想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

真昼の月からトメアスまで

2017-07-18 01:38:42 | Weblog

青空の真ん中に小さく見える月、
見えますか?見つけられましたか?

月は陰、夜にはたらき、いままだ
出番待ち。
地上は日の光さんさんとふり注ぎ
誰も月には求めない。

日が落ちて 闇を照らす月の光
夜空にひときわ明るく照る月
地球の裏側から
同じ月を 観ている人がいることを
想像できるでしょうか。

トメアスという南米大陸ブラジルの
地で六十年前、同じ月をふり仰ぐ
日本人がいたことを書いた詩を
読みました。

「トメアスの月」
詩人 津留清美さんの作品です。
(詩誌みなみのかぜ創刊号に掲載)


感想は難しいので書けませんが
何度読んでも涙してしまうのだけれど、
悲しくて流れるのではない、
嬉しくて泣いているのです。
ありがとうと、泣いているのです。
以下、感想の代わり。


時空の壁も境界も消してしまう詩人は
大地震の傷跡生々しい熊本市内を流れる
白川の橋を渡り、アマゾン河を渡る船が
着く、行くも地獄下がるも地獄の
灼熱の大地の入り口に降り立つのです。

知らない名前の食べ物
見たことのない辛い粒々や葉っぱ。
虫も蛇もいるだろう。

なんでまた、そんなところにと
問うてくれるな 
悲しすぎることは語るより先に
終わっている

人の生き死にを
透徹する詩人の眼には
遙か遠い地で月を仰ぎ
戻ることなどないふるさとの歌を
同じ歌をくりかえし歌い合う人 人
わが同胞 
大雨で濁っているはずのアマゾンの
川面にも 月が落ち
ほら ほら と指さし頬を寄せ合う
どこか似た顔

白川沿いの 地割れした道を穿つ穴
遠く南米から 歌声が聞こえる
なつかしの、昭和のうた
こちらでは とうに忘れられた歌が
聞こえてくる。

すばらしいホンモノの方を読みたく
なったら、7/5日のブログに掲載の
カフェレストランみなみのかぜにて
お求めください。
取り扱い中、のはずです。

この夏、なんどでも読む詩に出会えて
よかったです。







 




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