1986年
阪神がドラフト5位指名した大商大・高橋昌也投手(22)=185㌢、72㌔、右投げ右打ち、南宇和高出身=の入団が四日、決まった。久保スカウトが同日、大阪市内のホテルで本人、村上大商大野球部監督を交えて交渉した結果、契約金三千五百万円、年棒四百二十万円で仮契約した。(金額は推定)高橋は関西六大学リーグで通算22勝をマークした右の本格派投手。特にことしのリーグ戦では7勝を挙げ、優勝に大きく貢献した。「速球には自信があります。阪神にいた小林さん(現評論家)のような気迫あふれる投手になりたい」と抱負を語った。
高橋投手は、185㌢の長身を生かし速球を主体とする右の本格派、南宇和高時代はひじの故障が響き、いまひとつ伸び悩んだが、大学進学後頭角を現し通算22勝をマークした。特に今年の春季リーグでは完投で7勝(3完封)を挙げ大商大の八度目の優勝の立役者となり、同リーグの最優秀投手、ベストナインに選ばれた。 阪神・高橋昌也投手(大阪商大ー南宇和高出)好きな球団から指名されてうれしく思っている。入団については監督や家族と相談して決めたいが、プロ野球は子供のころからの目標だっだし自分の力をためす意味からも前向きに考えたい。ストレートにはある程度自信があるので速球派をめざし、渋い仕事のできるピッチャーになりたい。
南宇和御荘町中浦の高橋投手の実家では「阪神が指名」の知らせに、待ち構えていた幼友達や近所の人たちの間から「阪神なら最高」「良かった。早く一勝を」など、祝福や激励の声があがった。貨物船船長の父親、寿介さん(53)はあいにく渡海中で留守。祝いの電話が相次ぎ、酒も運び込まれるなどお祝いムードの中で、母親の保江さん(52)は「プロに行くには正直言って不安があるけど、本人に任せているので…。ただ、本人にはこれまでよく頑張ったと言ってやりたい」「早速電話してきた高橋投手には「これからも一生懸命、努力しなさい」などと励ましていた。郡内では最近では田中富生投手(日本ハム)以来のドラフト指名とあって地元の野球関係者の期待は大きく、南宇和高当時のチームメート、山田勇人さん(22)=一本松町、会社員=は「精神力が強いので、プロでも必ずやってくれると思う」と言い、同高野球部後援会の吉田貢造会長は「後輩たちの励みと誇りになるよう、全力でぶつかってほしい」と話していた。