「多羅尾伴内シリーズ 十三の眼」
1947年 日本 75分
■監督:
松田定次
■出演:
片岡千恵蔵
喜多川千鶴
由利みさを
斎藤達雄
奈良真養
美奈川麗子
●あらすじ
1947年松田定次監督作品「十三の眼」
前年に公開された「七つの顔」の続編というよりも、 同じ主人公が活躍する映画である。
片岡千恵蔵演じる風采のあがらない私立探偵・多羅尾供内が、事件の謎を解き、悪者を退治する痛快娯楽作。
(Amazon Prime Videoより)
★感想など
多羅尾伴内大映時代シリーズの第二作目。
脚本が前作よりシンプルになっている。
実は前作でも語られていたが、藤村大造の過去は実は大怪盗であった。
それが今は名探偵に転身していたのだ。
第一作の「七つの顔」の劇中でヒロインと探偵談義になった時に、多羅尾供内は海外の名探偵の名前を複数出すが
ルパンだけは言わなかったのを、ヒロインにルパンも居るわと言われていたが、
自分から名探偵群の中に、ルパンを混ぜなかったのは自身と被っているからと言う事だろうと感じさせる演出があった。
ちなみにアルセーヌ・ルパンは怪盗だが、探偵になって事件を解決する話が原作にはあるので
ホームズ等の名探偵の中に、ルパンの名前が入るのは、昔から当たり前の事である。
本作では怪盗であった藤村大造が、正義と真実の使徒に転身するきっかけを与えてくれた刑事が
何者かに殺されたため、その事件を追うと言う内容だが
多羅尾供内の独白が多いとか、最後の正体ばらし(ある時は片目の運転手ってやつ)がないとか
シリーズとしては異色作かも知れないが、前作の「七つの顔」同様、ヒロインの目線を中心に物語を作っているのが
特徴的だなと思ったね。