉村洋文知事 420人
小池百合子知事 5人
安倍晋三首相 102人
吉村知事の人気は圧倒的で双方とも1位だが、小池知事の人気は「虎ノ門ニュース」の調査では驚くほど低い。恐らくそれは「虎ノ門ニュース」で小池知事が1月に中国に33万着あまりの防護服を送ったことや、豊洲への移転を「安全だけでなく安心も必要」といって数百億円の損害を都民に与えたことを報じていたからであろう。むろんこれらの報道は新聞やテレビでもなされていただろうが、小さな扱いであった。
「虎ノ門ニュース」はネット専門のメディアであり複数のチャンネルで視聴できる。そのひとつ、ユーチューブでは毎回の視聴数が80万回前後あり、他のチャンネルと合わせるとそれ以上となるので、産経や毎日の購読数に迫る影響力があると思う。上記の調査は「虎ノ門ニュース」の視聴者に対して行われたもので、視聴者の特性を反映したものとなる。これに対して毎日の調査は携帯電話対象で、575人のうち401人の回答である。こちらは無作為で選んだ一般対象ということになっている(携帯電話だけなので全く無作為とは言えない)。
何が言いたいのかというと視聴しているメディアによって評価は大きく影響されるということである。政治家の評価だけでなく価値観まで影響を受ける。「虎ノ門ニュース」の視聴者と同様、朝日や毎日の読者・視聴者も朝日・毎日の見方、価値観を知らないうちに身につける。読者・視聴者は自分の考えに合っているから新聞やテレビを選ぶのではなく、
新聞・テレビが考えを変えるのである。多くの人は変えさせられたことに気づかず、それがスタンダードだと思ってしまう。
そこで提案したいことがある。メディアの世論調査の項目に「購読紙は何か」「よく見るテレビはどこか」を加えていただきたいのである。世論調査の集計結果には支持政党ごとの内閣支持率などが載せられるが、それと同じように、購読紙ごとの内閣支持率などを載せていただきたい。例えば朝日の購読者は内閣支持率が10%、産経の購読者は50%というように。
このような世論調査が出てくればメディアが政治にどれほどの影響を与えているかが明らかになるであろうし、偏向の度合いも明確になる。さらにメディアの政治的責任が意識されるようになると思う。つまりメディアは現実を軽視した、きれいごとを並べるだけでは済まなくなる。発言に少しは責任を持つようになると期待できる。
テレビ界ではまだコロナの勢いが止まらないが、不安の減少に加えて、同じテーマを長くされると飽きることもあり、コロナに対する興味が薄れたので話題を他へ移したい。5月7日付の毎日新聞の記事に世論調査の結果が載った。調査項目は多岐にわたるが、その中で、新型コロナウイルス問題への対応で「最も評価している政治家」は、という項目がある。結果は以下の通り。
吉村洋文知事 188人
小池百合子知事 59人
安倍晋三首相 34人
同じような調査を「虎ノ門ニュース」でもやっているが、興味深い結果となっている。
吉村洋文知事 420人
小池百合子知事 5人
安倍晋三首相 102人
吉村知事の人気は圧倒的で双方とも1位だが、小池知事の人気は「虎ノ門ニュース」の調査では驚くほど低い。恐らくそれは「虎ノ門ニュース」で小池知事が1月に中国に33万着あまりの防護服を送ったことや、豊洲への移転を「安全だけでなく安心も必要」といって数百億円の損害を都民に与えたことを報じていたからであろう。むろんこれらの報道は新聞やテレビでもなされていただろうが、小さな扱いであった。
「虎ノ門ニュース」はネット専門のメディアであり複数のチャンネルで視聴できる。そのひとつ、ユーチューブでは毎回の視聴数が80万回前後あり、他のチャンネルと合わせるとそれ以上となるので、産経や毎日の購読数に迫る影響力があると思う。上記の調査は「虎ノ門ニュース」の視聴者に対して行われたもので、視聴者の特性を反映したものとなる。これに対して毎日の調査は携帯電話対象で、575人のうち401人の回答である。こちらは無作為で選んだ一般対象ということになっている(携帯電話だけなので全く無作為とは言えない)。
何が言いたいのかというと視聴しているメディアによって評価は大きく影響されるということである。政治家の評価だけでなく価値観まで影響を受ける。「虎ノ門ニュース」の視聴者と同様、朝日や毎日の読者・視聴者も朝日・毎日の見方、価値観を知らないうちに身につける。読者・視聴者は自分の考えに合っているから新聞やテレビを選ぶのではなく、
新聞・テレビが考えを変えるのである。多くの人は変えさせられたことに気づかず、それがスタンダードだと思ってしまう。
そこで提案したいことがある。メディアの世論調査の項目に「購読紙は何か」「よく見るテレビはどこか」を加えていただきたいのである。世論調査の集計結果には支持政党ごとの内閣支持率などが載せられるが、それと同じように、購読紙ごとの内閣支持率などを載せていただきたい。例えば朝日の購読者は内閣支持率が10%、産経の購読者は50%というように。
このような世論調査が出てくればメディアが政治にどれほどの影響を与えているかが明らかになるであろうし、偏向の度合いも明確になる。さらにメディアの政治的責任が意識されるようになると思う。つまりメディアは現実を軽視した、きれいごとを並べるだけでは済まなくなる。発言に少しは責任を持つようになると期待できる。
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