雨と新緑

雨。
昼頃から曇ってきて強い風が、明日の雨を予告していた。
空も風も、明るい灰色から深みのあるグレイに・・・
浅い眠りから目覚めると、薄汚れた窓にかかるカーテン越しに灯りがこぼれている。
いつもと違って光は弱く、いつもなら枕元まで差し込むのに、
灯りが伸びていない。
窓から外を見る。
案の定、水に墨を溶かした空から雨が落ちている。
降る・・・
いや
落ちる感じ、
手を差し出すと痛みが走る。

新緑

雨のなかの新緑
綺麗
濡れる裸体から
滴り落ちる美しさ
この一枚
悩ましいくらいの瑞々しい姿
鮮やかにしてこの多色
微妙な変化
透明から不透明に彩色される一枚
雨降る
この時期のアート
この色
私に描けない素直
裁量と采配
個性のレイアウト
一体誰が
この一枚を描けて
この背景に合わせられる。

森のポストに投函され、この季節に届く一枚の絵葉書。
雨で染め、森の薫りをつけ、小さな花びらの切手を貼って届いてくる。
もう
それだけで十分、手にとって見つめるだけで、
森の様子が分かる、感じる。
雨に濡れるのを忘れて読んでいると、
ああ・・今頃の雨って、
少し冷たいな・・・そう思う雨の朝。
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