瀬戸内寂聴さんが戻って来た。
大病の後なのに「死んでもいい」と安保法制反対のデモに参加し、気炎を上げた。
そこで、昨年9月に角川から出版された
死ぬってどういうことですか?
~今を生きるための9の対論~
のお勧めです。
対論とあるように、瀬戸内寂聴さんとあのホリエモンこと堀江貴文さんの対論集で、いわゆる対談とは少し違う。
出版社から対談集を持ちかけられた時、寂聴さんは迷わずホリエモンを指名し、この本が出来上がった。
9の対論のテーマは原文のまま転記します。
1.死ぬってどういうことですか? いつかは死ぬ。死ぬことを考えたら生きることが見えてくる
2.こだわるな、手ばなせ! もっと認め合い許し合い譲って生きよう
3.子育てってエンタテイメント 少子化問題は政策ではなく流行にして解決
4.特別編1 長生きは歯のケアが基本
5.生きてるだけでなんとかなるよ ろくに努力もしないで、絶望するな!
6.今って不景気? 好景気? 働くこと、辞めること、やり直すこと
7.特別編2 原子力発電をめぐって 「原発、この憂うべきもの」
8.戦争、するの? しないの? もはや戦後ではない。戦前だ!?
9.国家権力に気を付けよう 軍部より恐いもの、それは「検察」
二人の対論は痛快だ。
年齢の差を感じさせず、息はぴったりで、例えば自殺する人に対して、
堀 自殺する人は、生きる努力が足りないんです。
寂 中には死んだほうがいい、と思う人もいるわね。
堀 ダメですよ。お坊さんが言うことじゃないですよ。
第5章ではこんな風に語り合い爆笑もの。死にたい人は死ぬ前に、この本を読んで元気になっていただきたい。
その他の章でも二人は大いに盛り上がり、概ね同じ方向を向いているが、7・8章の原発と戦争に就いてでは、二人は対立している。
不肖・森生は、原発についてはホリエモンの言い分になるほどと納得し、戦争については寂聴さんの肩を持ちたい。
破天荒な二人を嫌う人も多いだろう。
しかし、ホリエモンは悪口雑言にすっかり慣れて平気の由。寂聴さんはネットなんか見ないから、気にならないそうだ。
寂聴さんもホリエモンも、ズバズバと思い切った発言をしているが、言い分は良く分かる。
寂聴さんの言動は度々報道されるけど、ホリエモンはとかく無視される。だがニッポンにとっては貴重な存在である。
ご本人が言うように、マスコミはホリエモンの片言隻句を、悪意を以て報道しないでもらいたいですね
この本を読み、だんだんホリエモンが好きになってきた。
ホリエモンは、祇園が不景気なのはマーケティングに決定的に失敗したため、と言っている。
対談の後、二人はその祇園に繰り出したのだった。
150623
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます