風、緩やかに吹いて

風、今日は東風、
暑さをスクランブルさせてくれた分、
少し和らぐ

風、
あれほど吹いていた風が、陽の高まりと共に止まっていった。
暑さとセミは相変わらず、そのセミが私をあざ笑うように樹木の中で激しく鳴いて、
私のテリトリから早く退散しろ、そう言わんばかりに私を追い立てるセミ、
暑さはその私を後ろからタッチするように迫ってくる。

風は朝の暑さを和らげるようにうねっていたのに、
陽の高まりが風を阻止するように立ちはだかって、風を止めている。
言葉

彼らの言葉は囁き
甘く蕩ける素敵な言葉となって
聞こえるけれど
満たされ
生きる糧にはならない

まやかし
一時しのぎ
避難
そこまでは言わないが
その言葉はむなしい　

言葉
その大切はわかるけれど
彼らが説く言葉は代弁であって
自らの言葉でない。