林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

ご丁寧

2008-01-20 | 林住期

 

 「暴走老人!」という本にも「丁寧化する社会」という1項があるが、ここ高麗の郷にも「丁寧化の波」が押し寄せている。

道路工事のお父さんたちが矢鱈にご丁寧なのだ。
掘っている穴の脇を通り抜けようとすると、最敬礼され、両手を広げて誘導され、通り過ぎるとまた最敬礼で、どうお礼を申し上げたら宜しいのか、困ってしまう。
またその一方で、そんなに森男は偉そうに見えるのか、それともヨボヨボしているのか、と悩んでしまう。
どうぞ、放っといて下さい。

横断歩道を渡ろうとすると、まだ車道には1mもあるのに、やってきた車は止まってしまう。
そして森男を見て、運転席からどうぞどうぞと手の平でご挨拶をされる。
折角のご好意をないがしろに出来ないので、急ぎ足で歩道を飛び出し、駆け足で対岸に辿り着いたら、縁石に毛躓いて骨折するところだった。
今度は悩む前に、むかっ腹が立つのである。
車の方が速いのだから、どうぞお先に突っ切って下さい。

山道を一人で歩いていると、向こうからやって来た人が、こんにちわ。
..........?と思う。近頃人の名前を思い出せないので、ご町内の方だったかと思い、また暫く悩んでしまう。
大抵の場合、お父さんは知らん顔だが、お母さんがご挨拶をしてくれるのだ。
森男はそんなに素敵だったのかとまた自惚れてしまう。
むっつりしているお父さんは妬いているのだろう。

やってくるのがおじさんだけの場合、どっちが先に挨拶するのかしないのか。
阿吽の呼吸に、必殺の気合。

Oh It's a wonderful world......だね。

▲挿絵は五味太郎先生。



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