大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『世界に一つのプレイブック』

2013-02-22 21:08:00 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『世界に一つのプレイブック』
    

 この映画評は、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです


 こんの映画! 惚れちゃいました きゃ~~!

 原作は同名の小説、未読なので とりあえず脚本をベタベタに誉めます。こんな本を書ける奴は狂ってます。信じらんねぇ!
 監督も役者も……みんな最高だよ クソッタレ! 主人公パットは暴行で捕まり(語るも涙の理由有り) 司法取引で精神病院入り、8ヵ月で退院 母ちゃんが迎えに来ている。同じく患者だったダニーを同乗させてやると これが脱走だった。ダニーを返して 家に帰ると、オヤジは「聞いていない」と一悶着。
 確かに躁鬱のキツい症状ながら、タイミングが悪いってのが拍車をかけている。よくよく見てみるとオヤジは何かにつけて縁起を担ぐが……こりゃあ強迫神経症じゃない? おっ母ぁだって異様にビクついた表情してるし、昔ながらの変わりの無さで迎えてくれた近所の友人ロニーもストレスでノイローゼ気味……正常な奴など一人もいない。  
 あまりにもTPOをわきまえないので まぁ確かにちょっとオカシイんだけど……日本人の感覚からすれば 自分の主張をガンガン押してくる外人は 皆さん同じように思える。私の知り合いのアメリカ人がええ例で、今時珍しい「アメリカの正義」信奉者! 飲み会に来るたび「アメリカの正義」を振り回し 周りの日本人にボコボコにされる(本人曰わく、これが快感らしい……「変態やんけ」と指摘すると、いつもニンマリ笑いよる) まぁ、人の事は言えませんわ、私だって 人様の目からすれば ほんの些細な事で切れる事があるし、何故か 異様に並んで待たされるのが大嫌い。
 人間なんてな 他人の目からすれば どこかオカシイ部分を持っている。個性とか言うんじゃなくって、はっきり“狂気”を内包しているとは確信しています。
 こんなクイズをご存知でしょうか「止まっている時計と 1日1分だけ遅れる時計とでは どちらが正確な時計でしょうか」……答えは「止まっている時計→最低1日2回は正確な時間を指すから」
とはいえ止まった時計より1日1分だけ遅れる時計の方が使い道があるのは当たり前。
 要は使い方(自覚・抑制って事ってす)な訳です。
 なんでこんな事を持ち出すかってぇと、ロニーのカミサンの妹 ティファニーってのが登場します、彼女も夫を事故で亡くしてから少々ネジがブッ飛んでいる(元々エキセントリックな性格らしい) 躁鬱のパットと情緒不安定のティファニーの掛け合いがメチャ可笑しい。 双方勝手に自分の意見を主張しあうが、大きく食い違っている話が回転する間に“カチッと嵌る”時がある、それがまた絶妙のタイミングで嵌るから見ていてたまらん可笑しさを出している。この空気は 段々周囲に影響しだし、言うなれば バラバラな軌道で回っている惑星が あるタイミングで直列に並ぶような現象が起こる。思わず大笑いして……ハッと気付くと映画館中が笑っていたので一安心(時々一人だけ高笑いになるもんで)
 人間が正常である事ってのはどういう事なのかについては映画のラストが見事に語っているので言わぬが華、ご自分で確認して下さいませ。
 さて、キャストに触れておくとして、まずブラッドリー・クーパー(パット)とジェニファー・ローレンス(ティファニー)はベストカップル。監督は1シーンに数台のカメラを配して 表情を撮り落とさないようにしたらしいが感情(表情)の緩急が二人共見事に出ている。ロバート・デ・ニーロ(パパ)について、今更何も言う事はないが、今回 中肉中背の老人、その肉体コントロールには絶句する。とにかくトコトン超絶リアルとだけ申し上げておきます。ジャッキー・ウィーバー(ママ)の 周囲の状況でクルクル変わる表情も見事です。アカデミーの主演・助演4賞総てにノミネートされているのも大納得。 他ではダニー役の ちょっと太目のクリス・タッカーやクリフ医師アヌバム・カーなんてな人達も捨て難い。
 さぁ、ここで大問題!! アカデミーの発表が25日に迫っているのに、もう一方の雄“リンカーン”を見られないのが悩みの種、全く違うテーマの作品故、「0dark30」、「レ・ミッズ」と並べてどう判断するべきか 全く解らない。 これで 3月半ばには今年のアカデミーの総評を出せってんですから……無茶言わんとってくれってんです。
 ところで、パットが「武器よさらば」を読んでいて 「ヘミングウェイってのはとんでもない馬鹿作家だ!」と怒り心頭、ここも大笑い……タイミングもあるんですが、私もかつて全く同じように怒りましたもんでね……ん? て事は……やっぱり私もオカシイの?…〓


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