Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

実に羨ましい伯爵の一日

2009-04-22 | 
夜明け前台所にいる時にガツンガツンと音がしたのを思い出した。こうもりであったのだ。思いがけず、陽射しの強いバルコンの白い壁にぶら下がって伯爵は一日を過ごされた。

こちらは、何時になったら起き上がって、若い女の血を求めて飛び立つのかと気になって仕方がない。一夜ならず一昼の軒を貸した事でもあり、その女の口説き方なりとも教えを請いたかったのだ。

それにしても態々暗闇の中から、朝早く起きて電気を煌々とつけている我家を訪れた意味が分からない。余程疲れていたのだろうか、居城へと帰るのを諦めて、ふらふらでガラスに突き当たって、そのまま泥酔の酔っ払いのように眠りに落ちたのだろうか?

嘗てこうもりに出会ったのは教会の暗い塔の中とか洞窟の中であった。天井からマントを閉じてぶら下がる姿はなるほど格好が良い。しかし今回は写真で見るように壁にへばりついていたので長い耳と毛皮しか見れない。

それにしても向かい側の教会の鐘つき塔と間違って入って来たのだろうが、完全にいかれている。兎に角、眩しく温度の高いバルコンで過ごして、何時の間にか夜中に飛んで行ったようである。

此方は彼がやって来る頃には既に起きていたので、その夜は23時前にはベットに向っていて、恐らく零時頃にマントを翻して颯爽と出て行く姿を拝見出来なかった。実労五時間で、十九時間眠っているのは羨ましい。

なるほど若い女性を口説こうと思えば、朝まで喋っていても疲れ知らずだったときもあったなと思い出す。そう思うと前途多難である。その証拠に、今晩はふらふらとマンハイムに出かける元気もなかった。
コメント
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