銀河太平記・278
テムジーン!
ゴヘーーイ!
ビックリしたのよしゃ!
いきなり孫大人(東鈴につられて「ゴヘイ」と言いそうになるんだけど、テルだって最低の礼儀は心得てるのよさ)が叫んだかと思うと、どこにいるんだか「ゴヘーーイ!」と応える声がして、二秒ほど遅れて、テントの向こうから豆粒くらいなのが駆けてきて、草原の真ん中でガシっと抱き合って、互いに相手の背中をバシバシ叩くのよしゃ!
なんか、久々に会った親友同士って感じで、子どもじみてるけど、まあ、微笑ましい……けど、ちょっとひいてしまうかもなのよしゃ。
「アハハ、あれ、あの二人のルーチンだから(^_^;)」
何十年ぶりに逢ったのかと思ったら、二か月も経ってないらしいのよしゃ。
あ、ちょっと説明しゅりゅのよしゃ。
筋斗雲が着陸態勢に入ると、後ろのカーゴの口が開いて孫大人が転がり出て来たのよしゃ。
マヌエリトが掴まえてくれたんで、大惨事にはならなくて済んだんだけど「明け方、テムジンに持っていくお土産のお酒が気になって筋斗雲のカーゴを見に行って――ちょっと味を確かめよう――って飲んだら、そのままカーゴの中で寝てしまったアルよ(^_^;)」ということなのよしゃ。
東鈴にさんざん怒られたんだけど、ま、マヌエリトもブッキラボーだし、ま、いいかってことなのよしゃ。
「このスケコマシ! 今度は三人も女連れて……ん、幼女趣味はいかんぞ!」
ん、今のはテルのこと見て言ったのよさ!
「なに言うか、こう見えても火星で三本の指に入ろうかという大科学者アルよ、平賀照いうアルよ! 連絡しておいたアルよ!」
大人はわざわざテルの公式プロフをホログラム出して説明しゅるのよしゃ。
「おお、これはお見逸れした。ここの部族長をしておるテムジンですじゃ。お見知りおきを、いや、遠目にはこちらかと」
「ああ、こちらも偉いアル。西之島の氷室カンパニーのメグミ博士アルよ」
「おお、島の技術レベルを一人で上げているという博士だな。よろしくメグミ博士」
「こちらこそ、博士は付けずにメグミでけっこうです」
「それから、後ろにいるのが西之島三勇士の一人、ナバホ村村長のマヌエリトアル」
「マヌエリトだ」
「おお、これがンナバホ族酋長の末裔か!」
「汝、チンギスハンの末裔か?」
「そうだ、いまでもテムジンの名を引き継いでいる」
「マヌエリトも先祖から引き継いだ名前」
「勇士マヌエリト!」
「勇士いらない、マヌエリトでいい」
「そうか、それでは、こちらもテムジンでいい。そうだ、東鈴はこちらの様子も分かっているだろうから、ゲルの中で酒盛りの用意を手伝ってくれるか、娘や息子たちの嫁もいるから、おしゃべりしながらやってくれ」
「お、それは楽しみ、行って来るね悟兵!」
「ああ、役に立ってくるヨロシ」
「青銅の騎士は状態のいいのを一体持ってきてある。酒盛りの用意ができるまで見ているといい」
「あ、ありがとうございますなのよしゃ(^▽^)!」
「素人目にも何種類かあるようだ。そっちはあとで手配する。悟兵、俺たちはいっしょに馬を走らせよう!」
「おおアル!」「うむ」
長身のマヌエリトがノシノシ、オッサン二人はチョコマカと駆け足、すぐに競うように全力疾走して牧場に突撃。適当な馬に跨って駆けて行ったのよしゃ(^_^)。
360度の地平線、その果てまで緑の草原、空にはゆったりと白い雲が流れて……西之島の海も良かったけどしゃ。
これだけの酸素と水蒸気と緑に恵まれた地球。
火星人には、ちょっと眩ししゅぎるのよしゃ。
「テル博士」
「あ、ごめん(^_^;)」
メグミの声で我に返って、さっそく青銅の騎士を見に行ったのよしゃ!
☆彡主な登場人物
大石 一 (おおいし いち) 扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑科学研究所博士
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥(児玉隆三) 地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人) 児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー
テムジン モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人
森ノ宮茂仁親王 心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン) 銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁) 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト) 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平 西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん) 今上陛下の妹宮の娘
劉 宏 漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華 漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉 胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく) 輸送船の船長 大統領府参与
朱 元尚 大佐 ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった
※ 重要事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信 修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島 硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱 23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社 シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス 月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院 扶桑城啓林の奥にある祖廟
大石 一 (おおいし いち) 扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑科学研究所博士
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥(児玉隆三) 地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人) 児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー
テムジン モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人
森ノ宮茂仁親王 心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン) 銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁) 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト) 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平 西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん) 今上陛下の妹宮の娘
劉 宏 漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華 漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉 胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく) 輸送船の船長 大統領府参与
朱 元尚 大佐 ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった
※ 重要事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信 修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島 硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱 23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社 シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス 月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院 扶桑城啓林の奥にある祖廟