笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

「風のガーデン」も残りすこし

2008年12月14日 01時53分59秒 | テレビ
私はテレビドラマの類はほとんど観ないのですが、緒形拳さんの遺作、ということもありこの作品は毎週欠かさず観ています。実は倉本聡作品というのをしっかり観たのも今回が初めてでした。「北の国から」も観たことがないのです。

ガンに侵され余命僅かの主人公が、生まれ故郷の富良野に戻り、無くしたと思っていた家族とのつながりを取り戻していく、といった内容で、この主人公を中井貴一さん、その父親役が緒形さんです。
ファンの方には申し訳ないのですが、私は中井貴一という役者さんが少し苦手なのです。。。決して明るくはない、目に表情のほとんど感じられない俳優さん。「暗い、あまりにも暗すぎる」。それが私の持つ中井さんの印象なのです。(実物のご本人は違うのでしょうけれど(^^;))だから正直観るのを少々ためらう気持ちもあったのですね。
ところが、今の私は「この主人公には中井貴一以外は考えられない!」と思っているのです。
心に常に罪悪感を持ち、決して心から明るく笑うことのできない、真面目で滑稽で悲しみに溢れた男。この作品は中井さんの代表作になるかも知れません。そのくらい彼が良いのです。

この作品には「正義の味方」も「聖人」もいません。誰もが心に、過去になんらかの「悔い」を持ち、折り合いをつけながら生きています。そんな中、余命いくばくもない主人公の為に、みんなが自分に出来る精一杯の「善意」持ち寄ろうとするのです。
それが浅はかで滑稽で罪深いことだと、全員が知っていて、でもそれが「最善の方法」なのだと信じるしかないのですね。

人間って哀しくて優しい 

そんな人々が愛おしくなるような、大人のおとぎ話、なのかも知れません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする