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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

昼ズ族

2008-12-05 19:55:57 | ニュース

先日は杉村太蔵議員がいきなり「公認してちょんまげ」演説会を開いたりで、真冬に向かう当地も遅ればせながら総選挙ムードが高まってきましたが、先がけて天下国家にまったく関係ないながら聞き逃せないニュースも飛び込んできました。

TBSの昼ドラ2枠『愛の劇場』(月~金1300~)『ひるドラ』(同1330~)が来春4月から廃止されるとのこと。同局としては他局に後れを取っている昼時間帯を総合的に改編して、大型の情報・報道番組に拡充する方向のようです。

『ひるドラ』は『ドラマ30』として、確か昭和50年代初期から、『愛の劇場』はさらに遡って昭和40年代前半から始まっている歴史ある枠です。昼帯をこよなく愛する大きなTVっ子月河は、平成に入ってからはおもにライバル局・フジテレビ系東海テレビ制作の1330~枠を主力ウォッチしてきたため、最近のTBS昼とはあまり縁がなかったのですが、全国の昼帯ラヴァーズの中でも、“元気”“前向き”“家族愛”“夢実現”などのタームを快とし、当日午後や明日の仕事の活力にしたい人、けなげな子役さんたちの可愛さに萌えたい人はTBS系、月河のようにあくまで大人の人間の暗部や負の感情の衝突が起こす波濤をドキドキエグエグ面白がりたい向きにはフジ系と、個人のテイストに合わせて棲み分けしながら互いに“もっと面白い、新鮮なものを”“向こうさんに負けないように”と切磋琢磨して行ってくれればいいなと思っていたので、今般のTBSの「昼帯でドラマはもうやりません、数字取れてないから」宣言はショックです。

いつも贔屓にしている枠の裏枠で、「たまたまチャンネルが合っていたため目に飛び込んできたシーンが印象的でそのまま見続け、気がついたら“贔屓移転”していた」っていうのがいちばん幸せなドラマとの出会いではないかと思うのですが、TBS系では04年『虹のかなた』『メモリー・オブ・ラブ』辺りは雑誌情報からかなり目的意識を持って序盤を観たものの、結局“移転”には至りませんでした。

05年『デザイナー』も一条ゆかりさん原作という点にかなり不安を抱きつつも(実写化で満足行く出来になった作が、好みもありましょうが従来皆無)、仮面ライダーギャレンに変身しない天野浩成さんを見てみたく挑戦しましたが、画面の白っぽさとセット空間構築のスカスカさに大いに失望、『緋の十字架』に戻って来たりして、やはりTBSのここの枠は“軽み”“明朗さ”に専念したほうがいいかもね、と思った記憶もあります。

枠によって担当するプロデューサーさん、製作プロダクションと抱えるスタッフも違うので、得意とする作風も違って当たり前。たぶん月河とは反対に、いつもTBS系をレギュラー視聴していて、出演者や原作情報でフジ東海系を試し見、「この重さエグさにはついていけないわ」「子役さん可愛くないし棒読みだし(←作品によるのに)」と戻って行った人も少なくないことでしょう。

ただ、「数字が取れていない」と嘆かれれば、いち視聴者としてむべなるかなと思うふしがないでもない。現行踏ん張っているフジ東海系も含めて、昼帯ドラマとは、“月~金オビ”というフォーマットにこそ最大の強みがあるのに、それを活かそうという姿勢、思考のベクトルがあまり感じられなくなっている。「今日の続きが、明日のこの時間にもう観られる」「待たされても週末2日だけ」というのは、連続もののフィクションドラマに食いつかせ、離させない上でたいへんな牽引力だというのに。

1作品の1クール3ヶ月の間、リアルタイムで130分、フル視聴できる日は数えるほどしか持てず大半録画視聴の月河ですら、「帰れば『○○』のビデオが待っている、帰れば再生して観れる」だけで、昼間どこで何をしていてもテンションがちょっと上がったりするのです。1340頃ふと手を止める瞬間があると「今頃レコーダーが稼動しているんだろうなムフフ」と挙動不審スマイルになったりもする。

そうこうするうちに土日の、たったの2日のインターバルが長く感じられるようになってくるのです。たった2日が街ち遠しいなんて思わせてくれる機会は、同じ連続モノでも週一のドラマには間違っても望めません。かつての『女優・杏子』や、『愛のソレア』中盤まで、『美しい罠』後半などはそんなノリで楽しませてくれました。

最近の昼帯ドラマは、「月~金オビでどんな話をやったら面白いだろうか」「今日の続きが明日観れるとしたらどんなドラマが観たい?」というところからクリエイティヴに、建設的に出発するのではなく、「月~金のこの時間帯TVを観ているのはどんな層か、性別は年齢は職業は年収は家族構成は」という広告代理店主導のマーケット限定がまずありきで「そういう人たちはどんな話が好きか、どんな漫画や小説を読んでいるか」「どんな俳優を起用すれば食いついて来るか」と、狭く狭く考えては、ますます狭い作品しか作れなくなっている気がする。

フジ東海系最近の諸作、たぶん広告代理店分析では愛読者と視聴者層がかぶっているのであろう人気漫画・レディコミや、古典的大衆小説・少女小説に取材した作品が多く製作されていますが、原作よりも面白かった、或いはせめて「これを原作にとって正解だったな」と思わせてくれた作は残念ながらほとんどありません。

オビということで言えばNHK朝の連続テレビ小説、所謂朝ドラも同じような傾向で長期低落が続いています。やはり“毎日オビで続きモノ”という枠の利点をほとんど武器にできず、“頑張る若い女性の職業・結婚根性サクセスモノ”にこだわってみずからクビを絞めている。こちらは土曜も入れて週6ですから、できることはもっともっとあるはずなのに。

枠が減るに従って、オビであることを活かして書ける脚本家さんが払底して来ていることも大きいと思います。いま日本のTVドラマ界で筆力あるとされる脚本家さん、特に伸びしろある若手中堅どころは、ほとんど1話完結、単発2時間、せいぜい週一全1011話までしか書けない人たちでしょう。

原則1話完結で半年26話、150話ぐらいを複数脚本家のローテーションシリーズ構成で一貫させて行くノウハウも、それこそ特撮やアニメの一部の製作チームにしか確立されていません。

TBSの昼ドラ撤退宣言は、ある意味日本のTVドラマ界の“話の面白さで視聴者を吸引し続ける力”の減衰を端的に表したとも言える。そういう力がTVドラマに確かにあるということを、あろうことか当のドラマの作り手が信じなくなって来てもいるようです。

「この時間帯TV観ているのはこんな層だから、その層に受けるモノを」とあらかじめ狭く限ってスタートするのではなく、「面白いモノを作りさえすれば、面白いモノを観たがって、求めている人が、層を問わず集まって来るはず」とハラくくってなぜ作れないのか。家庭用録画機材や、(著作権の問題がつきまといますが)インターネットでの画像データ共有がこれだけ普及している現在、「面白い、続きを観たい」と思わせることさえできれば、その時間にTVの前に居ない人をも、いくらでも客にできるのに。

現に、月河は『杏子』でそうしてこの枠の客になりました。

この機会に、生き残ったフジ東海はもちろん、今般背を向けてしまったTBSも、「オビでドラマを作る(作っていた)ことの意味」を考え直すべきだと思います。

ひいてはTVにドラマというジャンルのある意味は?”という、根元的問いにもなってくるに違いありません。

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相鍵

2008-12-04 20:42:17 | 再放送ドラマ

ここ数年お世話になっているマンション管理会社さんが、毎年“年末大掃除のお手伝いキャンペーン”として相場より格安でキッチン、バストイレの換気扇などのお掃除を請け負ってくれるのですが、今年はある新規入居者のかたが本業の会社でマンションリフォーム業を始めたため、管理会社さんに内緒で、さらに下回る価格で館内営業活動をすすめていたことが明るみに出てしまい、入居者が軽く二派に分かれて先日からちょっとしたトラブルになってしまいました。

その件でしばらく管理事務所で、一応世帯代表として善後策の打ち合わせに参加したりしていたことと、もともと月河がTVっ子であることが重なって、昨夜はなぜか「既報通り特命係を“卒業”した亀ちゃん(寺脇康文さん)が、なぜか当マンションの管理事務所で現管理人さんのサブとなり、“この後は2F回ってみますか?ハイ、それから屋上ですね”なんて腰からマスターキーの束ジャラジャラぶら下げて歩いてる」という夢を見ちゃいましたよ。

過去、かなーりずっぽり嵌まり込んで“昼夜問わず、気がつけば先の展開を心配している”状態になったドラマでも、登場人物が夢に現れることはまったく無かったんですけどね。そもそも朝、覚醒した後まで(部分的にでも)鮮明に覚えている夢を見ること自体ほとんどないのに。

しかも、夢の進行中も「そうか、亀ちゃんは今度は管理人さんの“相棒”になったわけだ、適任じゃん、いい再就職先が見つかってよかったね」と脳内自己完結、納得している始末。

………んなわけねぇだろうがよっ!!どう考えても役不足だし。

たぶん月河、自分で思っている以上に『相棒』Season7後の亀ちゃんの進路が気になっていたんでしょうな。「卒業後、行き場所探しに難儀しているのならば、いっそうちの管理事務所なんかどうだろうか」「揉め気味になっている管理体制が、亀ちゃん参入で(Season6『新・Wの悲喜劇』で、マンション管理組合の役員をつとめたこともあると台詞にありました)すっきりさわやかに片付くかも」という潜在心理が働いて、こういう夢を生成したと。

…どんだけ大きなお世話を、夢で焼いてるんだと。

本日は午後の再放送枠でSeason1『目撃者』放送、録画視聴を先ほど終了。両親を事故で失い友達もなく担任の女教師(美保純さん)を慕うあまり、彼女を犯そうとした男性教諭をボウガン刺殺する内省的な屈折小学生というショッキングな役どころで『愛讐のロメラ』の少年恭介・染谷将太くんを発見。92年生まれ、こちらは0211月本放送、当時は設定と同じ10歳でした。

円らな瞳、考え深く思い詰める感じは『ロメラ』でも変わっていないし台詞回しなどはさすがにこなれてきていますが、独特の硬質な透明感は02年当時のほうがやっぱりありましたね。小学生ですからね。成人に近づくとともに自動的に失われる、はかない要素が、いちばん満タンな時期。

「ろくでなし(=男性教諭)が殺されて、犯人もろくでなし(=ボウガン遊びで近所の顰蹙を買っていたプータロー青年)」という偽装の組み立ては、周囲の冷たい大人たちの偏狭な、レッテル貼り人間観を見て、孤独な少年が習い学んだものに違いない。女教師に寄せる無垢な思いと、彼女の母性愛で少年が立ち直る可能性を暗示した終わり方もよかったし、何より亀ちゃんが「(14歳未満だから刑法で罰されないと思って甘く見るな)おまえの未来を見せてやる」と拘置所まで連れて行って会わせた、いまは死刑確定待ちとなったおなじみ浅倉(生瀬勝久さん)が、少年に同伴した(学生時代の旧友の)亀山と一度も目を合わせないのに、亀山の“この子に犯罪者のこういう姿を見せて思い知らせ諭したかった”通りの言動を、以心伝心か、して見せてくれていたのが実に味でしたね。あの場面で浅倉が「オレは間違っていた、いまは反省して被害者に詫び冥福を祈っている、キミもそうしなさい、真っ当に生きるって素晴らしいよ」なんて言っちゃったら台無しだった。

少年に仮想犯人に仕立てられかけたプー青年役は、なんと『仮面ライダー響鬼』の轟鬼さん・川口真五さんでしたよ。『響鬼』起用以前は結構、2時間ドラマで女蕩しやドラ息子役も多かったんですよね。本放送中のSeason7では先週(1126日)に賭け将棋の真剣師役で斬鬼さん松田賢二さんもゲスト出演、やはりテレ朝&東映人脈のキャスティングはSeason1から一貫していたようです。特撮ウォッチ歴長い身としてはちょっと嬉しい傾向ですけどね。

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袖振り合うも

2008-12-02 20:27:54 | 朝ドラマ

朝ドラ『だんだん』に関連して、“平凡な容姿の女優さんをモテ美女役にキャスティングしても、演出と演技次第で観客に納得させることはできる”と書いた23日の記事の続きと言うか、ちょっと傍証に入ってみます。

内容(容姿、技量実力、役柄や作品のメジャー性など)がさほどでなくても好感寄りの、かなりの高体温チヤホヤが保証されている物件ジャンルが、いまの日本には幾つかあります。

まずは“二世”。二世タレント、二世俳優、二世代議士・政治家など。“親が誰某である”を主力商品として世に売って出てくる物件ですな。最近は“お祖父(祖母)ちゃんが~”の三世も少なくない。

歌舞伎、古典落語、皇族など、構造そのものが世襲を前提としており“この世界に所属している人は、あらかたこの世界の誰かの子弟”“この世界の人の子弟なら、たいてい同じ世界に入る”業界もあります。

さすがに古典芸能になると、内容の評価に自信があまり持てないので詳述しませんが、“さほどでもないのにチヤホヤ”と言えば、真っ先に思い出すのが、大物歌舞伎俳優の次女で月9などゴールデンのドラマに何度も主演、歌手活動もされ有名作曲家にしてギタリストと結婚、いまもお父上とミュージカルでロングラン共演などご活躍中のあの女優さん。

はっきり申し上げてアバウトなルックスです。ハッと振り向くような正統派美人でもなく、かと言って目鼻立ちがキツめで隣のおネエちゃん的可愛さも薄い。血筋が血筋だけに日本人的プロポーションというか仮分数な体型で、スカウトやオーディションをくぐり抜けてきた若手女優群と比べると、くっきりはっきり“いま風の美形度”“おシャレさ”において見劣っていた。

しかし彼女が厳然と好感度を獲得し話題作の重要な役に次々起用され得たのは、「幸四郎の娘」という実に美味しくわかりやすい解釈の糸口を持っていたからです。

“解釈の糸口”は人が世の中に存在を主張する上で非常に重要です。芸能人知名人ならぬ、一般人が履歴書・お見合いのに書く学歴・出生地・家族構成などは、雇用や結婚のための能力証明の役にはほとんど立たず、専らこのためにあると言ってもいいくらい。人が他人を知り、好感に基づく信頼関係を探るためには、解釈の糸口がどうしても必要で、人は皆、人に会うたび必死に“糸口探し”をして日々を暮らしている。糸口を提示できないのは非常に不利、逆に、わかりやすい糸口を複数多数持っていることは、どんな社会でもきわめて有利です。

この女優さんの場合も、「幸四郎の娘だから(←もはやご本人の名を伏せる意味がなくなりましたが)、あまり適性がなさそうでも役がつくんだね」「何か新人らしからぬ度胸みたいな、初々しくなさが匂うのは、やっぱり幸四郎の娘だからだろうね」等々から始まって、実際にはそんなものが有るかどうか覚束ない“演技力”や“女優根性”、“服やグッズの趣味の良さ”“安いオトコは受けつけない誇り高さ、転じて清潔さ”などの願ってもない好材料まで「幸四郎の娘だから」という糸口の存在によって“有るかのように”皆が拡大解釈、錯覚してくれた。

二世三世は、たとえ演技も歌もトークも何もできなくても、「誰某の息子・娘」として出てきただけで、「お父さんに似てるね」「目元がそっくり」、或いは「お父さんにはあんまり似てないね、お母さん似かな」「あのコワモテお父さんじゃ似なくてよかったね」等と、“似てる似てない”のみでまずひと話題満たしてくれる。“さほどの内容は無いのにチヤホヤ”の動機にはじゅうぶん過ぎるほどです。世の大勢が父母or祖父母を見知ってくれている二世三世でなければ持ち得ない特権です。

二世の話が長くなってしまいましたが、チヤホヤ保証物件の第二は“宝塚出身女優”だと思います。

年に1回、4月下旬頃、『宝塚おとめ』という現役歌劇団全在籍生の、ナチュラルメイクに黒無地着物の顔写真が組別・学年順に掲載されたムックが刊行され、月河も毎年楽しみにしている愛読者ですが、冷静に見れば笑っちゃうくらい芸能人ぽくない、お地味で凡庸な容貌の子・お姉様たち揃いです。

ゴールデンのドラマや劇場映画で次々主役を張っているアノ人、好感度ランキング長年上位のアノ人から、単発ドラマの誰が演ってもいいようなゲストでたまに見かけるアノ人コノ人、聞いたことない会社のやたらOA頻度だけは高いCMで毎日熱弁をふるっているアノ人まで、“宝塚OG”と付いただけで“幼い頃からバレエに音楽のお稽古、毛並みのいいお嬢さま”“女の園で青春を過ごした神秘性”という糸口が自動的に賦与される。

卒業(退団)後も宝塚そのままに演技や立ち居、話し方が芝居がかっていたり、無駄に華のあるような人はかえって稀です。たいていはお地味な容姿、取りたててどうということのない佇まいに“宝塚出身だから”という糸口がまずありきで、そこから「育ちが良さそう」「(厳格な寮生活経験で)礼節をわきまえている」「TVズレしていない」「オトコ汚れしていない」などの、ほとんど“実体が無いかもしれない”好感度要素に延長拡大解釈してくれる。二世三世同様、“さほどでもないのにチヤホヤ”の特権を謳歌しているジャンルと言えます。

そして最後にぜひ挙げたいのがNHK朝ドラヒロイン女優”

人気絶頂時に有名俳優と結婚後、CMやルポ番組でたまにしか顔を見ないアノ人、やはり有名俳優と地味婚後、こちらは二児をなしてもいまだ現役で夫君よりも高い数字実績を誇るアノ人などが典型例。雑誌モデル経験も経ての女優進出だけにスタイルは水準以上ながら、お顔立ちや演技力は正直「はて…?」という段階で次々に大役がつき好感度ランキング急上昇、「同性がお手本にしたいおシャレな女優」の地位を不動にして行った過程は、まさにNHK朝の顔であったればこそ。

最近はあらかじめ有力芸能事務所に所属、すでに子役や脇役経験ありファンもついている若手の抜擢が多く、ズブのシロウトからのシンデレラストーリーはほぼ消滅しましたが、“数千人の応募者から選ばれた”という燦然たる解釈糸口が舞い込むわけです。しかも“選ぶ主体はNHKという花マル付き。“大勢の中で光るもの、埋もれない華がある”“老若男女に好かれる”“ハードスケジュールを苦にしない頑張り屋さんで心身健康”“私生活も堅実で清純な優等生”と、そこに居るだけでどんどん解釈内容が(根拠なく)上昇して行ってくれる。世に二つとない恵まれた“糸口持ち”でしょう。

出発点に戻りますが、現行放送中『だんだん』は、プロデューサー・制作陣の偏愛…と言って悪ければ度を越した肩入れのため“解釈糸口獲得のためのカード”をすでに“切ってしまった”、“切った結果首尾よく得点もした”後の女優さんを、またぞろヒロインに担ぎ上げたための苦戦、と言えるのではないでしょうか。“いつも笑顔”“努力家”“家族思い”“(色恋には)オクテで不器用”もう了解取りつけ済みの条項を、行ったり後戻りしたり迂回したりしつつ、なぞって見せているだけでお話が終始しているような閉塞感が拭えないのです。

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卒業させ方も?

2008-12-01 20:33:44 | 夜ドラマ

『相棒』Seasonの再放送や、現行Season7本放送を視聴するにつれ、自分のこのドラマの楽しみ方、興じ方が0405年放送『特捜戦隊デカレンジャー』でのそれとほとんど相似なことに気がつきました。

ファンサイトや掲示板で「私は第何Seasonの第何話が好き」「浅倉禄郎(生瀬勝久さん)がからむエピソードはみんな好き」「月本幸子(鈴木杏樹さん)のその後が知りたい、また出てほしい」「オレは花ちゃん(原沙知絵さん)にまた一時帰国してほしいな、彼氏未満なヘンな外人連れて来て、右京さん(水谷豊さん)にチェック入れられる話とかカモン」等々の話題が尽きないのも、ノリが似ている。大人向けの実写現代ものドラマ1話完結シリーズで、こういう味読のされ方をしている作品、こんな姿勢こんな視点で味読され得る作品は近年他に無いでしょう。

お子さんとの日曜朝のコミュニケーションタイムとして、或いは大きなお友達として毎年東映戦隊のチェックは欠かさない向き、その中でも「近年作では『デカレン』がいちばんのフェイバリット」という人は、たぶんもれなく『相棒』が好きだと思います。

放送時期としては『デカレン』の042月~052月は、『相棒』では浅倉の生還と永訣があったSeason2終盤、朱雀官房長官(本田博太郎さん)の暗躍や片山雛子代議士(木村佳乃さん)・陣川警部補(原田龍二さん)など重要なセミレギュラーの参入、美和子さん(鈴木砂羽さん)が亀ちゃん(寺脇康文さん)と一時的に別れて鹿手袋(西村雅彦さん)に走るなど以後への重要な布石となるエピソードを含む同3の前半に相当します。

要するに、『相棒』がここからさらに5年続く長寿シリーズに成長する礎の築かれた時期に、『デカレン』も走っていた。

同じ東映&テレビ朝日の製作でもあり、スタッフはかぶっていないにしてもお互いにお互いの放送視聴しながら、どのネタどのキャラがどうということではなく、作り手のソウルとして内面的にインスパイアし合っていたのでは?と思えるぐらい“波長”が近似している。

少なくとも『相棒』の物語世界としての構築に、30年を超える東映スーパー戦隊製作ノウハウがあずかって力あることは間違いない。

カント=ラプラスの星雲説ではありませんが、“『相棒』=戦隊説”、今後の個人的テーマとしたいと思います。

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