文科省幹部から便宜を受けた見返りに息子を合格させたことが発端となり、東京医大の様々な不正入試が明らかになった。思わぬところからバレて、関係者は不運を嘆いておられることだろう。むろん女子受験者や多浪者を不利にするような採点方法を裏でこっそりとやっていたことに弁解の余地はない。しかし女性医師数の制限をすることに関しては、実情を知る医療関係者からは一定の理解があるようだ。
逆に女性差別だと激しく批判する議論もある。次の8月3日付の朝日の社説は代表的なものであろう(以下抜粋)。
『女性医師の休職や離職が多いのは事実だ。だがそれは、他の多くの職場と同じく、家庭や子どもを持ちながら仕事を続けられる環境が、医療現場に整っていないためだ。厚生労働省の検討会などでも整備の必要性がかねて指摘され、医療界全体の課題になっている。
その解決に向け先頭に立ち、意識改革も図るのが、医療、研究、教育を担う医大の大きな役割ではないか』
まるで鬼の首を取ったかのような激しい批判だが、批判は女性医師数を制限するために行われた不正な方法ではなく、制限するという考え自体を対象にしているように見える。背景には、男と女とはあらゆる点で平等でなければならない、という建前論があるようだ。
男女の差別をなくしようというのは現実性のない建前論である。体力や性格は異なり、仕事に対する適、不適がある。体力の差は言うまでもないが、知的な分野でも違いがあるのは間違いない。クラシック音楽では女の作曲家はほとんどいないし、冷静な判断を求められる軍の司令官や参謀には例外的に存在するだけである。これらの理由を社会的なものにだけに求めるのは無理がある。適応性の違いという理由も認めなくてはならないと思う。性差は歴然とあるのだから。もし成績順に採用して女性医師が7割になったとなれば、医療の機能に問題が起きるだろうことは容易に想像できる。眼科と皮膚科ばかりになったりするかもしれない。
建前論は単純化した理念をすべてに適用できるかのように言う。そして現実との齟齬(そご)には目を瞑(つむ)る。いわば粗雑な、子供のような議論である。それはたいてい現実をよく知らない人によってなされる。上記の朝日社説がよい例である。現実の複雑な事情を知る必要がないため安易に行えるが、有害性も高い。ただ人権、差別といったスローガンのように、単純でわかりやすいため思考力の低い人にも賛同されやすい。しかし現実を知らない建前論では適切な解決は難しい。東京医大が裏で点数操作をやった背景にはこうした朝日流の建前論があったのは間違いないだろう。
戦争に対する姿勢でも同じことが起きる。いつも8月になるとメディアは戦争の悲惨さを取り上げる。戦争は決してやってはいけない、平和が何より大切と。その通りだが、ではどうしたら戦争を避けられるという議論はあまり聞かない。平和が大切という建前論だけで終わっているわけである。世界中のほとんどの国が軍を持っているが、その主な目的は侵略の抑止、つまり平和のためである。侵略のために軍備を持つ国は膨張政策をとるごく一部の国だけである。こうした基本的な認識すら十分でない。このような単純な建前論から、9条があれば平和が保たれる、という愚かな議論が生まれる。世の中はそれほど単純ではないのである。
逆に女性差別だと激しく批判する議論もある。次の8月3日付の朝日の社説は代表的なものであろう(以下抜粋)。
『女性医師の休職や離職が多いのは事実だ。だがそれは、他の多くの職場と同じく、家庭や子どもを持ちながら仕事を続けられる環境が、医療現場に整っていないためだ。厚生労働省の検討会などでも整備の必要性がかねて指摘され、医療界全体の課題になっている。
その解決に向け先頭に立ち、意識改革も図るのが、医療、研究、教育を担う医大の大きな役割ではないか』
まるで鬼の首を取ったかのような激しい批判だが、批判は女性医師数を制限するために行われた不正な方法ではなく、制限するという考え自体を対象にしているように見える。背景には、男と女とはあらゆる点で平等でなければならない、という建前論があるようだ。
男女の差別をなくしようというのは現実性のない建前論である。体力や性格は異なり、仕事に対する適、不適がある。体力の差は言うまでもないが、知的な分野でも違いがあるのは間違いない。クラシック音楽では女の作曲家はほとんどいないし、冷静な判断を求められる軍の司令官や参謀には例外的に存在するだけである。これらの理由を社会的なものにだけに求めるのは無理がある。適応性の違いという理由も認めなくてはならないと思う。性差は歴然とあるのだから。もし成績順に採用して女性医師が7割になったとなれば、医療の機能に問題が起きるだろうことは容易に想像できる。眼科と皮膚科ばかりになったりするかもしれない。
建前論は単純化した理念をすべてに適用できるかのように言う。そして現実との齟齬(そご)には目を瞑(つむ)る。いわば粗雑な、子供のような議論である。それはたいてい現実をよく知らない人によってなされる。上記の朝日社説がよい例である。現実の複雑な事情を知る必要がないため安易に行えるが、有害性も高い。ただ人権、差別といったスローガンのように、単純でわかりやすいため思考力の低い人にも賛同されやすい。しかし現実を知らない建前論では適切な解決は難しい。東京医大が裏で点数操作をやった背景にはこうした朝日流の建前論があったのは間違いないだろう。
戦争に対する姿勢でも同じことが起きる。いつも8月になるとメディアは戦争の悲惨さを取り上げる。戦争は決してやってはいけない、平和が何より大切と。その通りだが、ではどうしたら戦争を避けられるという議論はあまり聞かない。平和が大切という建前論だけで終わっているわけである。世界中のほとんどの国が軍を持っているが、その主な目的は侵略の抑止、つまり平和のためである。侵略のために軍備を持つ国は膨張政策をとるごく一部の国だけである。こうした基本的な認識すら十分でない。このような単純な建前論から、9条があれば平和が保たれる、という愚かな議論が生まれる。世の中はそれほど単純ではないのである。
裏口入学の話から男女差別の話にすっかり切り替わっているようです。
力のある保護者が学力の劣る子を制度をねじ曲げて、無理矢理入学させる話よりも、わかりやすい男女差別の方がマスコミの筆が進むのでしょうか?
ネットで見かけただけですけれど、人によっては49点も上乗せして合格したとも載っておりました。
そこまでして入学しても国家試験もあり、実際の勤務となると患者側としては不安になります。
また男女の話に戻りますが、朝日新聞は男女で差をつけたりしていないのでしょうか?怪しいものです。
史子医師が TV番組中で主張されていたのが、医科大入試
などの女子受験生原点への一定理解だったですね。
医師国家試験でも近い傾向があるらしいですが、試験合格
者数は女子の方が多いので、外科などの 力の要る現場の
事などを考えると、現状では対女子減点は やむを得ない
所もある様で。勿論放置して良い訳ではなく、より良い代
替手法が考えられるべきでもありますが。
それにしても、こうした問題に向かう 朝日新聞勢力の悪
しき姿勢は、拙者も目につく所でして。
貴記事で引用された社説の文を読んでも「初めに対決あ
りき」の左派野党的不良姿勢が目につきます。これは結局
、同紙が戦後一貫して見直す事なく読者多数に強要して
きた「観念的反戦論」と大差ないものと心得ます。
貴方もご存じの 現実をわきまえない、空虚な建前論に
拘泥され振り回されては大迷惑なのです。
バカの一つ覚えみたいに「戦争反対」の進化なき情宣を
繰り返した所で、どうせ真に近い平和の為の学識は得られ
ないでしょう。若い世代だって、いつまでもバカではあり
ません。
現実の平和安全の為の学術に背を向け続けていては、い
ずれ全国民市民から見限られる事でしょう。又、そうなっ
て欲しいものですね。遅くに失礼しました。
腹一杯さんが指摘されていましたが、朝日新聞社の男女比率はおよそ4対1だそうです。重要な仕事はさらに男が多いのではないでしょうか。
腹一杯さんが指摘されていましたが、朝日新聞社の男女比率はおよそ4対1だそうです。重要な仕事はさらに男が多いのではないでしょうか。