レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

カリートの道

2023年08月31日 19時57分06秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「カリートの道」
原題:CARLITO'S WAY
1993年 アメリカ 144分
■監督:
 ブライアン・デ・パルマ
■出演:
 アル・パチーノ
 ショーン・ペン
 ペネロープ・アン・ミラー
 ジョン・レグイザモ
 ヴィゴ・モーテンセン
 
●あらすじ
かつて街を牛耳り麻薬の帝王として君臨したカリートが刑務所から帰って来て見たものは、
以前には闇の世界にもあった仁義やルールが時の流れと共に姿を消し、
今や殺伐とした雰囲気に変貌していた街の姿だった。
今度帰ってきたら待っていてくれた恋人との純粋な愛に生きようと思っていた彼は、
そんな街からは出ていくことを心に決めていたが、
彼にはどうしても返さなければいけない1つの“借り”があった……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
ブライアン・デ・パルマ+アル・パチーノと言えば、名作「スカーフェイス」のコンビ。
デ・パルマが本作の脚本渡された時に、前に「スカーフェイス」作ったじゃんと乗り気じゃなかったのも頷ける。
観るこちらも「スカーフェイス」の面白さを期待して観たのだが、これが大いに期待外れな感じであった。
「スカーフェイス」がギャングの世界で成り上がっていく若くギラギラしたマフィアの物語なら
本作は刑務所から出所して堅気になりたい元マフィアの物語。
しかしこの主人公がマフィアと堅気のどっちつかずみたいな感じなので、話に一本筋が通っていない感じ。
しかも元恋人との絡みが結構話の中心にいたりするから、余計にギャング物としても中途半端に映る。
なんか純愛風な描かれ方だからね。
中盤で主人公が元恋人の家を訪ねた時に、最初はチェーン越しで決してドアを開けなかったシーンは
絶対に背後の部屋に別の男が居る描写だと思ってたんだけどなあ。
まあそんな事はさておき、本作はカメラ映りと言うか全体の雰囲気とかは凄く良い感じ。
画面を通じて街並みとか部屋の背後の風景とか、良いショットが凄く多い。
全部静止画にしたら凄く恰好良いショットが並ぶだろうな。
とまあそんな感じなので、監督とかキャストとか何かが自分的に好きな人なら観てもいいかも。
ちなみに評判の悪い続編はいつ観るかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実録・広島四代目 第一次抗争編

2023年08月18日 18時08分38秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「実録・広島四代目 第一次抗争編」
2003年 日本 91分
■監督:
 市川徹
■出演:
 加藤雅也
 高知東生
 中村繁之
 東幹久
 松田優
 清水宏次朗
 坂上香織
 遠藤久美子
 嶋大輔
 安岡力也

●あらすじ
仁義なき修羅の世界で中国地区最大組織のトップに登りつめた
広島四代目・沖本勲の激動の生涯を描く実録任侠大作。
戦後の広島、“ぼんくら”と呼ばれる不良グループの一員・沖本勲は、
若き血潮をたぎらせ、対立するグループと日々争いを繰り返していた。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
おいおい、この作品大丈夫なのかよ!
どういう事かと言うと、本作は有名な「仁義なき戦い」をモデルにしている映画だが
何と、役名が全て実名を使用している!
さらにオープニングのバックに使用している新聞記事も本物の記事を使っている!
画面をボヤかしていはいるが、名前も顔写真も実際の記事そのものを使用と!
映画が始まって5分も経たないうちに、観ているこちらが別の意味でドキドキしてきちゃうよ。
さて本作は全部で3部作らしく、これはその序章。
主役は広島のドン四代目で、三代目を描いた作品は前に観た「実録 広島やくざ戦争」シリーズ。
初代と二代目については「仁義なき戦い 完結篇」で描かれているので、
良く皆さん気になっている、「仁義なき戦い」のその後って事ですね。
と言っても本作は「仁義なき戦い」の第一部からきちんと描いていて、
三作目である「代理戦争」の途中まで描いている。
「仁義なき戦い」のおさらいを兼ねてと言う意味合いでも、良き構成ですね。
まあ冒頭でかなり驚かされるが、内容は十分に面白い。
但し「仁義なき戦い」で描かれた元の話は、登場人物も多く、しかも各人が途中途中で
敵になったかと思えば、次は味方になっていたりなど複雑な展開も多く
そう複雑にさせている原因が、やくざ社会独特のルールによるものでもあるので
基礎知識・予備知識的なものが無い状態で観ると、いささか混乱するかも知れないが
まあ「仁義なき戦い」が好きな人であれば、文句なくオススメです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新・仁義の墓場

2023年08月15日 19時46分46秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「新・仁義の墓場」
2002年 日本 131分
■監督:
 三池崇史
■出演:
 岸谷五朗
 美木良介
 有森也実
 大地義行
 大沢樹生
 曽根晴美
 石橋蓮司
 山下真司
 佐藤蛾次郎
 安岡力也
 山城新伍
 丹波哲郎

●あらすじ
石松陸夫は、沢田一家総長・沢田忍を敵の銃弾から身を呈して守り、
20歳そこそこの若さで沢田一家の直若となる。
すっかり沢田に気に入られた石松は、いまや何も怖いものなしといったところ。
高級クラブで新人ホステス智恵子に目を付けるや力ずくで自分の女にしてしまう。
そして、山東会の山根が総長を批判していると聞くと逆上してすぐさま殺してしまうのだった。
刑務所での5年の務めを終えて娑婆に戻った石松は、沢田一家と今村組の盛大な歓迎を受ける。
そして智恵子も待っていてくれた。
石松には明るい未来が待っているかに思われたが……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
1975年に深作欣二監督、渡哲也主演の映画「仁義の墓場」のリメイク。
と言うよりかは、同じ題材をテーマに取り上げて、時代を現代に変えた再構築作品かな。
出来栄えの方は深作・渡哲也版と比べても、全く遜色の無い良い出来。
まず主演の岸谷五朗が素晴らし過ぎる。
全編に渡って怖い、イッちゃってるヤバイやくざを見事に演じている。
演技の凄さと共に、そのキャラクター設定もお見事。
やばいやくざと言う物を、やくざの範疇の中で完璧に演じている。
ここにリアリティを感じる。
ここが「孤狼の血 LEVEL2」との大きな違いだね!
次に情婦役の有森也実。
やくざの女役だからある程度は分かるにしても、まさか有森也実の裸の下半身が画面に映るとか
下着の上からとは言え、パンツの上から顔をうずめられるとか、そんな演技が出てくるとは思ってなかった!
まあ有森也実のイメージが「東京ラブストーリー」しかないからな(笑)
他の役者陣も軒並み良い演技で、映画全体が締まっていて非常に良い感じ。
特に大沢樹生がこれまた良かった。
新しいやくざ映画でも面白い映画は、まだまだあるねえと言う事が分かったところで次も期待大ですな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワイルド・ヒーローズ/暗黒街の狼たち

2023年08月08日 19時01分16秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「ワイルド・ヒーローズ/暗黒街の狼たち」
原題:義胆群英/JUST HEROES
1989年 香港 97分
■監督:
 呉宇森(ジョン・ウー)
 午馬(ウー・マ)
■出演:
 姜大衛(デビッド・チャン)
 李修賢(ダニー・リー)
 午馬(ウー・マ)
 陳觀泰(チェン・カンタイ)
 周星馳(チャウ・シンチー)
 成奎安(シン・フィオン)
 黄霑(ジェームズ・ウォン)
 恬妞(ティアン・ニウ)
 羅烈(ロー・リエ)
 狄龍(ティ・ロン)
 岳華(ユエ・ホァ)
 袁和平(ユエン・ウーピン)
 谷峯(クー・フェン)
 高飛(コー・フェイ)
 張午郎(チャン・ウーロン)
 馮克安(フォン・ハックオン)
 劉家榮(ラウ・カーウィン)

●あらすじ
『レッドクリフ』のジョン・ウー監督が「男たちの挽歌」シリーズでコンビを組み
香港ノワールの大ブームを巻き起こしたツイ・ハークと作り上げた犯罪アクション。
香港映画史上最大量の銃弾を使用したという、激しいアクションシーンの数々は圧巻の一言。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
監督が呉宇森(ジョン・ウー)で、制作が徐克(ツイ・ハーク)。
さらに主演が姜大衛(デビッド・チャン)に陳觀泰(チェン・カンタイ)。
さらにゲスト出演で狄龍(ティ・ロン)まで顔を揃えられているのは、
本作がショウ・ブラザーズで活躍した張徹(チャン・チェ)監督の、
監督生活40周年記念作品だからだそうな。
制作会社は李修賢(ダニー・リー)のマグナムなので、彼の子飼いである
成奎安(シン・フィオン)や周星馳(チャウ・シンチー)も出演している豪華版。
しかし張徹関連なら倉田さんも呼んで欲しかったな。
さてここまで聞くといかにも夢のオールスター映画って感じだろうが
実際はそんな雰囲気ではなく、監督としても呉宇森作品と言うよりも、どちらかと言うと午馬作品と言う感が強い。
なんだか1980年代前半のサモハン作品ぽい雰囲気がするしね。
あと「男たちの挽歌」のマークパロディがいくつかあるんだけど、このシーンを撮ったのが
呉宇森なのか午馬なのか、どっちか気になる。
まあ内容の方は良くある香港ノワール物て感じだけど、本作で一番驚いたのが
姜大衛(デビッド・チャン)と狄龍(ティ・ロン)が共演していること!
確かこの頃ってまだ不仲の真っ最中じゃなかったっけ?
それが同じ映画に出ているとは。
まあ同じ映画に出ていると言っても、同じシーンでは登場しないんだろうなと思っていたら
なんと同じシーンに映るシーンあり!
しかもそこをストップモーションにする辺り、制作側も分かってやっていたのかもと思わせる。
多分あのシーンを撮ったのは呉宇森だろうなと思うけど、逆にあそこのシーンしか撮ってないんじゃないか?
とか思うくらい、映画の他のシーンから浮いてたけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実録私設銀座警察

2023年06月22日 19時42分07秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「実録私設銀座警察」
1973年 日本 95分
■監督:
 佐藤純彌
■出演:
 安藤昇
 梅宮辰夫
 渡瀬恒彦
 室田日出男
 葉山良二
 内田朝雄
 小林稔侍

●あらすじ
昭和21年。
戦禍で焼け野原となった東京の銀座とその隣の新橋には、
何がなんでも生きようと決めた多種多様な男女が集まっていた。
いずれも復員兵である、池谷、樋口、岩下らは、
米軍のMPやアジアから来た人々から日本人を守るために暴力も辞さないグループ“私設銀座警察”を結成。
彼らはやがて銀座に君臨していたヤクザ、中根兄弟との戦いに勝つが、
そんな“私設銀座警察”の中で内部抗争が起き、一同は破滅への道を突き進む。
(WOWOWより)

★感想など
安藤昇出演作品シリーズの流れで。
主役として一番最初にクレジットされるけど、どちらかと言うと葉山良二が一番目立ってた気がするなあ。
後半からは梅宮辰夫。
さて本作は「仁義なき戦い」が公開された後の実録路線の一本。
葉山良二、安藤昇、室田日出男、梅宮辰夫の四人が中心となって”私設銀座警察”を作る話。
渡瀬恒彦は彼らに良いように使われる鉄砲玉の役と珍しい配置。
舞台は戦後の昭和21年。戦後の街のセットが「仁義なき戦い」一作目の冒頭と似ている。
そこに復員兵として帰還した渡瀬恒彦が登場。本作の渡瀬恒彦は一見で渡瀬恒彦と分からない風貌をしている。
で渡瀬恒彦が戻って来たのは奥さんのところ。すると奥さんはパンパンになっていた。しかも黒人との赤ん坊も産んで。
これに激怒した渡瀬恒彦が赤ん坊を二階から階下の水たまりに投げ捨てる。
それを追いかけた奥さんを石で撲殺。これが本作の出だしである。
タイトルバックも、背景に流れている映像は戦争中の死体の本物のフィルムを延々流すヤバさ。
本物はマズイだろうよ。タイトルバックの最後は本物の頭蓋骨だしね。
映画の中身もほぼ暴力と梅宮辰夫のSEXだけで彩ったような内容で
とくにラストは全員で複数の芸者を強姦する乱痴気騒ぎで幕を閉じると言う、狂気に満ちた終わり方をする。
やくざ映画と言うより、70年代の狂った空気を強く感じられるカルト作。
これだから70年代は止められないね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする