若年寄の遺言

リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。

Passive man の生き方

2008年12月17日 | 政治
Libertarianism@Japan: Marx or Rand?
たとえば、ランドのActive man とPassive manの分類がある。参照→The only path to tomorrow
http://libertarian.up.seesaa.net/image/optt.htm
ようするにランドは、Active manが自由に活動できる自由を社会が抑圧してしまえば、Active manがだめになり、その結果として社会の大多数であるPassive manも駄目になると言っているのである。



アインランドの言うところの、Active man と Passive man 。
この構造は、次のリンク先の「自立・自己責任」と「甘え・無責任」の関係とよく似ている。

essay 525 日本の進路

Active man=「自立・自己責任」、Passive man=「甘え・無責任」で置き換えて読んでも、
ほとんどそのまま意味が通るだろう。

Passive man=「甘え・無責任」は、社会の圧倒的多数を占める。
Passive man がすべきことは、Active man=「自立・自己責任」の活動を規制せず、足を引っ張らず、
その活動と収入を嫉妬せず、自身の分際を弁えて生活することだ。
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ワガママ原告団

2008年12月17日 | 政治
「アド街」の内容に問題があると審理要請
テレビ東京が10月18日に放送した「出没!アド街ック天国~浜田山」の内容に問題があるとして、「浜田山・三井グランド環境裁判原告団」は16日、放送倫理・番組向上委員会(BPO)に審理を要請する会見を都内で開いた。番組内は、グラウンド跡地に建設中のマンション「パークシティ浜田山」を1位にランク。価格を紹介するなど、スポンサーでもないのに宣伝要素が大きく、公共性を損なうというのが理由だ。2度にわたり質問や訂正などを要請したが、まともに対応せず、放送倫理に欠けるとしている。


原告団の理論でいくと、アド街の全ての放送が
「商品の価格を紹介するなど、スポンサーでもないのに宣伝要素が大きく、
公共性を損なう。」
という結論になる。
価格の紹介、宣伝要素の大きさが公共性に反するとして非難するなら、
特定の回の放送ではなく、アド街という番組そのものに文句を言うのが筋。
また、こういったことを放送するのは、この番組だけでない。
多くの放送局で、流行商品や食事、サービス、宿泊施設等を紹介する番組を作っている。
今回のように、建設予定の不動産を紹介することもある。
これらも、特定の商品を紹介し、宣伝要素が大きく、公共性を損なうものとなる。

・・・この調子で放送を弾劾していったら、8割方のテレビ放送は放送中止になるだろう。


さて。

この原告団のHPでは、次のような主張が掲載されている。

三井グランドと森を守る会: 「浜田山・三井グランド環境裁判」
歴史的・文化的にも、また都市環境の点からも極めて重要な意義を持つ本件三井グランドをとりつぶし、鉄とコンクリートのマンション群に変貌させることが、とりわけ周辺住民に対しどういう影響を及ぼすか、容易に想定できる。緑地を維持するだけでは足らず、格段に増やさなければならない状況であるのに、私有地であるとはいえ重大な社会的使命を果たしてきた三井グランドを営利の観点から一方的に処分開発することを周辺住民は黙過できなかった。控訴人らは、1万名以上にのぼる周辺住民を代表して、三井不動産と結託してこれを野放しにしている杉並区、東京都に開発を中止させ、緑地の保全を求めているのである。


今まで、タダで他人の土地を利用してきた。
タダで、緑地の恩恵を受けてきた。これからも恩恵を受けて当然だ。
周辺住民にタダで緑地を提供し続けるのが、三井不動産の社会的使命だ。

・・・この主張に狂気を感じたのは、私だけだろうか。
「社会的使命」という言葉は、なんて素敵なんだろう(棒読み


私有地でのマンション建設を予定する三井不動産に対し、
「緑地の維持管理料を全て負担するから、、建設を取り止めてほしい」
「三井グランドを地元住民で買い取って、緑地を保全したい。」
といった申し出をするのであれば、まだ理解はできるんだけど。

原告団の言うように、
「緑地を維持するだけでは足らず、格段に増やさなければならない状況」
ならば、周辺の一戸建てやアパートも片っ端から崩して更地にし、
そこを緑化すれば良い。
現在住んでいる住民だけがタダで緑地の恩恵を受け、
三井不動産にだけ負担を押し付けるのは不公平だ。
マンション建設を中止させるのなら、原告団をはじめとする周辺住民も立ち退くのが筋。
他人に社会的使命を要求するのであれば、
自分も同等の社会的使命を果たすべきだ。
公益のため、他者の私有財産をないがしろにする者は、
自分の私有財産についても、同様の制約を受けるべきだ。

緑地の増加という公益を掲げ、緑地の保全を企業の社会的使命と位置づける原告団。
社会的使命、社会的責任、社会的正義、公共の福祉、公益etc
他者の責任を追及し、相手に義務の行使を要求する時、これらの概念はとても便利だ。
しかし、これが自分に向かってきたら、これほど怖ろしい刃はない。
そして、この刃をみんなで振り回したら、自由なんてあっという間に死んでしまう。

ハイエク著『法と立法と自由』第2巻。サブタイトルは「社会正義の幻想」
そう、社会正義なんて幻想にすぎないのだ。
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