プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

今井務

2014-03-05 21:38:34 | 日記
1965年

イースタンの日程消化は順調で、このままいくと八月下旬には終了しそう。それだけに選手たちも、最後の追い込みに懸命だ。とくに目下、打点22、本塁打5本(サンケイの中島と同数)を放って二冠王に輝く好調の今井は、「なんとかがんばってタイトルをとりたい」とハッスルしている。今井は昨年、岡谷工から大洋入りした二年生。入団当時は投手(左腕)だったが、バッティングの素質を買われて、すぐに野手に転向。今シーズンはメキメキ腕を上げてきている。現在の打率は2割6分7厘(116打数、31安打)だが、パンチのあるバッティングは、同僚の日下(昨年の二冠王)以上になったともっぱらの評判。素質もいいが、なかなかの努力家で、利き腕の右手が弱いことから、毎日合宿ではバーベルを使って、腕力の強化に余念がない。今井は、「去年よりバットの先がまわっているのが好調の原因です。それはどのコースでもなんとかバットがでてるからですけれども、インハイのタマを打つ時にしゃくり気味になるらしいんです。アッパーカットじゃフライになったり、振りおくれるから、これがもっと上から叩けるようになればいいんですが・・」と目下研究中。もちろん今年のジュニア・オールスター戦にも文句なしに選ばれた今井は、昨年につづく連続出場だ。「去年は5打数ノーヒットだったから、今年は一本くらい会心の当たりをとばしたいですよ」とオールスターが近づくにつれて、磨きのかかった腕をなでている。
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石戸四六

2014-03-05 21:24:02 | 日記
フォーム・・サイドスロー 球種・・スライダー、シュート

1965年

国鉄の連敗を救ったピッチャー石戸という男は、映画の股旅物に出てくるような、度胸ときっぷをたっぷり持ち合しており、若手ナインからイシさんイシさんと国鉄の石松だと慕われている。その反面奇行の主としてもその名をとどろかせている。彼は四年前に、秋田商を卒業して、ノンプロ日立製作所に就職、三十六年に国鉄に入団したが、それから三年間というものは、ひとつも勝ち星に恵まれなかった。彼は、自分の武器とするサイドからのシュート、スライダーに、かなり自信を持っていただけに、ノンプロとプロの差をまざまざと味わわされて、かなりのショックを受けたようだった。そうして、昨年の契約更改時には、「もうスワローズはオレを必要としないだろう」と早合点した石戸は、ことしこそ、てっきりクビになるものと思い、友人といっしょに東北一周の旅をしゃれこんでしまった。ちょうど、契約更改の時期だったので、球団が、呼び出しても、実家には居らず、全然連絡がつかない。「もしかしたら、以前いた日立の友人のところへでも行っているのではないか」という小山スカウトのカンが当たって、日立に滞在中の石戸をやっとつかまえ、球団事務所に連れてきたら、球団にだまって遠出してしまった前非を悔いて石戸は怒られる前に、早や手回しに、丸坊主になっていた。
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