朝日新聞夕刊に「人生の贈り物」という週5回連続囲み記事がある。
先週は田中美津という65歳の女性鍼灸師の聞き語りだった。
この人は社会活動家、女権拡張運動家でもあり、業界では有名な人らしい。
最終回がとても良かったので、田中さんのお言葉をかいつまみ、以下に転記します。
田中美津さん(朝日新聞から)。
◎息子さんが大学に進学し、半年後には家に引き篭るようになった。
息子の顔を見る度に叱責する自分がつくづく嫌になった。
絶望的状況ってなんだろう、と改めて突き詰めて考えたら、
・息子が病気で死ぬ。
・息子が自殺する。
・息子が殺人を犯す。
・息子が誰かに殺される。
の四つだけ。そう思ったら気が楽になった。
息子さんの「生命力の色」を田中さんが好きな茜色に決めた。
不安になる度に、茜色を思い浮かべながら、
「大丈夫。彼の孤独や挫折感は、いつか必ず力になる」
と繰り返し自分に言い聞かせた。5分後に不安になったらまた何度も繰り返す。
すると不安が和らいだ。
◎思春期の子が口を利かなくなると、親の育て方が悪かった、と反省していてはダメ。
普通に接し顔を合わせた時のひと言が大切。
「寒かったねぇ」
「おなかすいたでしょ」
とにかく明るい声で話しかける。
最初は何の反応も無いが、無視されてもいい。
続けているうちに、この家に居場所がある、と感じてくれるようになる。
◎落ち込んだ時に這い上がる方法は、
「明日は生きていないかもしれない」
と思うこと。本来、命とはそういうもの。
そう思うとつんのめってた気持ちが緩んで、
「そうだ、悩むエネルギーを今日楽しめることに使おう」
と思えるようになる。
その日の小さなことでも、嬉しくなる。
生きることも結構いいんじゃないか、と思えてくる。
◎今、65歳だ。あと5年、と思うことにしている。70歳になったらまた、あと5年。
あと5年頑張ればいい、と思うとほっとして背筋が伸びる気がする。
以上は田中美津式イメージトレーニング講座の要点らしい。
われわれ世代なら、充分納得出来ますね。
田中さんの言葉は、昔読んだ世界的な超ロングセラー本「道は開ける」にも書いてあった。
また、聖書の言葉、
「明日のことを思い煩うことなかれ」
にも通じる考えだと思う。
お釈迦さまも同じことを言っていた。
とひろさちやさんは「世間も他人も気にしない」に書いた(ようだ)。
若い人が明日や他人のことを考えないのはちょっと困る。
だが、還暦を過ぎた世代には、役に立つ田中さんのお言葉である。
「道は開ける」は、思い煩っている若い人に是非読んで貰いたい。
「世間も他人も気にしない」はご同輩に。ラクになります。
「道は開ける」は新装判で、40年前はもっとチャチな製本だった。
「世間・・・」は文春文庫の腰巻(所謂オビ)の写しです。
今日のお話はとても心に残りました。
考え方を変えれば、どんな事も克服できますね。
毎日生きているだけでもありがたいことと思います。
ところが少し元気になると 以前のように あれこれ思い悩むことが多いんでした
ま なかなか田中先生のような境地には.......