ハワイから来たベッツィ&クリスと言えば「白い色は恋人の色」。
確かに良い歌だし、好きな歌でもある。
でも、B面の「パピルスの舟に乗って」は、もっと好きな歌だ。
パピルスの舟には 孤独な夢をのせて
どこか遠くに 行ってしまいたい
名も知らぬ国では 名も知らぬ旅人に
誰にも言えなかったことを 打ちあけてみたい
パピルスの舟に乗って
パピルスの舟に乗って
あの人の言葉も 住みなれたこの町も
すべて忘れて 独りになりたい
パピルスの舟には パピルスの帆がひとつ
誰にも知らせないで そっとふるさとを出よう
パピルスの舟に乗って
パピルスの舟に乗って
作詞作曲郷伍郎 編曲 若月明人 歌BETSY&CHRIS
(原詩は船だが、舟の方が似合うので勝手に変えました)
二人の日本語は桑田君や永ちゃんより上手い。声は明るく爽やかである。
美しいメロディと、トロピカルなリズムに乗って、フルートが潰したような音色で絡む。
二人がそれほどの美人じゃなかったのも、良かったねぇ。
この歌を知ってる人はいなかったけれど、勤務先の開店準備の時間に、この歌を流したら、とても評判が良かった。
毎朝の掃除や品出しに忙しい時間帯に、この歌を聞くと浮き浮きして、今日も一日頑張るぞ、という気分になると喜んでくれた。
それまで、BGMは当たり障りの無いムード音楽専門だったが、歌声にはみんな驚いたし、新鮮だったようだ。
35~6年前の森男の先駆的構造改革は成功したのだ。
68-Jトリオの「遠くへ行きたい」も名曲。だが、ちょっともの悲しい。
パピルスの舟は悲しいけれど、明るい。大体、パピルス、という響きが美しい。
二人はアメリカ人だから、随分膨らんでしまって、また歌うかどうかは分からないし、化物はあんまり見たくない。
誰か、若い人たちがリバイバルして欲しいが、そんな女の子は絶滅か。
こんな綺麗な歌を、B面のまま埋もれさせてしまうのは勿体無い。
同じように、家を出る歌がある。小椋佳の「木戸をあけて」です。
これも愛唱歌です。