Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ワイン三昧 第五話

2006-11-04 | ワイン
名前
ヨハン・L・ヴァルフ

場所
ヴァッヘンハイム アン デア ヴァインシュトラーゼ

特記
同町最古の醸造所。ドイツ大手ブルックリン・ヴォルフ初代の夫人の実家筋である。そのトスカーナスタイルの屋敷は、保存建造物でその歴史を示す。耕地面積10ヘクタールと中規模であるが、バート・デュルクハイムからダイデスハイムまでの由緒ある地所を有している。リッターワインやブルグンダーワインなどは、南ワイン街道から買い付けた葡萄を使用している。現在はモーゼルの醸造所に貸付されて、その世界戦略の下で販売されている。

履行日時
2006年11月2日

試飲ワイン
2005年 ヴァッヘンハイマー・リースリング 辛口、
2005年 フォルスター・リースリング 辛口、
2005年 ゴルトベッヒェル・リースリング・シュペートレーゼ 辛口、
2005年 ヴァッヘンハイマー・ベルツ・シュペートレーゼ 辛口、
2005年 ペッヒシュタイン・リースリング・シュペートレーゼ 辛口、

全五種類。

感想
香りからして古風である。ラインガウ風の蜂蜜トーンが楽しめる。それは一貫していて、ダイナミックよりもスタティックな落ち着きが、玄人好みと云う感じがする。これは低温での発酵過程から丁寧に扱われている味わいである。砂利地の多いヴァッヘンハイマーに係わらずダイデスハイマーのような繊細さを出している。また名前を隠してあるフォルスター・シュティフトの地所の個性(後日・追記説明する)が楽しめる。また、ルーギンスラントに接する石灰岩質のベルツの凝縮感が素晴らしい。玄武岩のペッヒシュタインはミネラル質から素直にその磯のような味を出している。しかし、何れも後味の切れが良い。

総論
モーゼルの完全にいってしまっている趣が売りのエルンスト・ローゼン氏がこの伝統的なワイン醸造所を率いている。現代的嗜好に媚びずにクラッシックなリースリングを目指しているようである。偶々、JALの注文がFAXで入ったところであった。ファーストクラスで提供されるのだろうが、シャンパンのような軽やかさはない。しかし、シュペートレーゼでも重さはなく気軽に楽しめる。グランクリュのペッヒシュタインなどは煮込んで魚のリースリングソースにすれば良いと聞いた。なんとも惜しいがなるほどとも思った。価格からするととてもCPの高い貴重なワインである。しかし生産量が限られているので、知る人ぞ知るワインでもある。それは誤魔化しの利かない辛口ワインで勝負していることと同義語である。

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