日曜日の午後、数年ぶりでオペラハウスへオペラ鑑賞に行ってきた。
このコロナの2年間は、ほとんどオペラどころかシティへも出かけるのを躊躇していた。オペラハウス内も改装されて、入り口でチケットを見せる必要が無くなり、自分の指定席のある階の入り口で、E-ticketなるものをスマホで見せるだけ。
この日の出し物はヴェルディのナブコ(Nabucco)
実はこのオペラのオファーが舞い込んで、2階の立ち席19ポンド(3000円足らず)午後3時からと言うので決めた。
始まる25分前には自分の指定場所にいたが、まだ早かったからほとんど開いていた。開演5分前に同時にチケットを買った4人がそろって、私たちの立っている前の座席4席が開いていた。インターネット達者な一人が調べたところ誰もチケットを買っていなくて単に開いている。
始まると同時位にその座席に座ってしまった。ーーラッキーこの席多分80-100ポンドはする。
ナブコはもう30年近く前、日本人の2人の友達と連れ立って、イタリアのヴェローナーの古代ローマ円形劇場へ見に行ったことがあった。
この時の印象がとっても強く忘れられない。
今日のオペラハウスの上演は、舞台も最近のミニマライズと呼ばれるほとんど何もないうえに、出演者も現代調、それでも違和感があまりなかった。この舞台の単純化は過去10年ほどの流れで、私の感覚もいつしか慣れてしまっていたらしい。
何よりも驚いたのは出演者のただ一人も知った人が出ていない。それに世界中から選りすぐりの歌手で素晴らしい音楽、素晴らしい歌手たち、とくに圧倒されたのが主役の一人ザッカリアに扮したロシア人のバス(アレクサンダー・V)で、終って出てきてあいさつする時の拍手がひときわすごかった。
毎年ウエールズで開かれるオペラコンパティションでも優勝者はロシア、韓国、モンゴール、南アフリカ、ペルーなどで、日本人は今まで予選にもでてきていない。
今日のナブコになったバリトンはモンゴール人で名前も読めない。
このナブコの中で一番有名な ヘブライ奴隷のコーラス (Corus of Hebrew Slaves)は約100名近くの男女のコーラスで終わってもしばらくシーンとしていて拍手もしばらくたってまばらだった。
これには何となく舞台に立っている人たちが気の毒になった。
と言うのはヴェローナーの円形劇場ではこのコーラスが始まるといたるところからシー・シー・シーと言う声が聞こえ、終わりと同時に拍手が激しくて、アンコール、300人のコーラスグループが2回も歌った。
その時はどうしてか判らず、一緒に歌っている人たちをたしなめる シー なのかと思っていた。
このナブコが初演された1842年当時、イタリアはオーストリアの圧政下に有り、オペラの中ではヘブライ人たちがバビロニアに捕らわれ、イスラエルを渇望して歌っている。この歌はイタリアの民族運動を力づけ、イタリアの第2の国歌と言われている。だからコーラスの最中にあちこちから聞こえた シー は そうだ・そうだ。といっていたのだ。
3時間の大作、十分満足して帰ってきた。さすがはロイヤルオペラハウス。今まで何度も行って一度たりとも不作、不満足と言うことがなかった。観客席はぎっしり詰まっていたが、観客全員がマスクをしているからコロナ感染にもあまり心配しなかった。
ちなみに、私はワクチン接種自体には賛成ですが、1年以内に3回ものワクチン接種を行うことによる身体への影響を疑問視しているということです。
昨日、テレビのニュースで、イギリスでは3月からコロナ陽性者の隔離義務を廃止する方向に動いていると報道されていましたが、陽性者でもマスク無しで出歩くのでしょうか?
目的は、国民全員が感染することですか?
知り合いにワクチン接種反対派の人が2人います。私も1年以内に3回ものワクチン接種を行うのは賛成では無いのですが、行きつけの病院はワクチン·パスが無いと建物の中に入れないので、明後日接種に行ってきます。
今日木曜日からマスクをしてなくても電車にも地下鉄にも乗れるということですが、やっぱりこわいですね。日中の電車はすいていましたがそれでもマスクしてる人は5分5分くらいでした。これからは感染者が激減するまではオペラハウスも行けません。ロンドンの感染者が一番多いそうですから。
早く何も心配しないでオペラやコンサートへ行ける日が来るとよいのですけど。祈り・・・・。
今日からは、オペラハウスもマスク無しで行けるのでしょうか?
オペラですか。羨ましい!コロナのストレスがいっぺんに吹っ飛んでしまいそうですね。
日本にいた時は、大阪のフェスティバルホールの常連でした。オペラは、ボリショイオペラも行きました。本物の馬を舞台で見た時は感激そのものでした。
今はフランスの田舎暮らしでオペラや有名なオーケストラのコンサートとは縁遠い生活になってしまいました。近くに日本人もおらず日本食材を売っている店も無い生活にも慣れましたが、オペラやコンサートに行けないのは寂しいです。
私は仕事でよくオーストリアに行っていたのですが、いつの日にか、ウイーンフィルの新年コンサートに行ってみたいです。