【天使の森ミュージアムのカフェラテ】
ある銀行関連のリサーチ&コンサルティング会社発行の
経営情報紙にファインの社長でもある母が掲載された。
「“女性”が会社を元気にする」という特集で、
女性社長ばかりをクローズアップしてあり、
「月島倉庫」や正月飾りの「飾一」さんなど、
そうそうたる顔ぶれの中での登場である。
『これからの時代に必要なのは、“女性的感性”を
ビジネスに巧みに生かすこと』というサブタイトルで
女性経営者ならではの視点での会社経営の極意?を
見開き2ページという誌面で、商品と共に紹介して
いただいたのだ。
銀行系列の会報なので、もちろんお堅い内容ではあるが、
その中で爆笑するような記事があった。
『現代キーワード辞典』とあるそのコラムには、最近
よく使われる言葉の解説が4つあるのだが、
最後のひとつに『おかんアート』という言葉の意味が
解釈してある。
家庭の主婦による、クォリティは高いけれど、
テキストどおりではなく自分なりのセンスを
取り入れた“実用性の低い手芸作品”をさすのだという。
たとえば、人形や壁掛け、造花、置物などで
具体的な作品パターンは存在しない。
手編みのセーターのように、実際につかえる品は除外され、
「結構うまい、絶対いらない」がキーワードになっているのだとか。
でもその不毛とも思える作品へのネーミングは、実は
同時に母への愛を込めてそう呼ぶそうなのである。
そして、「また類似したものに…」と文章は続いていて、
『おかんメール』なるものもあるという。
不慣れなためにおかしな文字変換をしたままだったり、
短文すぎてまるで果たし状だったりする親からの
メールを笑うものなのだそうだ。
**********************
我が母からの携帯メールもまさにその通り!
60才を過ぎてから始めたパソコンは、何度となく
妹のNaokoに使い方を尋ね、毎回初めて聞いたような
リアクションをする。「それ前にも教えたよ!」と
言われてはムっとしてみたり、
「あ~!その添付ファイルつきの、送り主が誰かわからないのは
ウィルスメールだからクリックしちゃダメぇ!」と
Naokoがあわてて血相を変えて叫んでも、
「あら?大事な仕事の話かもしれないじゃないの?」と
シャラっと切り返される。
「…だから、知らない人からのはダメなんだってば…。」と
だんだんとため息まじりに小声になって、力が抜けてくる。
それでも、本人の使いこなしたい前向きな姿勢と
忍耐強く教えた甲斐あって、今では出張の際のホテルは
ネットで予約しているし、「駅から時刻表」などを使って
交通手段と出発、到着時刻をきっちり押さえるほどの腕前だ。
でも携帯メールだけは、いつになっても笑えるのだ。
“題名”のところにいきなり本文を打ち始めるので、
いつも文字数が足りずに、文章で途中で終わっている。
そして、続きが本文にあるのだろうと開いてみると
なにもない“カラメール”ならぬ“カラ本文”なのである。
だからいつも途中で切れた題名で、何が言いたいかを
推測する必要がある。
それが何年続いただろうか?家族中から、クレームがでても
「そうなのよね~。なぜか題名のところになっちゃうのよね」と
言いながら、ぜんぜん改善する気配が見られなかった。
だが、去年から少しづつ、題名の部分に手をつけず、
本文に入力するパターンも増えてきた。
(でも、コレっていつのメールからの返信なんだろう?
どこからひっぱりだしたらこんな古い内容のメールが見つかるの?
と思うような、ちぐはぐな題名のついたメールを送ってくることもある。)
そして去年の暮れ、また新パターンメールが私のもとに
送られてきた。
私と息子が忘年会で家を不在にしたため、犬の散歩を
済ませたよ、という主旨の内容である。
以下メールそのまま。
題名:「コロの散歩終わりました 出会い」
本文:「相手の方にお詫びも言えないままでした」
以上だが、私が推測するに、たぶんコロが
「出会い」がしらに他の散歩中のワンちゃんと
取っ組みあいのケンカとなり、とっさのことだったので
「相手に謝ることができなかった」という報告なのでは
ないだろうかと、中間に抜けた文章から読み取った。
メールを読んだ瞬間、きっと一大事が起きたに違いない、と
思ったが、あまりの母らしいメールに苦笑いともつかない、
まさに「愛を込めた笑い」をしながら息子と二人で顔を見合わせた。
メールのデメリットもクローズアップされる昨今だが、
結構、ホットなツールのひとつであると私は思っている。
でも、そういえば、息子にあてて送るメールは
返ってきたためしがない。(友達にはあんなにマメなのに…)
「便りがないのは、元気な証拠」と昔からよくある言葉だが、
「返信がないのは、用件はひとまずわかっている証拠」と
あきらめている。
ある銀行関連のリサーチ&コンサルティング会社発行の
経営情報紙にファインの社長でもある母が掲載された。
「“女性”が会社を元気にする」という特集で、
女性社長ばかりをクローズアップしてあり、
「月島倉庫」や正月飾りの「飾一」さんなど、
そうそうたる顔ぶれの中での登場である。
『これからの時代に必要なのは、“女性的感性”を
ビジネスに巧みに生かすこと』というサブタイトルで
女性経営者ならではの視点での会社経営の極意?を
見開き2ページという誌面で、商品と共に紹介して
いただいたのだ。
銀行系列の会報なので、もちろんお堅い内容ではあるが、
その中で爆笑するような記事があった。
『現代キーワード辞典』とあるそのコラムには、最近
よく使われる言葉の解説が4つあるのだが、
最後のひとつに『おかんアート』という言葉の意味が
解釈してある。
家庭の主婦による、クォリティは高いけれど、
テキストどおりではなく自分なりのセンスを
取り入れた“実用性の低い手芸作品”をさすのだという。
たとえば、人形や壁掛け、造花、置物などで
具体的な作品パターンは存在しない。
手編みのセーターのように、実際につかえる品は除外され、
「結構うまい、絶対いらない」がキーワードになっているのだとか。
でもその不毛とも思える作品へのネーミングは、実は
同時に母への愛を込めてそう呼ぶそうなのである。
そして、「また類似したものに…」と文章は続いていて、
『おかんメール』なるものもあるという。
不慣れなためにおかしな文字変換をしたままだったり、
短文すぎてまるで果たし状だったりする親からの
メールを笑うものなのだそうだ。
**********************
我が母からの携帯メールもまさにその通り!
60才を過ぎてから始めたパソコンは、何度となく
妹のNaokoに使い方を尋ね、毎回初めて聞いたような
リアクションをする。「それ前にも教えたよ!」と
言われてはムっとしてみたり、
「あ~!その添付ファイルつきの、送り主が誰かわからないのは
ウィルスメールだからクリックしちゃダメぇ!」と
Naokoがあわてて血相を変えて叫んでも、
「あら?大事な仕事の話かもしれないじゃないの?」と
シャラっと切り返される。
「…だから、知らない人からのはダメなんだってば…。」と
だんだんとため息まじりに小声になって、力が抜けてくる。
それでも、本人の使いこなしたい前向きな姿勢と
忍耐強く教えた甲斐あって、今では出張の際のホテルは
ネットで予約しているし、「駅から時刻表」などを使って
交通手段と出発、到着時刻をきっちり押さえるほどの腕前だ。
でも携帯メールだけは、いつになっても笑えるのだ。
“題名”のところにいきなり本文を打ち始めるので、
いつも文字数が足りずに、文章で途中で終わっている。
そして、続きが本文にあるのだろうと開いてみると
なにもない“カラメール”ならぬ“カラ本文”なのである。
だからいつも途中で切れた題名で、何が言いたいかを
推測する必要がある。
それが何年続いただろうか?家族中から、クレームがでても
「そうなのよね~。なぜか題名のところになっちゃうのよね」と
言いながら、ぜんぜん改善する気配が見られなかった。
だが、去年から少しづつ、題名の部分に手をつけず、
本文に入力するパターンも増えてきた。
(でも、コレっていつのメールからの返信なんだろう?
どこからひっぱりだしたらこんな古い内容のメールが見つかるの?
と思うような、ちぐはぐな題名のついたメールを送ってくることもある。)
そして去年の暮れ、また新パターンメールが私のもとに
送られてきた。
私と息子が忘年会で家を不在にしたため、犬の散歩を
済ませたよ、という主旨の内容である。
以下メールそのまま。
題名:「コロの散歩終わりました 出会い」
本文:「相手の方にお詫びも言えないままでした」
以上だが、私が推測するに、たぶんコロが
「出会い」がしらに他の散歩中のワンちゃんと
取っ組みあいのケンカとなり、とっさのことだったので
「相手に謝ることができなかった」という報告なのでは
ないだろうかと、中間に抜けた文章から読み取った。
メールを読んだ瞬間、きっと一大事が起きたに違いない、と
思ったが、あまりの母らしいメールに苦笑いともつかない、
まさに「愛を込めた笑い」をしながら息子と二人で顔を見合わせた。
メールのデメリットもクローズアップされる昨今だが、
結構、ホットなツールのひとつであると私は思っている。
でも、そういえば、息子にあてて送るメールは
返ってきたためしがない。(友達にはあんなにマメなのに…)
「便りがないのは、元気な証拠」と昔からよくある言葉だが、
「返信がないのは、用件はひとまずわかっている証拠」と
あきらめている。