タキさんの押しつけ映画評
『怪盗グルーのミニオン危機一発』
これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に、身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。
もっとミニオンだらけのスピンオフ的作品かと思いきや、前作と同じく、グルーと三人の子供達が家庭を作れるかがメインテーマ。
ミニオンのスピンオフは来年公開されるとか! そこでグルーは、子ども達の為に悪党をやめ、まっとうな事業家を目指す。三人の子供を見る目は父親そのもの……いや、べつに文句はないけど、やはりグルーは悪党が似合っている。カイル(グルーの正体不明のペット)が前庭で小便をしかけた時、さっと持ち上げて隣家の庭に降ろす。この時の表情こそがグルーの正体に他ならない。並んで待つのが嫌いで、人の遊びを邪魔する子悪党じみたオッサンが、月を盗むなんてな悪事を企む、それを多くのミニオン(“手下”っちゅう意味です)達がサポートする。こいつら間抜けなのに、何をやらせてもかなりな精度でやりとげる。 だから、メインテーマに添って グルーの悪巧みがないと締まらない。
ところが、本作は第一作以上のヒット、並み居るピクサー作品を凌駕してしまった。これは日本人には少々分かり難い、ましてや吹き替えを見ていると尚更解らない。その原動力は“クロスカルチャー”にある。製作陣の顔ぶれだけでもアメリカとフランスのカップリングだし、BBCのモンティパイソンのテイスト、ルーシーの車が潜水艦に変化するシーンは007のロータスエスプリそのものだし、日本のカルチャーともコラボ、アメリカ国内で日々増え続けるヒスパニックにも目を配ってある。ミニオンの喋る言葉(こいつばかりは原音のまま)もデタラメながら前作よりもヴァラエティに富んでいる。鶴瓶のグルーにも慣れたし、芦田愛美のアグネスは絶品なのだけど……やっぱり字幕スーパーの原音版でなければ伝わらない物がある。一日一回でいいから原音版を上映してくれい!
今作、映像的にも格段の進歩があり、ムービーアトラクションの意味合いが上がっている。初めて3Dを見ても良いんじゃないかという気になった……とは言え、そうなるとグルーとルーシーの恋愛部分(結構多い)では効果が出ないし、だからやっぱりグルーはとんでもない悪事を企んでいる方が良いのであります。
ストーリー構成のリアルさに鑑み、どうしても説明口調に成らざる得ない必要が有る。その部分が多少中弛みを生んでいるのも否めない。そうなると笑いのサイクルが断ち切られて大爆笑につながらなくなる。
まぁ、神経細やかに丁寧に作り上げられているのは確かなので大人の鑑賞にも充分耐える、大爆笑は来年のスピンオフに期待するとしましょう。
しかし、今頃、ピクサーの製作陣は戦々恐々としてるんでしょうねぇ。数週間前公開のモンスターズUNVは大成功ながら、もし本作と同時公開していたらピクサー始まって以来、初めて公開第一週二位スタートになっているところ。日本公開は来月ですが“カーズ”の飛行機版“プレーンズ”が思わぬ大苦戦、来年のミニオンスピンオフの後塵を拝する事態に成ったりしたら株価はおちるわ、資金は集まらんわで、それこそ危機一発っつなもんです。
さて、ピクサーの起死回生はあるのか?
そうそう、グルーの吹き替え版には日本語文字は登場しませんでした。これは慧眼であります。だから、余計に、字幕スーパーを見せてくれい~~!!!
『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』
青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説!
ラノベとして読んでアハハと笑い、ホロリと泣いて、気が付けば演劇部のマネジメントが身に付く! 著者、大橋むつおの高校演劇45年の経験からうまれた、分類不可能な新型小説、高校演劇入門書!
お申込は、最寄書店などでお取り寄せいただくか、下記の出版社に直接ご連絡いただくのが、一番早いようです。ネット通販ではアマゾンや楽天があります。青雲に直接ご注文頂ければ下記の定価でお求めいただけます。
青雲書房直接お申し込みは、定価本体1200円+税=1260円。送料無料。
送金は着荷後、同封の〒振替え用紙をご利用ください。
大橋むつお戯曲集『わたし 今日から魔女!?』
高校演劇に適した少人数戯曲集です。神奈川など関東の高校で人気があります。
60分劇5編入り 定価1365円(本体1300円+税)送料無料。
お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。
青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351
大橋むつお戯曲集『自由の翼』戯曲5本入り 1050円(税込み)
門土社 横浜市南区宮元町3-44 ℡045-714-1471
『怪盗グルーのミニオン危機一発』
これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に、身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。
もっとミニオンだらけのスピンオフ的作品かと思いきや、前作と同じく、グルーと三人の子供達が家庭を作れるかがメインテーマ。
ミニオンのスピンオフは来年公開されるとか! そこでグルーは、子ども達の為に悪党をやめ、まっとうな事業家を目指す。三人の子供を見る目は父親そのもの……いや、べつに文句はないけど、やはりグルーは悪党が似合っている。カイル(グルーの正体不明のペット)が前庭で小便をしかけた時、さっと持ち上げて隣家の庭に降ろす。この時の表情こそがグルーの正体に他ならない。並んで待つのが嫌いで、人の遊びを邪魔する子悪党じみたオッサンが、月を盗むなんてな悪事を企む、それを多くのミニオン(“手下”っちゅう意味です)達がサポートする。こいつら間抜けなのに、何をやらせてもかなりな精度でやりとげる。 だから、メインテーマに添って グルーの悪巧みがないと締まらない。
ところが、本作は第一作以上のヒット、並み居るピクサー作品を凌駕してしまった。これは日本人には少々分かり難い、ましてや吹き替えを見ていると尚更解らない。その原動力は“クロスカルチャー”にある。製作陣の顔ぶれだけでもアメリカとフランスのカップリングだし、BBCのモンティパイソンのテイスト、ルーシーの車が潜水艦に変化するシーンは007のロータスエスプリそのものだし、日本のカルチャーともコラボ、アメリカ国内で日々増え続けるヒスパニックにも目を配ってある。ミニオンの喋る言葉(こいつばかりは原音のまま)もデタラメながら前作よりもヴァラエティに富んでいる。鶴瓶のグルーにも慣れたし、芦田愛美のアグネスは絶品なのだけど……やっぱり字幕スーパーの原音版でなければ伝わらない物がある。一日一回でいいから原音版を上映してくれい!
今作、映像的にも格段の進歩があり、ムービーアトラクションの意味合いが上がっている。初めて3Dを見ても良いんじゃないかという気になった……とは言え、そうなるとグルーとルーシーの恋愛部分(結構多い)では効果が出ないし、だからやっぱりグルーはとんでもない悪事を企んでいる方が良いのであります。
ストーリー構成のリアルさに鑑み、どうしても説明口調に成らざる得ない必要が有る。その部分が多少中弛みを生んでいるのも否めない。そうなると笑いのサイクルが断ち切られて大爆笑につながらなくなる。
まぁ、神経細やかに丁寧に作り上げられているのは確かなので大人の鑑賞にも充分耐える、大爆笑は来年のスピンオフに期待するとしましょう。
しかし、今頃、ピクサーの製作陣は戦々恐々としてるんでしょうねぇ。数週間前公開のモンスターズUNVは大成功ながら、もし本作と同時公開していたらピクサー始まって以来、初めて公開第一週二位スタートになっているところ。日本公開は来月ですが“カーズ”の飛行機版“プレーンズ”が思わぬ大苦戦、来年のミニオンスピンオフの後塵を拝する事態に成ったりしたら株価はおちるわ、資金は集まらんわで、それこそ危機一発っつなもんです。
さて、ピクサーの起死回生はあるのか?
そうそう、グルーの吹き替え版には日本語文字は登場しませんでした。これは慧眼であります。だから、余計に、字幕スーパーを見せてくれい~~!!!
『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』
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大橋むつお戯曲集『わたし 今日から魔女!?』
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大橋むつお戯曲集『自由の翼』戯曲5本入り 1050円(税込み)
門土社 横浜市南区宮元町3-44 ℡045-714-1471