どうも、ren.です。
雨で地面や道、家の壁や屋根の熱が冷めたためか、比較的過ごしやすい。
でも、湿度で肌はじっとりするね(w
● 「恐い食べ物」 松原タニシ 二見書房
前作タニシさんの新刊。
意外なタイトルと表紙。
16件目の事故物件でタニシさんは、住人が孤独死した後にリフォームもされていない住居を1か月借り、その死体が変容したであろう土を持ち帰ります。
人が死に、ネズミや虫がその死体を食べ、排泄され、腐敗し、分解され、土になる。
「食べるって何だ」という疑問が、この本の幕開けとなります。
そこから数多く語られるのは、食べ物にまつわる様々な話。
不気味な怪談、奇妙な出来事、ちょっと不思議な経験談、そして各地の食べ物に関する風習やレポート。
つまり、今回はただの怪談集といったわけではありません。
イチゴミルクには虫の成分が入っている、パン作りの失敗の原因、いぼ痔の治療、タニシがタニシを食べに行く……そんな私小説かコラムのようなものも。
また、Twitterでも語られていたメキシコ旅行のレポートも掲載。
青森のイタコに「死後の世界を知りたきゃ、アニメ映画"リメンバー・ミー"を観ろ」と言われて以来興味を持っていたメキシコで、現地で出会った人や儀式、自身の心境の変化が淡々と書かれています。
そして本の結びには、冒頭の土で野菜を作り食べようとするタニシさんが。
食べ物とは、食べるとは、ちょっと考えを巡らせる一冊でした。
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