織田の酒気帯び運転

朝青龍の処分と織田信成の処分が同じように並列して論じられているものがある。
これは違うだろう。
織田は法律違反である。飲酒してバイクに乗って、万が一人身事故でも起こしたら人の命にもつながることである。
どう考えたって、織田のしたことのほうが、朝青龍のしたことより悪いのであり、こっちは数ヶ月出場停止というのは当然のことである。

朝青龍のモンゴルサッカー

朝青龍が巡業を休んでモンゴルに行き、サッカーをしていたということが問題になり、２場所出場停止の処分になったとかいう。
相撲のことはぜんぜんわからないのだが・・・、
腕と腰の具合が悪いから相撲のほうの休暇をとり、母国に帰った。そこでレクリエーション的に子どもたちとサッカーをやった。日本の相撲界で活躍している朝青龍はモンゴルの子供たちのあこがれの的でもあり、子どもたちは非常に喜んだ。朝青龍のそのときの写真の表情を見てもとても楽しそうである。
これがどうしていけないのかな？と私は思ってしまった。
相撲をするほど体調はよくない。しかし、腕を使わないサッカーならできるということもあるのではないだろうか？
そして、朝青龍にとって、日本の相撲の巡業に劣らず母国の子供とのサッカーも重要なことだったのではなかったのだろうか。
相撲界というのは厳しい世界で、その中の決まりに従わなければならない。体調が悪いなどということで休暇を取って自由なことをしてはいけないのかもしれない。
しかし、そこでどうせ相撲ができないなら、他のことをしたいと思うのもおかしくなないのではなかろうか。
また、外国人が日本に来て何年も日本の伝統に縛られてくらしていたら、たまには母国に返って羽を伸ばしたいと考えることもあるのではないか。
外国人でなくても、仕事ばかりしていて行き詰っている人などが、仕事をほったらかして気分転換にどこかにでかける必要があることもあるだろう。
しかし、朝青龍の行いを「いいじゃないか」という人はいないようだ。そして、これまでも横綱らしくない言動があり、横綱の品格がないといわれているようである。
しかし、朝青龍の相撲は確かに強いのである。

最近、相撲の上位にいる人たちはみな外国人ばかりになっている。そして、弟子入りする若者も少なくなっているという。それは、相撲の昔ながらの伝統的なしきたりややりかたについていけいない人間が多くなっているからではないのか？日本の若者でさえ日本のしきたりに耐え切れないのではなかろうか。
「横綱の品格」って何？横綱とはこういうものでなくてはいけないという枠組みがあり、それからはみ出る人は横綱らしくない、ダメだ、ということなんだろう。
しかし、そんな理想的なことが望めない現状になっているのではなかろうか。

相撲というのはスポーツとは言っても普通のスポーツではないし、今後も普通のスポーツにはならないだろう。だから個人主義的な行動は受け入れられないままだろう。

モンゴルのひとというのはどういう考え方をするのか知らないが、いままで私がつきあった外国人は、日本人に比べて禁欲的ではないといえる。たとえば、仕事中に暇になったら、日本人の場合何か仕事はないかと探す。それでも仕事がない場合は仕事に関する勉強をする。しかし、外国人の場合、暇があったらそこで仕事とは関係のない別のことをして遊ぶ。

たとえば、ウエイトレスだとすると、日本人の場合すでにきれいになっているスプーンをさらに磨いてぴかぴかにしたり、ナプキンをたくさん折っておいたりする。そして、何もすることがなければとにかく立っている。
しかし、外国人の場合、ひととおりの仕事が済んで暇になると、椅子に座ってテレビを見たりトランプをしたりする。お客がいないのだから仕事をする必要はない、遊んでいてもかまわないだろうという。

休みの日には何をしますか？と外国人に聞かれて、どこにもいかない、趣味は特にない、お金がないからお金のかかることはできない。仕事に関する知識を得るために放送大学で勉強する、などという話をすると、そんな生活楽しいですか？と聞かれる。
人は楽しむために生きているのであって、仕事のために生きているのではない。楽しむときは楽しむから、仕事も一生懸命できるという。
だから、日本で暮らすのはつまらないという人もいた。

私自身、自分の生き方は何がなんだかわからなくなってきた。
いったい、なんのために生きているのかわからない。何を楽しんでいいのかもわからないのだ。ただただ走り続けるしかないが、だからと言ってそれが達成されたときに何が残るのかもまるでわからない。

放送大学だってきっと楽しくなきゃやらなきゃ良いに違いない。苦しんでまでやることではないし、苦しんで単位をとったからと言って、それが何になるわけでもない。

朝青龍がサッカーをやっている表情は本当明るく、楽しそうだった。
自分にもそういう場面があったらきっと幸せなんだろうと思う。
人は、そういう場面があるから毎日の仕事にも耐えてがんばっているんじゃないんだろうか。しかし、私の場合、仕事を休んだところで、放送大学をやめたところで、行くところもやることも特にないのだ。それが大きな重要なものの欠落である。

モンゴルに帰国して命の洗濯ができたから、今後がんばってもらいたいと思うのに、２場所出場停止って何か方向が違うんじゃないかと思う。