
今日の空の目覚め、機嫌悪く最悪。
太陽が布団から抜け出そうと顔を擡げても、迷いこんだ雪雲が直に待ったをかけ、
「駄目・・」そう言って太陽を雲と風で抑えている。
空の暗雲からこぼれる天使の涙、風のなかで舞ながらヒラ・・と落ちて来る。
私が素手の手のひらで受けると、哀しそうな目で私を見つめ、
灯のような私の温もりで、哀しそうに融けていく初雪。
初めての出会い今年最後の一期一会、待ちわびたように北から飛んで来て、
止まり木を見付け嬉しかったのか、私が手のヒラを差し出すと、
直に止まって「ね!綺麗でしょう、冷たいでしょう」
そんな表情をみせた一片の初雪
雪の朝。
暗いな・・・重いな・・・
そんな表情をみせる朝が目覚める
この暗さ・・・重さ・・・
空から感じるこの威圧感
全て雪雲のせい
目覚め前に降ったのか
初雪がうっすらと屋根に生きている
朽葉に残る雪に触れると冷たく
落ちて間もない感じがする
初雪か・・・
そう言いながら手でかき集め
小さな塊にして頬に当てる
冷たい
この感触こそ雪そのもの
朽葉に積もる
表面の雪を集め軽く握る
キュ・・・小さな悲鳴をあげて
私の微かな温もりのなかで儚い旅を終える一片の塊
幼子の雪は初心で冷たさも軟らかく
直ぐに融けて手のひらから一滴となってこぼれる
悲しい・・・
街に迷い込んだ初雪だから直ぐに消えてしまう
生きているのは私が目覚める数時間前
会って直にさよならしてしまう
もう少し・・
そう思うけど
雪は静かに日の出と供に旅たつ。

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