KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★“とん…とんっ”というリズムに乗せて

2005年11月01日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【お抹茶と相生まんじゅう】

昨日は朝から夕方まで東神奈川の結花里さん宅で
12月1日から始まる横浜山手の
クリスマスディスプレイ打ち合わせ、第1回目。

それぞれの担当を決めたり、統一イメージとなる
デザインを出しあってミーティングを行った。
全国の本屋さんでも販売している「月刊フローリスト」
という花業界ではメジャーな雑誌に掲載されることが
すでに決まっているそうだから、なおのこと、気合いが入る。
ありきたりなデザインにはしたくないが、
イギリス館をデコレーションするのだから、伝統的な
イングリッシュスタイルをくずすわけにはいかない。
でも、きらっと光る個性をさりげなく織り交ぜて
いかなくては、誰がデザインしても同じになっては
つまらない。

メンバーはマミフラワーの本部講師の先生仲間で6名。
年齢で言うと私が一番若輩者ではあるが、それでも
花と関わり始めてかれこれ20年。
メンバーは私よりももう少しだけ先輩達なので、
年数で考えるともうみんなベテランの域に達する年月を
花とともに過ごしている。


ご一緒に、と今回声をかけてくださったのは
花だけでなくガーデンデザイナーとしても
活躍中のMIYAさん。夢のようなステキなお庭は、
しばしば雑誌にも取り上げられるほど、
丹精込めて手入れをされている。行き届いた
手入れを感じさせないナチュラルガーデンである。

「5月はね、仕事をぜんぶOFFにしたいぐらい花の手入れが
忙しいのよ。」とやさしい笑顔で微笑む。
数年前、お宅に伺った時にはお庭のテラスで
おいしい手料理をごちそうになり、帰りがけには
庭の花をちょこちょっと集めて
「はい、5月の香りのブーケよ!」と
おみやげに束ねてくれた。
オールドローズの甘い香りとハ―ブのさわやかな
香りに、幸せ気分をいただいて帰った記憶が甦る。


MIYAさんは小柄で華奢な、本当にキュートな女性で
昔から大好きなお花の先輩。

そんな彼女から昨日、ステキな話を伺った。

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「紅白のおまんじゅうをいただいたので、持ってきたわ。
「相生(あいおい)まんじゅう」っていうの。説明書きにはね、
「相老」って書いてあってね、共に老いていくという
縁起のいいおまんじゅうなの。」とMIYAさんが言うと
結花里さんは、「せっかくだからお抹茶を点てましょう。」
と言ってお茶道具を出してくれた。

じゃあ私が久しぶりに点てるわね、とMIYAさんは
やわらかな手つきでみんなのお茶を点ててくれた。

しばらく行ってないな、お茶のお教室。
先生がそれはそれは素敵な方でね、薫ちゃんが
みたら絶対に何かわかるわよ。普通の人じゃないの。
ご高齢で去年、お教室は閉めてしまって残念だわ。

…なんて表現したらいいのかなぁ。

バタバタっと家を出て、お教室に向かうでしょ。
息を切らして到着するとね、先生が
「ようこそおいでくださいました。」とゆったりした
口調で出迎えてくれるの。そうするとね、
そこから時間の流れが急に変わるの。

まるでね、“とん…、とんっ…”ていう
リズムのような時間。

お茶は、みんなにお手前を見られている時は
とても緊張するんだけど、でも時の流れがゆっくりなの。
お茶を味わったり、お作法を習いに行くっていうより、
あの時間を感じるために行っていたのかも。

去年、私が手術をするために入院した時に、
手術台に向かうときにはいつも
あのリズムを思い出していたの。

怖くなったり、ドキドキしたら
ふーっと呼吸をして、そして心の中で
“とん…、とんっ…”ってイメージするの。
そうすると、快い緊張感とともにとても落ち着くのよ。

…彼女が辛い治療と手術を乗り越えたことを
知っていただけに、その話は、私の心にとても響いた。
精神的にも、身体的にも本当に大変だったのに、
いつもいつもキュートなのである。
彼女は“真の優しさ”と“真の強さ”を装備している。

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そしてMIYAさんはお茶の準備をしながら、
「「相生まんじゅう」は自分で持ってきて
なんだけど、縁起がいいから1個だけ家に持って帰って
いいかしら?うちの主人が食べたいって言うの。
だって私たち共に老いたいんだもの。」
と、いつものやわらかな笑顔でクスッと笑う横顔が
本当にチャーミングだった。

これから始まるクリスマスディスプレイに向けて、
静かな、でも本気の気合いが入る彼女を中心に
新たなチャレンジがスタートする。














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