70年代の半ば頃になるとそれまで私の中では天下をとっていたハード・ロックやプログレ・ロックに以前より引かれるものがあまり感じられなくなった。ちょうどその頃このアルバムが登場。
それがジム・ホールの1975年のアルバム、Concierto。
自身で買ったのではなく、当時私の兄弟が友人から借りてきたレコードを聴かせてもらったのだ。
ジム・ホールのリーダー・アルバムとしてCTIレーベルから出たアルバムで、レコードのサイドー2にアランフェス協奏曲が1曲収められてあった。
それまでジャズなど見向きもしないでハード・プログレ一辺倒で聴いてきた自分にとってはこんな世界もあったのかと結構新鮮に感じた。
これを機にジョージ・ベンソンやデオダートあたりのフュージョン系も聴いていくきっかけになった記念すべきアルバムだったといえる。
またそれ迄全く知らなかったポール・デズモンド、チェット・ベイカー、ロン・カーターにスティーブ・ガッドらバックを固める著名ミュージシャンによる出しゃばらないジェントルな演奏に心地よさを感じたものだ。