一足早く

空が濃い青色になって、このキバナのオレンジが際立つ、
今日この頃、日中は未だに暑い。

キバナコスモス
コスモスより一足早く咲くキバナコスモス、
コスモスのファジーな花色と違い、濃い不透明水彩で描かれた花は、
コスモスほど話題性がなく、いつも晩夏の片隅に追いやられ、秋濃い今となっても、
花に遊び、立ち止ってみる人は少ない。
それは印象の薄い幼い恋心、その野性味溢れる無骨さゆえ余り気に留められない街のキバナコスモス、
花は、私同じコスモスなのに・・・いつも後に咲くコスモスに負けてしまう、
バカ・・そう言って風を叩いている。
キバナコスモス

夏から初秋にかけて
野生美溢れる花が咲くキバナコスモス

花色のオレンジ
・・・
春先に咲く蒲公英を二人で摘みながら
花と戯れた
淡い定着のない恋心

花の香り
・・・
匂い
惑わせることなく微弱
花びらに口づけするようにして拾う
薄味の香り

いま
秋の濃い青に映えて
風に遊ばれてゆれる少女の恋心

一束のキバナコスモス。