大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『横道世之介』

2013-02-24 07:09:35 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『横道世之介』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に仲間内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです


何なんでしょうねぇ~ この~ なんちゅうか「おったおった感」てのか 「有った有った感は……。

 ずっと微笑みながら見ていました。原作から受ける感覚とは違ってましたが…… 映画は原作をほぼトレースしています。世之介の母は 読んでいる時から余貴美子さんで、この人は問題無し……祥子ちゃんの吉高はちょっと違ったけど、彼女の“クルクル回る感じ”はぴったりでした。千春さんはイメージからすると もっとゴージャスなんですけど、伊藤歩も良かったぁ。 大体が、世之介が高良健吾じゃなかったんだけど、スクリーンの中での一年間 世之介は少しずつ、しかし 確実に成長していました。
 
 この物語は、世之介の大学一年生の一年間だけを描き、世之介の友人達が10数年後 ふっと世之介を思い出すエピソードがはさまれる。世之介はある事をきっかけにカメラマンになったらしい。そして ある事故で若くして亡くなる。書いてあるのはこれだけ。
 しかし、読者の胸の中には まだまだ何じゃかんじゃあった大学の後半やら、カメラマンに成ってからの奮闘やら……世之介がどんな人間に成っていったかがイメージとして刻まれている……ところが、映画の世之介が その後どうなったかについてイメージを結べない。思うに本作は監督/沖田修一の「横道世之介」なんだって事なんでしょうねぇ……その意味で、原作未読なら 先に映画を見る事をお薦めいたします。
 解っていただけると思いますが、決して映画をけなしている訳ではありません。むしろ良く出来た青春映画だと思います。ただ、私は原作を“青春小説”とは読まなかったので、ここにイメージのズレが出ているのだと思います。
 映画は映画で良く出来ているのだけれど原作から受けるイメージとはズレているという経験がたまにあります。同じ本に接して、そこに監督は私とは違う物を見たんですね…考えるまでもなく そんなのは当たり前なんですが、本作はそれだけでもないように見えました。
 監督は、役者がセリフを終えても あえて「カット!」と言わなかったそうで、当然カメラは回っていますから役者は芝居を続けざるを得ず、延々アドリブで演じたそうです。編集後 アドリブ部分の多くが残されたとの事。これが この映画に不思議なテイストを添えています。
 作品世界は 私からすれば一世代半後の大学生、まだまだ懐かしく共感も持てるのですが、今現在40代の観客にはまた違った感慨があるんじゃないかと思います。気持ちがホッコリとして 世界を抱きしめたくなる感覚は生きています。
 これを疲れた目で読んでいる人、なんだか面白くなくってくさっている方。見に行って癒やされて下さいませ。〓


『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』        

 青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説! 

お申込は、最寄書店などでお取り寄せいただくか、下記の出版社に直接ご連絡いただくのが、一番早いようです。ネット通販ではプレミア価格の中古しか出回っていません。青雲に直接ご注文頂ければ下記の定価でお求めいただけます。

青雲書房直接お申し込みは、定価本体1200円+税=1260円。送料無料。
送金は着荷後、同封の〒振替え用紙をご利用ください。

大橋むつお戯曲集『わたし 今日から魔女!?』
 高校演劇に適した少人数戯曲集です。神奈川など関東の高校で人気があります。
 60分劇5編入り 定価1365円(本体1300円+税)送料無料。

お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。

青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする