請願については、憲法上保障され、法律で提出のための手続きや取扱いが定められている(請願法、地方自治法第124条参照)。
一方、陳情については何ら規定がされておらず、それぞれの地方議会で取扱いはバラバラ。東京23区の区議会を見ても、
「請願と同じように委員会審査をします。」
「請願と同じように委員会で審査するかどうか、事前審査をします。」
「条件付きで委員会審査をします。」
「議員や委員会に参考送付します。」
と、陳情の取扱いは様々だ。
この中で、「紹介議員の付いている請願については委員会審査をしますが、陳情については議員に参考送付します。」という地方議会に送付する場合、請願で提出するか、陳情で提出するかは天と地ほどの差がある。
請願であれば、
請願を委員会に付託するために議事日程が設定され、
付託先の委員会で審査をし、
本会議で委員会審査の結果について報告を受け、
質疑・討論・採決を経て、当該請願を地方議会として採択するか否かの決定を行う
・・・という手続きが生じ、議会としての意思が示される。
ところが、陳情について「議員に参考送付します」という議会の場合、議員に陳情書のコピーが配られておしまいとなる。陳情書が配られるだけで、本会議・委員会の日程に上がってくることはない。
このように、請願と陳情は制度上、全くの別物であり、議会に対する影響力、拘束力がまるで違うんだ、ということを踏まえた上で、以下のリンクを見てみると・・
○キャンペーン · 脅迫、デモ潰し、屁理屈・・・学生の抗議活動を「就職できなくてふるえる」と揶揄した小坪慎也議員にNoを! · Change.org
=====【引用ここから】=====
福岡県行橋市の市議会に対し、同市の市議である小坪慎也氏(36歳)への辞職勧告の決議を求める請願書を提出したいと思います。 賛同いただける方は署名にご協力ください。
=====【引用ここまで】=====
※この福岡県行橋市の市議会は、「陳情書は議員に参考送付する」タイプの地方議会である。
○小坪慎也 (@kotsubo48) 辞職請願署名を集められ、すごい勢いで署名集まるw : 不祥事・疑惑速報!!!
○Bulldog@tumblr — 小坪慎也氏の辞職勧告決議に関する陳情書を公開しました
=====【引用ここから】=====
09月01日、掲題の陳情書を行橋市議会事務局に提出しました。
あくまで陳情ですので辞職勧告は取れませんが、これを受けて議会が「今後の発言に自粛を求める決議」を審議します。審議・採決は09月25日(金)です。
=====【引用ここまで】=====
このように、請願の署名活動が突如、提出の段階で陳情にすり替わった。これはどうしたことか。
ここで、この陳情書についての疑問をいくつか。
・陳情書に「陳情者 住所(空白) 氏名(空白) ほか2899名」という記載があるが、陳情者は住所と氏名を記載することとなっている。署名一覧の原本には「ほか2899名」の住所は記載されているのだろうか。記載がなければ、「ほか2899名」を陳情者として記載するのは誤りである。
・「陳情者 ほか2899名」について、その本人確認はできるのだろうか。住所の記載が無いばかりか、自署でも無ければ押印も無いとなったら、印刷して陳情者をいくらでも水増しできる。3万人でも12万人でも可能だ。
・請願で署名活動を行っていて、提唱者が勝手に陳情に切り替えて出しているが、陳情に切り替えるということを2899人全員が了承したのか。
厳密に言うと、請願は1人でも可能であるため、署名者の中に1人でも「はぁ?陳情?俺は小坪を追い詰めるために請願をする」という人が残っていれば、その書類は請願書として効力が残るはずである。請願書と陳情書は別の法的効力が生じる別の書類であるため、請願の名目で募集した署名を陳情に転用するというのは間違い。提唱者の背任的行為であり、署名活動の主催者として厳に慎むべき行為である。「請願を出す」という意思で署名したのであって、「陳情をする」という意思ではないため、本来なら、請願で募集した署名は破棄し、改めて陳情への署名として募集し直すのが筋。(まぁ、配布されるだけの陳情書程度であれば、そこまで拘る必要もないか・・?)
請願の法的効力を知っていて、
「請願として本会議場で小坪の辞職勧告の可否が審議される!やった!議場という公の場で奴を追い詰めるぞ!」
と思って署名した人の中には、
「なんだ、たかが陳情止まりか。配布で終わる程度のことをするために署名募ったのかよ。この程度のことなら署名しなかったのに。」
と落胆した人もいるかもしれない。
「竜頭蛇尾」あるいは「大山鳴動して鼠一匹」という諺がピッタリである。
ところで、
「これを受けて議会が『今後の発言に自粛を求める決議』を審議します。」
とあるが、どこからの情報なのだろうか。陳情にはそんな効力はない。9月2日時点で、ホームページを見ても決議案の上程に関して何にも掲載されてない。現時点では、この決議案は提出を予定している議員の脳内にしか存在しない・・・となると、提出を予定している議員からの情報提供以外に知る方法はない。
さて、神田章さんはどの議員から聞いたのか。決議案の提出議員が誰になるのか、乞うご期待。
陳情書の中身の批評については、また後日。
一方、陳情については何ら規定がされておらず、それぞれの地方議会で取扱いはバラバラ。東京23区の区議会を見ても、
「請願と同じように委員会審査をします。」
「請願と同じように委員会で審査するかどうか、事前審査をします。」
「条件付きで委員会審査をします。」
「議員や委員会に参考送付します。」
と、陳情の取扱いは様々だ。
この中で、「紹介議員の付いている請願については委員会審査をしますが、陳情については議員に参考送付します。」という地方議会に送付する場合、請願で提出するか、陳情で提出するかは天と地ほどの差がある。
請願であれば、
請願を委員会に付託するために議事日程が設定され、
付託先の委員会で審査をし、
本会議で委員会審査の結果について報告を受け、
質疑・討論・採決を経て、当該請願を地方議会として採択するか否かの決定を行う
・・・という手続きが生じ、議会としての意思が示される。
ところが、陳情について「議員に参考送付します」という議会の場合、議員に陳情書のコピーが配られておしまいとなる。陳情書が配られるだけで、本会議・委員会の日程に上がってくることはない。
このように、請願と陳情は制度上、全くの別物であり、議会に対する影響力、拘束力がまるで違うんだ、ということを踏まえた上で、以下のリンクを見てみると・・
○キャンペーン · 脅迫、デモ潰し、屁理屈・・・学生の抗議活動を「就職できなくてふるえる」と揶揄した小坪慎也議員にNoを! · Change.org
=====【引用ここから】=====
福岡県行橋市の市議会に対し、同市の市議である小坪慎也氏(36歳)への辞職勧告の決議を求める請願書を提出したいと思います。 賛同いただける方は署名にご協力ください。
=====【引用ここまで】=====
※この福岡県行橋市の市議会は、「陳情書は議員に参考送付する」タイプの地方議会である。
○小坪慎也 (@kotsubo48) 辞職請願署名を集められ、すごい勢いで署名集まるw : 不祥事・疑惑速報!!!
○Bulldog@tumblr — 小坪慎也氏の辞職勧告決議に関する陳情書を公開しました
=====【引用ここから】=====
09月01日、掲題の陳情書を行橋市議会事務局に提出しました。
あくまで陳情ですので辞職勧告は取れませんが、これを受けて議会が「今後の発言に自粛を求める決議」を審議します。審議・採決は09月25日(金)です。
=====【引用ここまで】=====
このように、請願の署名活動が突如、提出の段階で陳情にすり替わった。これはどうしたことか。
ここで、この陳情書についての疑問をいくつか。
・陳情書に「陳情者 住所(空白) 氏名(空白) ほか2899名」という記載があるが、陳情者は住所と氏名を記載することとなっている。署名一覧の原本には「ほか2899名」の住所は記載されているのだろうか。記載がなければ、「ほか2899名」を陳情者として記載するのは誤りである。
・「陳情者 ほか2899名」について、その本人確認はできるのだろうか。住所の記載が無いばかりか、自署でも無ければ押印も無いとなったら、印刷して陳情者をいくらでも水増しできる。3万人でも12万人でも可能だ。
・請願で署名活動を行っていて、提唱者が勝手に陳情に切り替えて出しているが、陳情に切り替えるということを2899人全員が了承したのか。
厳密に言うと、請願は1人でも可能であるため、署名者の中に1人でも「はぁ?陳情?俺は小坪を追い詰めるために請願をする」という人が残っていれば、その書類は請願書として効力が残るはずである。請願書と陳情書は別の法的効力が生じる別の書類であるため、請願の名目で募集した署名を陳情に転用するというのは間違い。提唱者の背任的行為であり、署名活動の主催者として厳に慎むべき行為である。「請願を出す」という意思で署名したのであって、「陳情をする」という意思ではないため、本来なら、請願で募集した署名は破棄し、改めて陳情への署名として募集し直すのが筋。(まぁ、配布されるだけの陳情書程度であれば、そこまで拘る必要もないか・・?)
請願の法的効力を知っていて、
「請願として本会議場で小坪の辞職勧告の可否が審議される!やった!議場という公の場で奴を追い詰めるぞ!」
と思って署名した人の中には、
「なんだ、たかが陳情止まりか。配布で終わる程度のことをするために署名募ったのかよ。この程度のことなら署名しなかったのに。」
と落胆した人もいるかもしれない。
「竜頭蛇尾」あるいは「大山鳴動して鼠一匹」という諺がピッタリである。
ところで、
「これを受けて議会が『今後の発言に自粛を求める決議』を審議します。」
とあるが、どこからの情報なのだろうか。陳情にはそんな効力はない。9月2日時点で、ホームページを見ても決議案の上程に関して何にも掲載されてない。現時点では、この決議案は提出を予定している議員の脳内にしか存在しない・・・となると、提出を予定している議員からの情報提供以外に知る方法はない。
さて、神田章さんはどの議員から聞いたのか。決議案の提出議員が誰になるのか、乞うご期待。
陳情書の中身の批評については、また後日。