11月20日(日)午後に、第8回四国大学書道文化学会が、徳島駅近くの交流プラザ5Fで開かれました。この学会は年に2回実施されて、教員や学生の研究発表ばかりでなく、外部からも様々な講師を招聘して興味深いお話をして頂いています。今回は三重県菰野町から、三重県書道連盟参与・菰野町芸術文化協会会長である谷伸司(号は泉石)先生をお呼びし、「看板についての雑学」と題して、三重県を中心とする、書を用いた看板や酒ラベルのお話を伺いました。
写真は、その時に紹介された、伊勢の代表的な生菓子である「赤福」の看板です。宝永4年(1707)創業の老舗で、この看板は明治20年、赤福中興の祖と言われる6代目の種助の後家濱田ちえが本店を建てるにあたり、地元出身で漢詩の大家であった矢土錦山に揮毫を依頼したものです。
矢土錦山 (やつちきんざん) 嘉永2~大正9 (1849~1920) 72歳
伊勢の人。名は勝之、字は実夫。初め郷里で松田雪柯・藤川三渓らに学び、後に津藩の名儒土井贅牙の門に入り、藩校有造館の教官となる。維新後は東京に出て巌谷一六に師事し、詩・書を善くした。政治家としても活躍した。
谷先生はこの看板が最も好きだとおっしゃっていました。
その他、様々な看板・酒ラベルの写真を見せて頂き、書家に関するエピソードをたくさんお聞きしました。なお、先生は実は落語の大家で全日本社会人落語協会に属し、大会で優勝したこともある実力の持ち主。最後には落語の一節も実演して頂き、楽しい講演となりました。
看板や商標は、半永久の展覧会のようなものです。日本では書を知らないデザイナーさんなどが荒れた筆使いで書いたものも多く、時にがっかりするような看板も少なくありません。書を学んだ人が書いた看板にはやはり味があります。書道に携わる人々はもっとこの分野に意識を持つべきだと考えています。
専門に研究されている先生がいるのですね。
赤福の看板も素敵です。
こんな看板が街に増えていくと、景観がすごく上がって、
おしゃれな町並みになりそうですよね。
ひとびとも、集まって、にぎやかになりそうです。(^。^)