オォ~ ダーリン~♪ じゃなくてドナ~♪ ときた。
オールディズ調の甘いメロディーのラブ・ソングかと思いきや、曲はそんな単調のものではなく途中から転調しまた誰かをおちょくるようなシニカル歌詞は単なるパロディー・ソングではなくイギリスのロック・バンドらしくプログレッシブな雰囲気が醸し出されていると思う。
ニール・セダカのアルバム制作に関わり高評価を受け、その勢いでバンド結成時の頃シングルのデモ、Waterfallを制作しアップルに送ってみたもののシングルとしてはコマーシャル性に欠けるという低評価であえなく撃沈。
1972年当時アップルはビートルズ解散のゴタゴタ後で資金的にもマネージメント的にも不安定だったため、かってストーンズのマネジャーだったアラン・クレインを引き入れアップルの経営を任せた。その結果不採算部門の廃止や所属アーティストの削減など経営をスリム・ダウンさせる方向に動いたことから、10CCの様な芸風はレーベルの売上増に直ちに貢献する事は無いと判断されたのかな?
アップル設立当時のビートルズの面々が経営に直に絡んでいた頃なら、10CCはアップルから契約を勝ち取り、バッドフィンガーと兄弟バンドになっていたかな?と妄想を膨らます。
結果友人が持つマイナー・レーベル、TKレーベルとサインし1973年セルフ・タイトルのアルバム、10CCでデビューを果たす事となる。