投球フォーム・・・右オーバースロー「ダイナミックなフォームが売りだったが、プロ入り後は上体がそっくり返るクセがあり、そのため制球を乱す場面が再三あった。試行錯誤の末、3年目のシーズンにはサイドスローに改造するなど最後まで安定したフォームをものにできなかった。
球種・ストレートのMAXは138キロ程度。カーブ、シュート、フォーク、チェンジアップ、外角へ小さく沈むスライダー。
1984年・5月12日・阪急ー南海8回戦「西宮」観衆1万4千・試合時間・2時間41分
南海212102010・9
阪急000030000・3
勝ち・畠山・・負け・今井・・本塁打・門田7号、福本1号、久保寺1号、香川3号
畠山投手・投球内容・9回・4安打・三振3・四死球6・自責3
「畠山、初完投・2勝目・・・大量点で気楽・同期の藤本修には負けない」
・これじゃ完投しなければ笑われる。バックが14安打で大量9点。「前半に点をたくさん取ってくれたので楽でした」と気楽なマウンドで、畠山はわずか4安打3失点。プロ入り初の完投勝利は、ただひたすら打線に感謝だ。140キロ台のストレートはもうない。せいぜい138キロ。だが、カーブにシュートと、フォークがある。ガムシャラにシュート回転のストレートを投げる子供のピッチングから大人のピッチングへの変身が、完投勝利につながった。「阪急打線はつかみどころがなかったのでは。打者有利のカウントからのチェンジアップが打者の目を狂わせたと思うが、ゴロを打たせて取るピッチングをよう考えとった。粘り強く投げられたね」とは河村投手コーチの話だった。同期入団ながらドラフト5位の藤本修が早くも2勝。8日の西武戦「和歌山」では4安打の完投勝ちさえやっている。「ニャンコのことは気にならない」とドラフト1位の方は突っ張るが、それはウソ。「使えるやつがどんどん出てきて、使えんやつが一人おるなあ」というのは、このところの畠山の常とう句で、それが闘志の裏返しであることははっきりしている。78キロの体重が71キロに減り、徳島・小松島の実家で田植えの手を休めテレビにかじりついていた母親・ツミ子さんは「やせてきているのが心配で・・・。それにスピードもないし。完投はうれしいですが、これからが大変でしょう」と、うれしさより先行きの不安がいっぱいだが、畠山も完投勝ちのうれしさの中で反省点を忘れてはいなかった。「先頭バッターに四球を出して、それからホームランを打たれるようでは」5回、小林晋、福原に四球のあと、福本にホームランされた投球は、完全に子供から大人へなり切っていない証拠。穴吹監督もそこを責めて「0-2のカウントが多いし、よっぽどの援護がないと9回は乗り切れん」と言い、上田監督は「大量差だったのでウチのバッターが打ちあせったのが敗因」と言った。いいところ、悪いところを織り交ぜての完投勝利。首位返り咲きの白星は打線爆発の方が優位に見えてくるが、なんせプロ入り初のものだから、帰りのバスの中で大ハシャギも、まあいいか。
球種・ストレートのMAXは138キロ程度。カーブ、シュート、フォーク、チェンジアップ、外角へ小さく沈むスライダー。
1984年・5月12日・阪急ー南海8回戦「西宮」観衆1万4千・試合時間・2時間41分
南海212102010・9
阪急000030000・3
勝ち・畠山・・負け・今井・・本塁打・門田7号、福本1号、久保寺1号、香川3号
畠山投手・投球内容・9回・4安打・三振3・四死球6・自責3
「畠山、初完投・2勝目・・・大量点で気楽・同期の藤本修には負けない」
・これじゃ完投しなければ笑われる。バックが14安打で大量9点。「前半に点をたくさん取ってくれたので楽でした」と気楽なマウンドで、畠山はわずか4安打3失点。プロ入り初の完投勝利は、ただひたすら打線に感謝だ。140キロ台のストレートはもうない。せいぜい138キロ。だが、カーブにシュートと、フォークがある。ガムシャラにシュート回転のストレートを投げる子供のピッチングから大人のピッチングへの変身が、完投勝利につながった。「阪急打線はつかみどころがなかったのでは。打者有利のカウントからのチェンジアップが打者の目を狂わせたと思うが、ゴロを打たせて取るピッチングをよう考えとった。粘り強く投げられたね」とは河村投手コーチの話だった。同期入団ながらドラフト5位の藤本修が早くも2勝。8日の西武戦「和歌山」では4安打の完投勝ちさえやっている。「ニャンコのことは気にならない」とドラフト1位の方は突っ張るが、それはウソ。「使えるやつがどんどん出てきて、使えんやつが一人おるなあ」というのは、このところの畠山の常とう句で、それが闘志の裏返しであることははっきりしている。78キロの体重が71キロに減り、徳島・小松島の実家で田植えの手を休めテレビにかじりついていた母親・ツミ子さんは「やせてきているのが心配で・・・。それにスピードもないし。完投はうれしいですが、これからが大変でしょう」と、うれしさより先行きの不安がいっぱいだが、畠山も完投勝ちのうれしさの中で反省点を忘れてはいなかった。「先頭バッターに四球を出して、それからホームランを打たれるようでは」5回、小林晋、福原に四球のあと、福本にホームランされた投球は、完全に子供から大人へなり切っていない証拠。穴吹監督もそこを責めて「0-2のカウントが多いし、よっぽどの援護がないと9回は乗り切れん」と言い、上田監督は「大量差だったのでウチのバッターが打ちあせったのが敗因」と言った。いいところ、悪いところを織り交ぜての完投勝利。首位返り咲きの白星は打線爆発の方が優位に見えてくるが、なんせプロ入り初のものだから、帰りのバスの中で大ハシャギも、まあいいか。