「鉄人28号」
2004年 日本 114分
■監督:
冨樫森
■出演:
池松壮亮
蒼井優
薬師丸ひろ子
香川照之
川原亜矢子
中澤裕子
高岡蒼佑
伊武雅刀
矢沢心
田中麗奈
妻夫木聡
阿部寛
柄本明
中村嘉葎雄
●あらすじ
ある日、大都市・東京で突如サイバーテロが発生。
さらに破壊ロボット“ブラックオックス”が飛来し、東京の街は次々と破壊されてしまう。
そんな中、母と2人暮らしの小学生・金田正太郎は見知らぬ老人・綾部からある一本の電話を受ける。
それは、亡き父・正一郎が遺した“鉄人28号”のことだった。
28号は、正太郎の祖父・正吾郎が戦時下に軍事対策用として原型を作り、
正一郎が平和利用のため開発を引き継いだロボット。
綾部は、正太郎こそが、父の遺志を継ぎ28号を操縦してブラックオックスと戦う使命にある、と説くのだったが…。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
いや、これ凄い面白かったよ!
観る前はそりゃあ不安は大きかったですよ。
どこの批評を見ても、これより後に出来たアニメ版の方が面白いしか書いてないし。
話の出来がいいかも知れないけど、アニメじゃあ燃えないんですよ。
所詮絵で描かれた物じゃあ、どんな特撮映像でも驚くわけがない。
しかし実写でそういった映像を表現しようという試みから次々と生まれるアイデアと技術革新。
最初は特撮と呼ばれ、次はSFX。そして今はCGと(まあこれは技術の一つですが)
そういった人間の努力やアイデアの部分を楽しんでいるのかも知れない俺は。
80年代のホラー描写も正にそんな感じだったしね。
本作の特撮はCGだが、妙にアニメチックなのは予算の関係だろうが
このチープさが妙に世界観にマッチしている感じ。
非現実的なロボットが、実写で見慣れた街に登場する。
こういうのが観たかったんだよ!
脚本もレレレ的には満点だった。
すんなり話が進んでいき、細かい部分は関係ねえとばかりの豪快さ。
本来娯楽映画なんてこんなノリでいいんですよ。
登場人物に関しては色々あるねえ。
まず正太郎。確かにへたれだ。
現代風に描くとこうなっちゃうのかねえ。いわゆる等身大ってやつ?
そう考えると昔の正太郎や、「少年探偵団」のメンバーなんて理想的な人物像かも。
でもそれでいいと思うんだが。
映画は作り物の世界なんだから、現実にいねえよって人でもいいじゃん。
観てる人がそれに憧れて目指すような人物像を描けば。
昔は理想と言うか、作り手の思い通りに描いていた人物像も
今では足を引っ張って引きずり降ろされたキャラクターばかりって感じだね。
こういった点からして、今の映画には夢がないのかも知れない。
対して蒼井優のキャラクターは以外に可愛いキャラで、物語に弾みを付ける良いキャラクター。
是非続編とかで二人の恋愛話とか作って欲しかった。但し本作の二人のノリのままでね。
他にも中澤裕子とか矢沢心に田中麗奈とかがクレジットされているが、正直どこに出ていたのかさっぱり気付かなかった。
ああ、それと若手刑事二人は正直うざったくてむかつくいらない奴らだったなあ。
まあとにかく、空想化学特撮映画って感じで非常に満足したよ。
最近は期待していないで観ると当たりで、期待して観ると外れという逆パターンが多いんだが本作もそんな感じ。
デュークエイセスの主題歌もオープニングはインストで。
ラストは別の歌手によって流れていたが、最後の「グリコ、グリコ」は無かった!
どうせならグリコにスポンサーになってもらって、最後のグリコまで再現すれば良かったのに。
惜しいことしたね、グリコ!